切削工具研削技能士について

実技試験あり筆記試験実務経験・学歴が必要
国家資格

切削工具研削技能士とは?

概要・受検料・等級・工具研磨の国家技能検定を徹底解説

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切削工具研削技能士の概要

切削工具研削技能士は、ドリルやバイト、フライスといった切削工具を研削盤で研ぎ、切れ味と精度を出す「工具研削」の技能を国が認定する国家資格です。職業能力開発促進法に基づく「技能検定」の一職種で、試験問題は中央職業能力開発協会(JAVADA)が作成し、各都道府県の職業能力開発協会が実施します。合格すると名乗れる名称独占資格です。切れ味のよい工具は、良い加工の前提。切削工具研削は、ものづくりを足元から支える技能です。

切削工具研削とは、金属を削る切削工具(ドリル・バイト・フライス・カッタ等)を、研削盤で研いで切れ味や精度を出す技能です。新品の工具を研ぐほか、切れ味が落ちた工具を「再研磨」して再び使えるようにする作業も含みます。

「工具を研ぐ」専門技能

機械加工では、金属を削るための切削工具が使われます。その工具の切れ味が落ちると、加工の精度や効率が下がってしまいます。切削工具研削技能士は、こうした工具を研削盤で正確に研ぎ、最適な切れ味と形状に整える専門技能を持ちます。加工する「もの」ではなく、加工に使う「工具そのもの」を扱う、縁の下の力持ち的な職種です。

等級と作業区分

等級は1級・2級があります。作業区分は、「工作機械用切削工具研削作業」と「超硬刃物研磨作業」の2つです。万能工具研削盤などを使い、超硬合金製のカッタやチップ、各種の刃物を研削・研磨します。受検者は、自分の実務に対応する区分を選んで受検します。

基本情報の早見表

主催中央職業能力開発協会(JAVADA)が問題作成、都道府県職業能力開発協会が実施(職業能力開発促進法に基づく国家検定)
等級1級・2級
作業区分工作機械用切削工具研削作業/超硬刃物研磨作業
受検資格2級=実務2年以上/1級=実務7年以上(または2級合格後2年以上)。学歴・養成施設の修了で短縮
試験形式学科試験+実技試験(研削盤による切削工具・刃物の研削・研磨)
合格基準学科65点以上・実技60点以上(各100点満点)
実施時期前期・後期の年2回(作業区分により実施期が決まる)
受検料標準=学科3,100円+実技18,200円(都道府県により異なる。若年者減免あり)

試験内容を詳しく

学科と実技の両方で構成されます。それぞれの内容を見ていきましょう。

学科試験:工具と研削の知識

学科では、切削工具や研削に関する知識をはじめ、工具材料、機械、製図、安全衛生などが問われます。工具の刃の角度(すくい角・逃げ角など)や、材料の特性、研削の方法など、よく切れる工具に仕上げるための知識が中心です。作業区分や等級によって、出題される範囲が異なります。

実技試験:工具を研ぐ

実技では、研削盤を使って実際に切削工具や刃物を研削・研磨します。決められた刃の角度や形状を、正確に研ぎ出す技能が問われます。工具の切れ味は、刃の角度や仕上がりの精度で決まるため、繊細な研削の技術が求められます。再研磨では、摩耗した工具を元の性能に戻す技能も試されます。

難易度・学習の目安

★★★☆☆ 実務経験を前提に、刃の角度を正確に研ぎ出す繊細な技能が求められます。

切削工具研削技能士は、実務経験を前提とする資格です。2級でも実務2年以上、1級では7年以上の経験が必要で、研削盤の扱いに習熟していることが求められます。工具の切れ味は、わずかな角度の違いで変わるため、正確で繊細な研削技能が問われます。日々の工具研削の実務が、そのまま実技対策につながります。

合格の目安:職種別の合格率は公表されていません。合格基準は学科65点以上・実技60点以上。刃の角度を正確に研ぐ技能が要です。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

