CCIE(Cisco Certified Internetwork Expert)について

CBT・オンライン試験実技試験あり誰でも受験可
民間資格

CCIE(Cisco Certified Internetwork Expert)とは?

概要・難易度・世界最高峰と呼ばれる理由を解説

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CCIEの概要

CCIE(Cisco Certified Internetwork Expert)は、米シスコシステムズ(Cisco Systems, Inc.)が認定するネットワーク技術者資格です。シスコの技術者認定制度は5段階のレベルに分かれていますが、CCIEはその最上位にあたる「エキスパート」レベルに位置づけられています。

シスコ技術者認定とは、シスコ製品を扱うネットワーク技術力を証明する資格制度のことです。下から「エントリー」「アソシエイト」「プロフェッショナル」「スペシャリスト」「エキスパート」の順に難度が上がっていきます。

試験の出題範囲と形式

CCIEはEnterprise Infrastructure、Security、Data Center、Service Provider、Collaboration、Enterprise Wireless、DevNetという7つのトラック(専門分野)に分かれています。自分が強みとしたい領域、あるいは仕事で扱っている領域に応じてトラックを選んで受験する仕組みです。

試験は2段階構成になっているのが最大の特徴です。まず筆記試験(Core Exam)に合格し、そのうえでラボ試験(実技試験)に合格して、はじめてCCIE認定が得られます。筆記試験はCCNP(プロフェッショナルレベルの資格)の試験と共通の内容になっており、CBT形式・120分・約90〜110問で実施されます。

CBT(Computer Based Testing)とは、会場のパソコンで受験する試験方式のことです。紙の答案用紙を使わず、その場で解答を入力していきます。

受験資格・対象者

CCIEには公式に定められた受験資格はなく、誰でも申し込むこと自体は可能です。ただし試験は英語のみで実施され、内容も高度な実務経験を前提としているため、実質的には5〜7年程度のネットワーク実務経験を積んだエンジニアが挑戦する資格とされています。

ラボ試験という独自の壁

ラボ試験を受けるには、対応するトラックのCore Examに先に合格しておく必要があります。ラボ試験は対面形式で実施され、実際の機材やシミュレーション環境を使って設計・導入・運用・最適化・トラブルシューティングといった業務を模した課題をこなす、実技一本勝負の試験です。筆記だけで完結する資格とは根本的に難易度の質が異なります。

難易度・学習時間の目安

★★★★★ ネットワーク資格の最難関。実務経験ほぼ必須

CCIE取得に必要な学習時間は、前提となる実務経験を含めると1,000〜2,000時間規模ともいわれます。筆記試験対策だけでなく、ラボ試験に向けて実際に機材やシミュレーターを使い、時間内に正確に設計・構築できるまで手を動かして体に覚え込ませる訓練が欠かせません。

受験料も決して安くはなく、筆記試験が400米ドル、ラボ試験は1,600〜1,900米ドルです。研修費用や再受験の可能性まで含めると、取得までの総費用は2,500〜10,000米ドル規模になると試算されることもあります。

※ 受験料はドル建てで設定されており、為替レートによって円換算額が変動する点に注意が必要です。

合格率の目安:公式の合格率は非公開ですが、業界推計では筆記試験が30〜40%程度、ラボ試験は20%前後、トラックによっては10%未満との見方もあります。二段階を突破して初めて認定される仕組みそのものが難関度を物語っています。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

ネットワークエンジニア(設計・構築)

企業や通信事業者の大規模ネットワークを設計・構築する場面で、CCIEの知識と実技力がそのまま活きます。ルーティングやスイッチングの複雑な要件を整理し、障害に強い構成を組み立てる仕事は、まさにラボ試験で鍛えられる領域そのものです。

インフラコンサルタント

顧客企業のネットワーク課題をヒアリングし、最適な構成を提案するコンサルティング業務でも、CCIE保持者は技術的信頼性の面で大きな武器になります。提案の裏づけとして「世界最高峰の実技資格を持つ技術者が設計している」という説得力が加わります。

ネットワーク保守・トラブルシューティング担当

障害発生時に原因を切り分け、迅速に復旧させるスキルもラボ試験で問われる領域です。大規模システムを止められない現場では、CCIE保持者の存在が障害対応の最後の砦として頼られることも少なくありません。

