福祉用具プランナーについて

実技試験あり筆記試験実務経験・学歴が必要
民間資格

福祉用具プランナーとは?

概要・難易度・取得後の役割を解説

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福祉用具プランナーの概要

福祉用具プランナーは、公益財団法人テクノエイド協会が実施する認定講習を修了し、認定試験に合格した人に「福祉用具プランナー認定証」が交付される民間資格です。福祉用具専門相談員として一定の実務経験を積んだ人が、さらに専門性を高めるために取得するステップアップ型の資格として位置づけられています。

福祉用具専門相談員とは、介護保険制度において福祉用具の選定相談・貸与・販売を担う職種の基礎資格です。福祉用具プランナーは、この福祉用具専門相談員としての実務経験を土台にして取得を目指す、いわば「その先」の資格にあたります。

試験の出題範囲と形式

福祉用具プランナーの認定は、単発の筆記試験だけで完結するものではありません。総履修時間100.5時間という長丁場のカリキュラムを経て、最後に認定試験を受ける形式です。内訳は、eラーニングによる座学が48.0時間、会場に集まって行う集合講習(実技・演習)が51.0時間、そして仕上げの認定試験が1.5時間となっています。

座学で福祉用具に関する制度・知識をひと通り学んだのち、集合講習で福祉用具の選定・利用計画の作成・モニタリング評価といった実務に近い演習を重ね、最後に認定試験でその理解度を確認する、という流れです。単に知識を暗記するだけでなく、現場で使える判断力を養うことに重点が置かれています。

受験資格・対象者

受験できるのは、次の3つの条件をすべて満たす人です。1つ目は資格要件で、指定を受けた福祉用具貸与・特定福祉用具販売の事業所に勤務する福祉用具専門相談員(従事中または経験者)、あるいは保健師・看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・社会福祉士・介護福祉士・義肢装具士・介護支援専門員・建築士(一級・二級・木造)のいずれかを持ち福祉用具に関連する業務に携わっている人などが該当します。そのほか、テクノエイド協会の理事長が認めた人も対象に含まれます。

2つ目は実務経歴で、認定試験実施日の時点で、福祉用具専門相談員の業務または福祉用具に関連する業務に2年以上従事した経験が必要です。3つ目は、eラーニングを受講できる環境(パソコンやメールなど)を用意できることです。これらすべてを満たして、はじめて受講・受験の申し込みが可能になります。

特定福祉用具販売とは、腰掛便座や入浴補助用具など、貸与になじまない性質の福祉用具を介護保険の給付対象として販売する仕組みのことです。福祉用具専門相談員は、こうした販売や貸与の相談窓口を担う専門職です。

福祉用具選定士との違い(別団体・別資格)

福祉用具の分野には、名称が似ている「福祉用具選定士」という資格も存在しますが、福祉用具プランナーとは運営団体が異なる別の資格です。福祉用具プランナーの主催は公益財団法人テクノエイド協会であるのに対し、福祉用具選定士は一般社団法人日本福祉用具供給協会が運営しています。

どちらも「福祉用具の専門性を高める」という方向性は共通していますが、認定を出している団体・カリキュラムの内容・試験の枠組みはそれぞれ独自のものです。求人票や研修案内などで名前が似ているために混同されがちですが、応募先や研修の案内をよく確認し、どちらの資格を指しているのかを取り違えないようにすることが大切です。

難易度・学習時間の目安

★★★☆☆ 総履修100時間超の長期講習型。実務経験2年以上が前提のハードルもある

福祉用具プランナーは、いわゆる「一夜漬けで突破する試験」ではありません。eラーニング48.0時間・集合講習51.0時間という、合わせて約100時間に及ぶカリキュラムをこなしたうえで、1.5時間の認定試験に臨む構成です。学習時間そのものというより、講習全体を計画的に受け切るスケジュール管理力が問われる資格といえます。

また、そもそも受験するためには福祉用具専門相談員などとして2年以上の実務経験が必要なため、知識面の勉強だけでなく「現場での下積み」がある人向けの資格です。集合講習では実技・演習も含まれるため、座学だけで完結する資格に比べると、体力的にも時間的にも一定の負担があります。

集合講習とは、指定された会場に実際に参集して受ける講習のことです。eラーニングのようにオンラインで完結せず、日程調整して現地に出向く必要があるため、勤務先との調整も準備の一部になります。

合格率の目安:公式に合格率は公表されていません。もっとも、講習全体をきちんと受講し演習に取り組んでいれば、無理なく合格を狙える設計になっているとされています。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

福祉用具貸与・販売事業所での上級相談員

福祉用具貸与・特定福祉用具販売の事業所において、福祉用具プランナーの認定を持つ人は、単なる商品説明にとどまらず、利用者の身体状況や生活環境を踏まえた用具の選定・利用計画の作成・導入後のモニタリング評価まで一貫して担える存在として期待されます。事業所内でも一段専門性の高い相談員として頼られる場面が増えます。

ケアマネジャーとの連携役

介護支援専門員(ケアマネジャー)が作成するケアプランの中で、福祉用具の活用は重要な要素のひとつです。福祉用具プランナーは、専門的な見地から福祉用具の提案や情報提供を行い、ケアマネジャーと二人三脚で利用者に最適な支援を組み立てるパートナーのような役割を果たします。