工具研磨・工具メーカー

切削工具の研磨・再研磨を行う業者や、工具メーカーの現場で活躍できます。自動車メーカーや各種製造業から依頼される工具の再研磨は、安定した需要があります。技能士の資格は、その研削技術を証明する材料になります。

機械加工現場の工具管理

機械加工の現場でも、自社で使う工具の研削・管理を担う人材として活躍できます。よく切れる工具を保つことは、加工の品質と効率を高めることに直結します。工具を自分で研げる技能者は、現場で重宝されます。

社内評価・キャリアアップ

多くの企業で、技能士の取得が技能手当や昇給・昇格の対象になります。工具研削の技能を公的に証明できるため、社内での評価向上につながります。取得を支援する企業も多く、テキスト代や受検料を会社が負担するケースもあります。

他の資格との違い・位置づけ

機械加工技能士との違い

機械加工技能士が、工作機械と切削工具を使って金属(ワーク)を削り、部品を作る技能を評価するのに対し、切削工具研削技能士は、その加工に使う「工具そのもの」を研ぐ技能を評価します。良い加工には、よく切れる工具が欠かせません。加工する側と、工具を整える側――両者は、ものづくりを支え合う関係にあります。

「再研磨」が支える省資源

切削工具研削の重要な役割が、摩耗した工具の「再研磨」です。切れ味が落ちた工具を、捨てずに研ぎ直して再び使えるようにすることで、コスト削減と省資源に貢献します。新品を買い替え続けるのではなく、研いで活かす――切削工具研削技能士は、ものづくりの効率と持続性を支える技能の証です。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

工具研削に携わる技能者

工具研磨業者や工具メーカーで研削を行う人が、自分の技能を公的に証明するために取得します。2級から実務経験を積み、1級を目指してキャリアを高めていきます。

機械加工現場の技能者

機械加工に携わる人が、工具を自分で研げる技能の証として取得します。工具研削の知識は、加工の質を高めることにもつながり、現場での信頼を高めます。

技術力を高めたい企業

工具研磨や機械加工を手がける企業が、社員に取得をすすめて技術力を証明・向上させるために活用します。技能士の在籍は、確かな工具研削ができる証になり、取得支援に積極的な企業も多くあります。

豆知識:切れ味は角度で決まる

ミクロの角度が品質を左右

切削工具の切れ味は、刃の「すくい角」「逃げ角」といった、わずかな角度で大きく変わります。同じ工具でも、研ぎ方ひとつで、よく切れたり、すぐ摩耗したりします。だからこそ、正確な角度に研ぎ出す技能には価値があります。よく切れる工具が、なめらかで精度の高い加工を生む――切削工具研削技能士は、その出発点を支える専門職です。

受検料は都道府県で変わる

受検料は標準額が学科3,100円・実技18,200円ですが、実技は各都道府県が定めるため金額が異なる場合があります。若年者を対象とした減免制度もあります(対象年齢や金額は年度・自治体で変わります)。申し込み前に、お住まいの都道府県職業能力開発協会の最新案内を確認しましょう。

まとめ ― 工具の切れ味を生む国家資格

こんな方にとくにおすすめ

  • 工具研磨業者・工具メーカーで研削に携わる方
  • 機械加工現場で工具研削・管理を担う方
  • 切削工具の研削・再研磨の技能を証明したい方
  • 技能手当・昇給昇格につなげたい方

取得に向けた第一歩

まずは、自分の実務に対応する作業区分(工作機械用切削工具研削/超硬刃物研磨)と等級を確認しましょう。2級から実務経験を積んで挑戦するのが基本です。最新の試験日程・受検料・受検資格は、お住まいの都道府県職業能力開発協会や、厚生労働省「技のとびら」の公式情報で確認してください。日々の工具研削の作業が、そのまま試験対策になります。

公式サイト:技能検定「切削工具研削」(厚生労働省 技のとびら)