農業機械整備技能士について

実技試験あり筆記試験実務経験・学歴が必要
国家資格

農業機械整備技能士とは?

1〜3級・トラクタ・コンバイン等農業機械の整備の国家技能検定をわかりやすく解説

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農業機械整備技能士の概要

農業機械整備技能士は、トラクタ・コンバイン・田植機などの農業機械を整備・点検・修理する技能を国が認定する国家資格です。職業能力開発促進法に基づく「技能検定」の一職種で、試験問題は中央職業能力開発協会(JAVADA)が作成し、各都道府県の職業能力開発協会が実施します。合格すると名乗れる名称独占資格で、農機具販売店・農業機械メーカー・農協の整備部門などで活かせます。

農業機械とは、農業作業の効率化に使われる機械の総称で、トラクタ・コンバイン(稲・麦の刈取脱穀機)・田植機・管理機・スプレーヤーなどがあります。内燃機関や電動機を動力として、農地の耕起・播種・防除・収穫など多様な作業をこなします。

等級は1級・2級・3級

等級は1級・2級・3級の3段階があります。3級は実務経験不問で挑戦でき、農業機械整備の基礎的な技能を認定します。2級は中級、1級は上級で、複雑な機種の故障診断・高度な整備ができる技能者の水準です。農業機械整備の入門として3級から始め、経験を積みながらステップアップします。

基本情報の早見表

主催中央職業能力開発協会(JAVADA)が問題作成、都道府県職業能力開発協会が実施(職業能力開発促進法に基づく国家検定)
等級1級・2級・3級
作業区分なし(単一作業)
受検資格3級=実務不問/2級=実務2年以上/1級=実務7年以上(または2級合格後2年以上)。学歴・養成施設の修了で短縮
試験形式学科試験+実技試験(農業機械の点検・整備・診断・修理作業)
合格基準学科65点以上・実技60点以上(各100点満点)
実施時期前期・後期の年2回
受検料標準=学科3,100円+実技18,200円(都道府県により異なる。若年者減免あり)

試験内容を詳しく

学科と実技の両方で構成されます。それぞれの内容を見ていきましょう。

学科試験:農業機械の構造と整備知識

学科では、農業機械のエンジン構造・動力伝達装置・油圧システム・電気系統・各種作業装置(耕うん・田植え・収穫など)の知識が問われます。定期点検の方法、故障診断・修理手順、安全基準、農業機械に関連する法令知識も出題範囲に含まれます。

実技試験:点検・診断・整備

実技では、農業機械(主にトラクタやコンバイン)の各部点検・故障診断・整備・修理・調整作業が試されます。エンジン・油圧装置・動力伝達・作業装置など複数系統の整備を安全かつ正確に行う技能が評価されます。

難易度・学習の目安

★★★☆☆ 3級は入門レベル。1級はトラクタからコンバインまで多機種に対応できる総合整備力が必要な中級〜上級資格です。

3級は実務不問で挑戦できる入門レベルですが、農業機械の基本的な構造と整備方法の理解が必要です。2級・1級では多様な農業機械に対応した総合整備力が問われます。農機具販売店や農協の整備部門での日常業務がそのまま試験対策になる、実務直結の資格です。

合格の目安:職種別の合格率は公表されていません。合格基準は学科65点以上・実技60点以上。農業機械の多機種対応力と実際の整備精度が鍵です。

農機具販売店・農協の整備担当者に

農機具販売店・農業協同組合(農協)の整備部門、農業機械メーカーのサービスエンジニアが技能を公的に証明するために取得します。農繁期の故障対応は時間が命であり、確かな整備技能を持つ技能士の存在は農業現場で高く評価されます。

農業の担い手を支える技能

農業の大規模化・スマート農業化が進む中、農業機械の高度化に対応できる整備技能士の需要は増しています。農業機械整備技能士の技能は、農業生産を支える重要なインフラを守る仕事です。

他の資格との違い

「機械の整備」を扱う技能検定は対象車両ごとに複数の職種に分かれています。

建設機械整備技能士との違い

建設機械整備技能士は油圧ショベルやブルドーザなど土木・建築工事用の建設機械を、農業機械整備技能士はトラクタ・コンバイン・田植機など農作業用の機械を対象とします。どちらもエンジン・油圧・電気系統を扱う点は共通していますが、農業機械は季節による稼働の偏り(農繁期・農閑期)や、耕うん・収穫といった農作業特有の作業装置への理解が求められる点が特徴的です。

産業車両整備技能士との違い

産業車両整備技能士は工場・倉庫・港湾で使うフォークリフト等を対象とします。農業機械整備技能士が対象とする農地での耕起・収穫作業用の機械とは使用環境・作業装置がまったく異なり、それぞれ別の技能検定として区分されています。農業機械は屋外の泥・砂利・水分の多い環境で酷使されることが多く、防錆・防塵対策を踏まえた整備の勘所が求められる点も、屋内中心のフォークリフト整備とは異なる特徴です。

豆知識:農業機械の整備は季節との闘い

農繁期の故障は取り返しがつかない

稲刈りシーズンにコンバインが故障すると、収穫のタイミングを逃して品質や収量に直接影響します。農業機械は使用時期が集中するため、農繁期前のオフシーズン整備と農繁期中の迅速対応が、農業機械整備技能士の腕の見せ所です。

スマート農機の普及で整備の幅が広がる

GPSガイダンス・自動操舵・ドローン連携など、農業機械のデジタル化・スマート化が急速に進んでいます。従来の機械整備に加えて電子制御系の知識も求められる時代に突入しており、農業機械整備技能士の技能領域は今後さらに広がっていきます。

こんな方におすすめ

取得を検討したい方

  • 農機具販売店・農協の整備・サービス担当者
  • 農業機械メーカーのサービスエンジニア
  • 農業機械整備の仕事を始めたばかりで3級から挑戦したい方
  • 技能手当・昇格のために公的資格が欲しい方

取得に向けた第一歩

3級は実務不問なので、農業機械整備の仕事を始めた方が早期に挑戦できます。学科は農業機械の構造・エンジン・油圧の基礎から学び、実技は日常の点検・整備作業の精度を意識しながら積み重ねましょう。2級・1級は実務経験を積みながらのステップアップが基本です。最新の試験日程・受検料・受検資格は、厚生労働省「技のとびら」の公式情報で確認してください。

公式サイト:技能検定「農業機械整備」(厚生労働省 技のとびら)