アンガーコントロール士資格とは?
概要・難易度・怒りとの上手な付き合い方を解説
アンガーコントロール士資格の概要
アンガーコントロール士資格は、一般社団法人日本インストラクター技術協会(JIA)が認定する民間資格です。怒りという感情の性質を理解し、それをコントロールするための知識と実践スキルを一定以上備えていると認められた方に付与されます。「怒りっぽい性格を直したい」という個人的な悩みから、職場や家庭での人間関係改善まで、幅広い動機で学ばれている資格です。
※ アンガーマネジメントとは、怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングの総称です。似た名称の資格・講座が複数の団体から出ており、本記事で扱う「アンガーコントロール士」はJIA認定のものです。
試験の出題範囲と形式
試験では、アンガーコントロールの基本概念や歴史、怒りの本質と種類、感情管理の技法、認知トレーニング、ストレス対処法、対人関係スキルなど、怒りをめぐる知識が幅広く問われます。試験は在宅受験方式で、インターネットから申し込むと1週間以内に試験問題が自宅へ郵送される仕組みです。
※ 認知トレーニングとは、怒りが湧いたときの「ものの見方・考え方のクセ」に気づき、修正していく練習のことです。感情そのものを抑え込むのではなく、受け止め方を変えていくアプローチです。
受験資格・対象者
受験資格に制限はなく、誰でも申し込むことができます。受験料は10,000円(税込)で、合格基準は70%以上の得点です。回答を返送すると、到着から10日前後で合否結果照会ページから結果を確認できます。
「怒りをなくす」のではなく「うまく付き合う」ための資格
アンガーコントロールで大切にされているのは、怒りという感情自体を否定しないという考え方です。怒りは誰にでも起こる自然な感情であり、なくすことを目指すのではなく、爆発させずにコントロールする技術を身につける点が、この資格の学習の軸になっています。
難易度・学習時間の目安
専門的な予備知識がなくても学び始められる難易度で、認定教育機関の通信講座を利用すれば数か月程度で学習を修了できるよう設計されているのが一般的です。在宅受験のため、テキストや資料を確認しながら解答できるケースが多く、丸暗記よりも内容の理解を重視した学習が向いています。
取得後に活かせる仕事・関連する職種
企業研修・管理職向け講師
職場でのハラスメント防止や部下とのコミュニケーション改善を目的に、企業がアンガーマネジメント研修を導入する動きが広がっています。資格取得者は、そうした研修の講師や社内啓発活動の担い手として活動する道があります。
※ パワーハラスメント防止法(改正労働施策総合推進法)により、2022年4月から中小企業を含む全事業主にハラスメント防止措置が義務化されました。管理職向けの怒りのコントロール研修は、この流れの中で需要が高まっている分野のひとつです。
カルチャースクール・オンライン講師
資格取得後は、自宅やオンライン、カルチャースクールなどで講座を開くこともできます。「怒りっぽい自分を変えたい」という一般の受講者に向けて、実践的なコントロール法を伝える立場として活躍できます。
子育て・家庭でのコミュニケーション支援
子育て中についイライラをぶつけてしまうという悩みは多くの保護者に共通します。学んだ知識を自分の子育てに活かすだけでなく、同じ悩みを持つ保護者向けの講座を開く人もいます。
誕生の背景・歴史
アンガーマネジメントの広がりと資格化
アンガーマネジメントはもともと1970年代にアメリカで開発された心理トレーニングで、犯罪者の更生プログラムなどに使われたのが始まりとされています。日本では2000年代以降、ビジネスパーソンのストレスマネジメントや職場のハラスメント対策として注目を集めるようになりました。JIAはこうした社会的関心の高まりを受け、体系立てて学べる民間資格として「アンガーコントロール士」を整備しました。
在宅受験制度への移行
もともとは試験期間が定められていましたが、現在は試験期間・受験申込み期間の制限が撤廃され、いつでも受験を申し込める形式に変更されています。忙しい社会人でも自分のペースで学習・受験しやすい体制へと変化してきました。
どんな人が、どんな目的で取得しているのか
職場の人間関係に悩む会社員
上司や部下との衝突、理不尽な出来事へのイライラなど、職場でのストレスをきっかけに学び始める人が多くいます。感情的な反応を減らし、冷静なコミュニケーションを取れるようになりたいという動機が中心です。
子育て中の保護者
子どもについ怒鳴ってしまい自己嫌悪に陥る、という経験から資格取得を目指す保護者も少なくありません。感情のコントロール法を体系的に学ぶことで、家庭内の雰囲気を変えたいという思いが背景にあります。
カウンセラー・講師としてのキャリアを広げたい人
すでに心理系の資格を持つカウンセラーや講師が、専門分野を広げる目的でこの資格を追加取得するケースもあります。怒りの感情に特化した知識を加えることで、相談対応の幅を広げられます。
豆知識:怒りにまつわる意外な事実
怒りのピークは「6秒」といわれる
アンガーマネジメントの世界では「怒りの感情のピークは長くても6秒ほどで収まる」という考え方がよく紹介されます。カッとなった瞬間に反射的に言葉を発するのではなく、6秒間だけ間を置くことで、衝動的な言動を防げるとされる、実践しやすい対処法のひとつです。
怒りは「第二次感情」
アンガーマネジメントでは、怒りは単独で生まれる感情ではなく、不安・悲しみ・疲労・失望といった「第一次感情」の蓄積の末に表出する「第二次感情」だと説明されることがあります。表面的な怒りだけを見るのではなく、その奥にある本当の気持ちに目を向けることが、コントロールの第一歩とされています。
※ 「第一次感情」「第二次感情」という捉え方は、もともとアメリカの心理療法の現場で使われてきた考え方が日本のアンガーマネジメント教育に取り入れられたものといわれています。怒りの奥にある感情に気づく練習は、家庭でも職場でも応用しやすい視点です。
まとめ ― 怒りと上手に付き合う技術を手に入れる
こんな方にとくにおすすめ
- 職場や家庭でつい感情的になってしまい、直したいと感じている方
- 企業研修やハラスメント対策の講師として活動したい方
- 子育て中のイライラとの付き合い方を学びたい保護者
- 心理系資格に加えて専門分野を広げたいカウンセラー・講師
取得に向けた第一歩
まずは公式サイトで試験範囲や認定講座の内容を確認し、独学で挑むか、指定の認定教育機関の通信講座を利用するかを検討するとよいでしょう。在宅受験のため、自分の生活リズムに合わせて無理なく学習を進められる点も魅力です。
