公認釣りインストラクターについて

実技試験あり筆記試験誰でも受験可
民間資格

公認釣りインストラクターとは?

概要・難易度・取得後の活かし方を解説

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公認釣りインストラクターの概要

公認釣りインストラクターは、一般社団法人全日本釣り団体協議会(全釣り協)が認定する資格です。健全なレクリエーションとしての釣りを普及させるとともに、水産資源の保護や自然環境の保全、釣り場での安全確保やルール・マナーの指導を担う人材を養成することを目的としています。

全釣り協とは、1971年に農林水産省(現・水産庁)を主務官庁として設立された一般社団法人で、行政と釣り人をつなぐ公式団体として、公認釣りインストラクター(釣り指導員)や上級資格「公認フィッシング・マスター」の資格制度を国からの委託事業として統括しています。

試験の出題範囲と形式

資格を取得するには、まず年1回・全国数箇所で開催される2日間・12項目の養成講習会を受講します。講習では釣りの基礎知識だけでなく、水産資源保護のための法令、自然環境保全の考え方、釣り場での事故防止や応急対応、指導者としてのマナー啓発の仕方まで幅広く学びます。

講習修了後は、全国一斉に実施される資格試験に進みます。試験は筆記試験・論文・実技試験・面接という4つの審査で構成されており、知識の暗記だけでなく、指導者としての立ち居振る舞いや説明力まで総合的に問われる点が特徴です。

実技試験とは、竿の扱い方や仕掛けの結び方といった釣技そのものに加えて、初心者への説明のしかたなど「教える技術」も評価対象に含まれる試験です。

受験資格・対象者

受験資格は満20歳以上であることのみで、釣り歴や保有資格といった条件は設けられていません。子どもから大人まで釣りの楽しさを伝えたい人であれば、経験豊富な太公望から比較的キャリアの浅い愛好者まで幅広い層が挑戦できる間口の広さが特徴です。

海面・内水面の2区分

公認釣りインストラクターは「海面」と「内水面」の2つの区分に分かれています。海釣りを主なフィールドにするか、川や湖沼といった内水面を主なフィールドにするかによって選択でき、自分の得意な釣りのスタイルに合わせて資格を取得できる仕組みになっています。

内水面とは、海に対して河川・湖・沼などの淡水域を指す言葉です。アユやヘラブナなど、内水面ならではの釣りにも対応した知識・指導力が求められます。

難易度・学習時間の目安

★★☆☆☆ 釣りの基礎知識があれば挑戦しやすいが、論文・面接まで含む総合審査

知識問題そのものは、日頃から釣りに親しんでいる人であれば決して手が届かない水準ではありません。ただし、筆記だけでなく論文や実技、面接まで一連の審査をこなす必要があるため、「暗記すれば良い」試験ではなく、指導者としての総合力を問われる点に注意が必要です。

養成講習会が2日間・12項目というまとまった内容であることから、事前準備としては募集要項に示される学習範囲(水産資源保護に関する法令・自然保護の基礎・安全管理・指導法など)に目を通し、講習で扱われる用語や考え方を予習しておくとスムーズです。

遊漁とは、レジャーとして行う釣りのことを指す言葉で、漁業として行う「漁労」と区別するために使われます。公認釣りインストラクターは、この遊漁の場での安全やマナーを指導する役割を担っています。

合格率の目安:全釣り協から合格率は公表されていません。筆記・論文・実技・面接の総合審査のため、講習内容の理解に加えて指導者としての姿勢や説明力も評価される試験です。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

釣り教室・釣り大会の講師

各地のJOFI(都道府県釣りインストラクター連絡機構)に登録し、親子釣り教室やハゼ釣り体験、鮎の稚魚放流事業など、地域で開催される釣りイベントの講師として活動する道があります。安全講習から釣技指導まで、初心者に寄り添った説明力が求められる場面です。

釣具店・釣船業界でのアドバイザー

釣具店のスタッフや遊漁船(客を乗せて釣りをさせる船)の関係者が取得すれば、来店客や乗船客への安全指導・マナー啓発に資格の知識をそのまま活かせます。専門知識に裏付けられた説明ができることは、顧客からの信頼にもつながります。

