シーケンス制御技能士について

実技試験あり筆記試験実務経験・学歴が必要
国家資格

シーケンス制御技能士とは?

概要・受検料・等級・FA自動化の国家技能検定を徹底解説

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シーケンス制御技能士の概要

シーケンス制御技能士は、PLC(プログラマブルコントローラ)やリレーを使って、機械や設備を決められた順序で自動的に動かす「シーケンス制御」の技能を国が認定する国家資格です。職業能力開発促進法に基づく「技能検定」の一職種で、試験問題は中央職業能力開発協会(JAVADA)が作成し、各都道府県の職業能力開発協会が実施します。合格すると名乗れる名称独占資格です。工場の自動化(FA)を支える、現代のものづくりに欠かせない技能です。

シーケンス制御とは、機械や設備を「あらかじめ定められた順序」に従って自動的に動かす制御方式です。PLCやリレーで制御回路を組み、ボタンを押すと一連の動作が自動で進む――工場の自動化設備や自動ドアなどに使われています。

工場自動化(FA)の中核技術

シーケンス制御は、工場の生産設備を自動で動かす「FA(ファクトリーオートメーション)」の中核となる技術です。PLCにプログラム(ラダー図)を書き込み、センサーやスイッチからの信号に応じて、機械を順序どおりに動かします。人手に頼らず、正確で効率的な生産を実現する――シーケンス制御技能士は、この自動化を担う専門技能を証明します。

令和5年度に独立した新職種

シーケンス制御は、もともと「電気機器組立て」職種の中の一作業でしたが、令和5年度(2023年度)から「シーケンス制御」という独立した職種になりました。自動化のニーズの高まりを受けた変更です。等級は1級・2級・3級があり(特級はありません)、3級から挑戦できます。受検者の実務やレベルに応じて、等級を選んで受検します。

基本情報の早見表

主催中央職業能力開発協会(JAVADA)が問題作成、都道府県職業能力開発協会が実施(職業能力開発促進法に基づく国家検定)。令和5年度に独立職種化
等級1級・2級・3級(特級なし)
作業区分シーケンス制御作業
受検資格3級=実務があれば期間不問/2級=実務2年以上/1級=実務7年以上。学歴・養成施設の修了で短縮
試験形式学科試験+実技試験(PLCと試験盤の配線、ラダープログラムの作成、動作確認)
合格基準学科65点以上・実技60点以上(各100点満点)
実施時期前期・後期の年2回(職種により実施期が決まる)
受検料標準=学科3,100円+実技18,200円(都道府県により異なる。若年者減免あり)

試験内容を詳しく

学科と実技の両方で構成されます。それぞれの内容を見ていきましょう。

学科試験:制御の知識

学科では、シーケンス制御の理論や、PLC・リレーの仕組み、電気、制御回路、安全衛生などの知識が問われます。リレー制御とPLC制御の両方の知識や、制御回路の読み方など、自動制御を正しく組むための理解が中心です。等級によって、出題される範囲が異なります。

実技試験:配線とプログラミング

実技では、PLC(シーケンサ)と試験盤の入出力(I/O)配線を行い、指示された動作を実現するラダープログラム(ラダー図)を作成します。さらに、タイムチャートや仕様書を読み解き、実際にプログラムを動かして動作を確認します。配線とプログラミングの両方を、正確に行う技能が試されます。

難易度・学習の目安

★★★☆☆ 3級から挑戦でき、上位等級ではPLCプログラミングと配線の確かな技能が求められます。

難易度は等級によって変わります。3級は実務があれば挑戦しやすく、シーケンス制御の基礎を確かめるのに適しています。2級・1級になると、より複雑なラダープログラムの作成や、正確な配線が求められます。プログラミングと配線の両方を扱うため、実際に手を動かして練習することが上達の近道です。日々のFA・制御の業務が、そのまま対策につながります。

