電気機器組立て技能士について

実技試験あり筆記試験実務経験・学歴が必要
国家資格

電気機器組立て技能士とは?

概要・受検料・等級・産業用電気機器の国家技能検定を徹底解説

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電気機器組立て技能士の概要

電気機器組立て技能士は、モーター(回転電機)や変圧器、配電盤・制御盤などの産業用電気機器を組み立てる技能を国が認定する国家資格です。職業能力開発促進法に基づく「技能検定」の一職種で、試験問題は中央職業能力開発協会(JAVADA)が作成し、各都道府県の職業能力開発協会が実施します。合格すると名乗れる名称独占資格です。電力を動力として扱う「強電」の機器づくりを支える、製造業の基盤となる技能です。

電気機器とは、ここでは回転電機(モーター)・変圧器・配電盤・制御盤などの産業用電気機器を指します。電気を「エネルギー(動力)」として扱う「強電」の分野で、工場や設備を動かす土台となる機器です。

産業用「強電」機器の組立

電気機器組立ては、家電などの民生品ではなく、工場や設備で使われる産業用の電気機器を対象とします。モーターや変圧器、配電盤などを組み立て、それに伴う電気系・メカニズム系の調整や検査を行います。大きな電力を扱うため、正確な組立てと、安全への配慮が求められる技能です。

等級と作業区分

等級は特級・1級・2級・3級があります(3級は「配電盤・制御盤組立て作業」で実施)。作業区分は、回転電機組立て・変圧器組立て・配電盤・制御盤組立て・開閉制御器具組立て・回転電機巻線製作などに分かれています。なお、以前あった「シーケンス制御作業」は、令和5年度から「シーケンス制御」という独立した職種になりました。受検者は、自分の実務に対応する区分を選んで受検します。

基本情報の早見表

主催中央職業能力開発協会(JAVADA)が問題作成、都道府県職業能力開発協会が実施(職業能力開発促進法に基づく国家検定)
等級特級・1級・2級(配電盤・制御盤組立て作業は3級もあり)
作業区分回転電機組立て/変圧器組立て/配電盤・制御盤組立て/開閉制御器具組立て/回転電機巻線製作(シーケンス制御は令和5年度に別職種化)
受検資格3級(配電盤・制御盤)=実務があれば期間不問/2級=実務2年以上/1級=実務7年以上/特級=1級合格後5年以上。学歴・養成施設の修了で短縮
試験形式学科試験+実技試験(電気機器の組立て、電気系・メカニズム系の調整・検査)
合格基準学科65点以上・実技60点以上(各100点満点)
実施時期前期・後期の年2回(作業区分により実施期が決まる)
受検料標準=学科3,100円+実技18,200円(都道府県により異なる。若年者減免あり)

試験内容を詳しく

学科と実技の両方で構成されます。それぞれの内容を見ていきましょう。

学科試験:電気機器の知識

学科では、電気機器や電気の基礎、組立て法、材料、製図、安全衛生などの知識が問われます。モーターや変圧器の仕組み、配線の方法、電気を安全に扱う知識など、産業用電気機器を正しく組み立てるための知識が中心です。作業区分や等級によって、出題される範囲が異なります。

実技試験:組立てと調整

実技では、選んだ作業区分に応じて、実際に電気機器を組み立て、調整・検査します。回転電機の組立てや巻線製作、配電盤・制御盤の組立てなど、区分ごとに課題が異なります。正確に組み立て、正しく動作するように調整する技能が問われます。電気系・メカニズム系の両面の技能が試されます。

難易度・学習の目安

★★★☆☆ 3級から挑戦でき、上位等級では産業用機器の組立・調整の高い技能が求められます。

難易度は等級・作業区分によって変わります。配電盤・制御盤組立ての3級は実務があれば挑戦しやすく、基礎を確かめるのに適しています。2級・1級になると、産業用電気機器の正確な組立てや調整など、より高度な技能が求められます。大きな電力を扱う分、安全への理解も重要です。日々の組立て業務が、そのまま実技対策につながります。