誕生の背景・歴史

1993年:誕生の経緯

CCIEは1993年にシスコが創設した資格です。インターネットの商用利用が本格化し始めた時代、企業ネットワークを支える技術者の実力を客観的に示す仕組みが必要とされていました。当時から「知識だけでなく実技で証明させる」という設計思想が貫かれており、これが現在まで続くラボ試験の原型になっています。

2000年代以降:トラックの多様化

当初はルーティング&スイッチングが中心でしたが、その後データセンター、セキュリティ、コラボレーション、ワイヤレス、DevNetなど時代のニーズに合わせてトラックが枝分かれしていきました。クラウドやソフトウェア化が進むネットワーク業界の変化を映す形で、試験内容も継続的にアップデートされています。

DevNetとは、ネットワーク機器の自動化・プログラマブルな運用を扱う比較的新しい分野のことです。シスコがソフトウェア寄りの技術者育成にも力を入れていることを示すトラックです。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

大手SIer・通信キャリアのベテランエンジニア

すでにCCNPレベルの資格を持ち、現場で数年の実務経験を積んだエンジニアが、キャリアの集大成として挑戦するケースが多く見られます。プロジェクトの技術リーダーとして名乗りを上げるための裏づけとして取得を目指す人もいます。

ネットワーク専業のフリーランス・独立技術者

企業に属さず案件単位で仕事を受ける技術者にとって、CCIEは「実力の証明書」として強い営業材料になります。資格の希少性の高さゆえに、保持者であること自体が差別化要因になりやすいのも特徴です。

グローバル企業への転職・海外案件を目指す人

試験が英語のみで実施されることもあり、CCIE取得者は語学力と技術力を同時に証明できます。外資系IT企業や海外案件を扱うプロジェクトへのキャリアチェンジを見据えて取得を目指す人も少なくありません。

豆知識:8時間ぶっ通しのラボ試験という異次元の壁

ラボ試験は対面・8時間の実技一本勝負

CCIEを語るうえで欠かせないのが、ラボ試験の過酷さです。Cisco指定の試験拠点か出張ラボで実施され、拘束時間はなんと8時間。休憩を挟みながらとはいえ、その間ずっとネットワーク機器やシミュレーション環境に向き合い、設計・導入・運用・最適化・トラブルシューティングまでを実技でこなし続けます。

しかも予約制で、実施頻度も限られているため「受けたいときにすぐ受けられる」試験ではありません。1回の受験機会にかける重みが、筆記試験中心の資格とはまったく違う緊張感を生んでいます。1回で合格できず、何度も出張してラボ試験に挑み続けるエンジニアも珍しくありません。

世界に約2万人、日本に約1,100人という希少性

2010年にシスコが公表した数字によると、CCIE保有者は世界で約2万人、日本国内では約1,100人でした。それ以降、シスコは保有者数を公式には公表していませんが、この数字だけでも世界規模のIT技術者人口の中でいかに少数精鋭の資格かがうかがえます。

取っても維持し続ける人が少ない資格

CCIEの有効期間は3年で、更新には再受験(筆記またはラボ)か、継続教育(CE)クレジット120単位の取得のいずれかが必要です。さらに更新時には300米ドルの事務手数料もかかります。取得の壁が高いだけでなく、維持のハードルも決して低くないため、「一度取得しても更新をせずに失効させる人が一定数いる」という点も、この資格の希少性を語るうえで欠かせないエピソードです。

継続教育(CE)クレジットとは、指定された研修受講やイベント参加などを通じて一定の単位を積み上げることで、再受験なしに資格を更新できる仕組みのことです。

まとめ ― ネットワークエンジニアの頂点を目指す証

こんな方にとくにおすすめ

  • すでにCCNPレベルの知識・実務経験があり、さらに上のキャリアを目指したい方
  • 大規模ネットワークの設計・構築・トラブルシューティングを専門にしたい方
  • フリーランスや独立技術者として技術力を客観的に証明したい方
  • グローバルな環境で通用する技術資格を身につけたい方

取得に向けた第一歩

いきなりCCIEを目指すのではなく、まずは前提となるCCNA・CCNPレベルの資格取得と実務経験の積み上げから始めるのが現実的な道筋です。特にCore ExamはCCNPと共通内容のため、CCNP取得を目標にした学習がそのままCCIEへの土台になります。土台ができてから、目指すトラックを1つ選び、ラボ試験対策の実技トレーニングに時間をかけて取り組んでいく流れがおすすめです。

公式サイト:Cisco CCIE Enterprise Infrastructure(Cisco Systems, Inc.)