合格の目安:職種別の合格率は公表されていません。合格基準は学科65点以上・実技60点以上。PLCのプログラミングと配線の正確さが要です。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

FA・生産設備の現場

工場の自動化(FA)や、生産設備の設計・保全の現場で活躍できます。生産設備を自動で動かすシーケンス制御は、製造業の生産性を支える要の技術です。技能士の資格は、その制御技術を証明する材料になります。

制御盤の設計・製作

機械や設備を制御する制御盤の設計・製作の現場でも、シーケンス制御の技能が活きます。配電制御システムの業界で、制御を組める技能者は欠かせない存在です。自動ドアやエレベーターなど、身近な自動制御機器の分野にも活躍の場があります。

設備保全・キャリアアップ

生産設備の保全でも、シーケンス制御の知識は役立ちます。設備が止まったときに、制御の仕組みを理解して原因を探れる人材は重宝されます。多くの企業で、技能士の取得が技能手当や評価の対象になり、キャリアアップにつながります。

他の資格との違い・位置づけ

電気機器組立て技能士との関係

シーケンス制御は、もともと「電気機器組立て」職種の一作業でしたが、令和5年度に独立した職種になりました。電気機器組立てが、モーターや配電盤などの機器の「組立て」全般を扱うのに対し、シーケンス制御は、PLCやリレーで設備を動かす「制御ロジック」に特化しています。機器を組む技能と、それを動かす制御を組む技能、という違いです。

電気・電子系の資格との違い

電気工事士電気主任技術者(電験)が、電気設備の工事や保安を扱う資格であるのに対し、シーケンス制御技能士は、「制御ロジックを組む技能」(PLCのプログラミング・配線・動作確認)を認定する技能検定です。設備を作る・守る資格とは異なり、設備を「思いどおりに動かす」技能に焦点を当てた資格といえます。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

FA・制御に携わる技能者

工場の自動化や制御盤製作に携わる人が、自分の制御技能を公的に証明するために取得します。3級から段階的に挑戦し、キャリアと共に等級を上げていきます。

設備保全の担当者

生産設備の保全を担う人が、シーケンス制御の知識を証明するために取得します。制御の仕組みを理解していることは、設備トラブルへの対応力につながります。

自動化を進める企業

生産の自動化を進める企業が、社員に取得をすすめて制御技術を高めるために活用します。シーケンス制御を組める技能士の在籍は、生産性向上の力になります。

豆知識:自動化の「頭脳」を組む

ラダー図という設計図

シーケンス制御のプログラムは、「ラダー図(はしご図)」という独特の図で書かれます。はしごのような形で、電気の流れと動作の条件を表します。このラダー図が、自動化設備の「頭脳」となる設計図です。どんな順序で、どんな条件で機械を動かすか――それを組み立てるのがシーケンス制御技能士の腕の見せどころです。

受検料は都道府県で変わる

受検料は標準額が学科3,100円・実技18,200円ですが、実技は各都道府県が定めるため金額が異なる場合があります。若年者を対象とした減免制度もあります(対象年齢や金額は年度・自治体で変わります)。申し込み前に、お住まいの都道府県職業能力開発協会の最新案内を確認しましょう。

まとめ ― 工場自動化を支える国家資格

こんな方にとくにおすすめ

  • FA・生産設備の設計・保全に携わる方
  • 制御盤の設計・製作に携わる方
  • PLCプログラミング・配線の技能を証明したい方
  • 技能手当・キャリアアップにつなげたい方

取得に向けた第一歩

まずは、受検する等級を確認しましょう。実務経験が浅いうちは3級から始めるのがおすすめです。PLCのプログラミングと配線は、実際に手を動かして練習することが大切です。最新の試験日程・受検料・受検資格は、お住まいの都道府県職業能力開発協会や、厚生労働省「技のとびら」の公式情報で確認してください。

公式サイト:技能検定「シーケンス制御」(厚生労働省 技のとびら)