合格の目安:職種別の合格率は公表されていません。合格基準は学科65点以上・実技60点以上。正確な組立てと調整の技能が要です。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

電機メーカー

モーターや変圧器などを製造する電機メーカーの組立・製造現場で活躍できます。産業用電気機器は、工場や社会インフラを動かす土台です。技能士の資格は、その組立技術を証明する材料になります。

配電盤・制御盤の製造

工場や設備に電気を分配・制御する配電盤・制御盤の製造現場でも、技能が活きます。正確な配線と組立てが求められるこの分野で、技能士は信頼される存在です。配電盤・制御盤組立ての区分には3級もあり、入り口として挑戦しやすくなっています。

社内評価・キャリアアップ

多くの企業で、技能士の取得が技能手当や昇給・昇格の対象になります。電気機器組立ての技能を公的に証明できるため、社内での評価向上や、職業訓練指導員など関連資格への足がかりにもなります。

他の資格との違い・位置づけ

電子機器組立て技能士との違い

電気機器組立て技能士が、モーターや変圧器など電気を「エネルギー」として扱う強電・産業用機器を対象とするのに対し、電子機器組立て技能士は、プリント基板やICなど電気を「信号」として扱う弱電・電子機器を対象とします。「強電(電気機器組立て)」と「弱電(電子機器組立て)」という、扱う対象の違いが両者を分けています。

シーケンス制御技能士との関係

以前は「電気機器組立て」職種の中に「シーケンス制御作業」がありましたが、令和5年度から「シーケンス制御」という独立した職種になりました。電気機器組立てが機器の「組立て」全般を扱うのに対し、シーケンス制御は、機械・設備を順序どおりに自動で動かす「制御」に特化しています。両者は関連しつつ、扱う技能の中心が異なります。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

電気機器の組立に携わる人

電機メーカーや配電盤・制御盤メーカーで組立に携わる人が、自分の技能を公的に証明するために取得します。3級・2級から実務経験を積み、上位等級を目指してキャリアを高めていきます。

産業設備に関わる人

工場の設備や社会インフラに関わる電気機器の製造・保全に携わる人が、専門技能の証として取得します。産業を支える機器の技能は、現場で高く評価されます。

技術力を高めたい企業

電気機器の製造を手がける企業が、社員に取得をすすめて技術力を証明・向上させるために活用します。技能士の在籍は、品質の高い電気機器を作れる証になります。

豆知識:社会を動かす「強電」の機器

縁の下で社会を支える

モーターは「産業の米」とも呼ばれ、工場の機械からエレベーター、ポンプまで、あらゆるものを動かしています。変圧器や配電盤は、電気を安全に届ける役割を担います。こうした産業用電気機器は、普段は目に触れませんが、社会を動かす土台です。電気機器組立て技能士は、その基盤を組み立てる担い手といえます。

受検料は都道府県で変わる

受検料は標準額が学科3,100円・実技18,200円ですが、実技は各都道府県が定めるため金額が異なる場合があります。若年者を対象とした減免制度もあります(対象年齢や金額は年度・自治体で変わります)。申し込み前に、お住まいの都道府県職業能力開発協会の最新案内を確認しましょう。

まとめ ― 産業用電気機器を組み立てる国家資格

こんな方にとくにおすすめ

  • 電機メーカー・配電盤製造の現場で働く方
  • モーター・変圧器・配電盤などの組立技能を証明したい方
  • 産業設備・インフラに関わる方
  • 技能手当・昇給昇格につなげたい方

取得に向けた第一歩

まずは、自分の実務に対応する作業区分(回転電機/変圧器/配電盤・制御盤 など)と等級を確認しましょう。配電盤・制御盤組立ては3級から挑戦できます。なお、制御を専門にする場合は「シーケンス制御」職種も検討するとよいでしょう。最新の試験日程・受検料・受検資格は、お住まいの都道府県職業能力開発協会や、厚生労働省「技のとびら」の公式情報で確認してください。

公式サイト:技能検定「電気機器組立て」(厚生労働省 技のとびら)