地方公共団体の遊漁関連事業へのアドバイス

河川や湖沼を管理する地方公共団体が実施する遊漁関連の事業に、専門家として助言する役割を担うこともあります。稚魚放流やルール整備など、地域の水産資源を守る取り組みに、釣り人の視点を持つ指導者として関わることができます。

誕生の背景・歴史

1971年:全釣り協の設立と資格制度の始まり

全釣り協は1971年、農林水産省(現・水産庁)を主務官庁として設立されました。高度経済成長期を経て釣り人口が急増する一方、釣り場でのトラブルや水産資源への影響が課題として意識されるようになった時代背景の中で、行政と釣り人をつなぐ唯一の公式団体として発足しました。

国の委託事業としての位置づけ

公認釣りインストラクター(釣り指導員)と、その上位に当たる公認フィッシング・マスター(上級釣り指導員)の資格制度は、国の委託事業として全釣り協が統括してきた経緯があります。単なる民間の趣味資格ではなく、水産資源保護という公益的な目的を背景に持つ点が、この資格のユニークな特徴です。

公認フィッシング・マスターとは、公認釣りインストラクターとして一定年数の指導経験を積んだ人を対象にした上級資格です。より専門的な講習会を経て認定され、地域の釣りインストラクター活動を牽引する立場として位置づけられています。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

ベテラン釣り人で「教える側」に回りたい人

長年釣りを楽しんできた人が、その経験を次の世代や初心者に伝えたいという思いから資格取得を目指すケースが多く見られます。我流の釣り方を、安全やマナーの観点から改めて体系的に整理し直す機会にもなります。

地域の釣り場を守りたい人

ゴミ問題や立入禁止区域での釣りなど、釣り場をめぐるマナー違反に問題意識を持つ人が、地域の清掃活動や啓発活動に関わる足がかりとして資格を取得することもあります。JOFIの活動報告には、河川清掃や稚魚放流など環境保全の取り組みが数多く見られます。

釣具・遊漁関連の仕事に就いている人

釣具店員や遊漁船のスタッフなど、仕事として釣りに関わる人が、顧客対応の専門性を高める目的で取得する例もあります。資格を持っていることが、初心者の客に安心感を与える一つの目安にもなります。

豆知識:全釣り協と釣りインストラクターの意外な素顔

名誉会長は元内閣総理大臣

全釣り協の名誉会長には、第99代内閣総理大臣を務めた菅義偉氏が就いています。政治家の中にも釣り愛好家は少なくありませんが、行政と釣り人をつなぐ団体のトップに元総理が名を連ねていることは、この団体が単なる趣味の集まりではなく、公益性を持つ組織であることを象徴しています。

試験は「釣りがうまい人」だけが受かるわけではない

資格試験には論文と面接が含まれているため、釣りの腕前だけでは合格できません。水産資源保護や安全管理についてどう考え、どう伝えるかという「指導者としての言語化能力」が問われる点は、一般的な釣りの技術検定とは一線を画す特徴です。

都道府県ごとにJOFIが根付いている

資格取得者は、JOFI東京・JOFI広島・JOFI愛知など、都道府県単位の釣りインストラクター連絡機構に所属して活動するのが一般的です。各JOFIは親子釣り教室や河川清掃、稚魚放流イベントなどを独自に企画・運営しており、資格取得後の活動の受け皿として機能しています。

まとめ ― 「釣りの先生」として釣り場を守る資格

こんな方にとくにおすすめ

  • 釣りの楽しさや安全な釣り方を、初心者や子どもに伝えたい方
  • 地域の釣り場の環境保全やマナー啓発に関わりたい方
  • 釣具店・遊漁船など釣り関連の仕事で専門性を高めたい方
  • 海釣り・川釣りいずれかを主軸に、指導者としてのキャリアを築きたい方

取得に向けた第一歩

まずは全釣り協が年1回開催する養成講習会の募集情報を確認することから始まります。募集は全国数箇所で行われるため、居住地から参加しやすい会場を選んで申し込むとよいでしょう。上位資格の公認フィッシング・マスターは、インストラクターとしての指導経験を積んだ後に目指す次のステップとして位置づけられています。

公式サイト:一般社団法人 全日本釣り団体協議会 公式