医療・リハビリ職からのキャリア展開

受験資格には理学療法士や作業療法士、看護師といった医療・リハビリ職も含まれています。こうした職種の人がこの資格を取得すると、リハビリテーションの視点と福祉用具の選定を結びつけた提案ができるようになり、在宅復帰支援や住環境整備といった分野での活躍の幅が広がります。

誕生の背景・歴史

介護保険制度と福祉用具専門相談員の限界

介護保険制度のもとで福祉用具の貸与・販売が公的サービスとして位置づけられると、事業所には福祉用具専門相談員の配置が義務づけられました。しかし現場が積み重なるにつれ、単に商品を紹介するだけでなく、利用者一人ひとりの身体状況や住環境に応じてより専門的に用具を選び、利用計画を立て、導入後の効果を評価できる人材が求められるようになっていきました。

上位資格としての福祉用具プランナーの整備

こうした背景から、公益財団法人テクノエイド協会は、福祉用具専門相談員としての経験や、医療・介護の専門資格を持つ人を対象に、より高度な知識と実践力を認定する仕組みとして福祉用具プランナーの認定講習を整備しました。eラーニングと集合講習を組み合わせた100時間超のカリキュラムは、単なる知識詰め込みではなく、現場での実践力を重視した内容として設計されています。

公益財団法人テクノエイド協会とは、福祉用具に関する情報提供・研究・人材育成などを行う公益法人です。福祉用具プランナーのほか、福祉用具に関するさまざまな調査・研修事業を手がけています。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

福祉用具専門相談員としてキャリアを深めたい人

すでに福祉用具専門相談員として働いており、「もう一歩踏み込んだ専門性を身につけたい」と考える人にとって、福祉用具プランナーは自然なステップアップ先です。利用者の生活全体を見渡した提案ができるようになりたいという動機で受講する人が多く見られます。

事業所内で指導的な立場を目指す人

福祉用具貸与・販売事業所の中で、後輩の相談員を指導したり、難しいケースの相談にのったりする立場を目指す人も、この資格を取得する動機のひとつとして挙げられます。認定証を持つことで、事業所内での役割が明確になり、責任あるポジションを任されやすくなります。

医療・リハビリ職から福祉用具分野へ関わりを広げたい人

理学療法士や作業療法士、看護師など、もともと医療・リハビリの資格を持つ人が、在宅ケアや住環境整備の分野への関わりを広げる目的で取得するケースもあります。医療的な視点と福祉用具の専門知識を組み合わせられる人材は、地域包括ケアの現場で重宝されます。

豆知識:福祉用具プランナーにまつわる話

100時間超という講習ボリュームの意味

福祉用具プランナーの総履修時間100.5時間という数字は、他の民間資格の講習と比べてもかなりの長さです。座学だけでなく集合講習(実技・演習)に51.0時間を割いている点は、この資格が「知識を知っている」ことよりも「現場で実際に使いこなせる」ことを重視している証といえます。忙しい実務の合間にこれだけの時間を確保するのは簡単ではなく、取得者の本気度がうかがえる資格です。

受験料は開催地・実施機関によって変動する

令和6年度に広島で開催された回の実績では、eラーニング利用料・テキスト代が21,000円(税込)、集合講習受講料が37,400円(税込)で、合計58,400円(税込)となっています。ただしこの金額は開催回や実施機関によって変動しうるとされているため、受講を検討する際は必ずその回の最新の募集要項で金額を確認することが欠かせません。なお、万一の再試験には別途3,100円(税込)がかかります。

※ 受験料や開催時期は年度・地域によって変わることがあるため、本記事の金額はあくまで一例として参考にとどめ、実際の申し込み時には公式サイトの最新情報を確認してください。

更新制度がある資格

福祉用具プランナーには、取得して終わりではなく「福祉用具プランナー更新のための指定研修」という制度が用意されています。具体的な有効期間の年数は公表資料からは確認できませんでしたが、資格を取ったあとも定期的に知識をアップデートする仕組みが設けられている点は、福祉用具を取り巻く制度や商品が日々変化していることを踏まえた工夫といえるでしょう。

まとめ ― 現場経験を「専門性の証」に変える資格

こんな方にとくにおすすめ

  • 福祉用具専門相談員として2年以上の実務経験があり、次のステップに進みたい方
  • 看護師・理学療法士・作業療法士・社会福祉士・介護福祉士など、福祉用具関連業務に携わる医療・介護職の方
  • ケアマネジャーと連携しながら福祉用具の専門的な提案をできるようになりたい方
  • 事業所内で福祉用具選定・利用計画作成・モニタリング評価まで一貫して担える人材を目指したい方

取得に向けた第一歩

まずは自分が受験資格(資格要件・2年以上の実務経歴・eラーニング受講環境)を満たしているかを確認することが第一歩です。そのうえで、公益財団法人テクノエイド協会が案内する開催情報をチェックし、eラーニングと集合講習のスケジュールを勤務先と調整しながら申し込みを進めましょう。名称の似た「福祉用具選定士」(日本福祉用具供給協会が運営する別資格)と取り違えないよう、申し込み先が正しくテクノエイド協会であることも確認しておくと安心です。

公式サイト:福祉用具プランナー養成事業(公益財団法人テクノエイド協会)