プレス機械作業主任者について

筆記試験誰でも受験可
国家資格

プレス機械作業主任者とは?

技能講習修了・労働安全衛生法に基づく法定資格をわかりやすく解説

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プレス機械作業主任者の概要

プレス機械作業主任者は、労働安全衛生法に基づき、プレス機械による金属板の打ち抜き・成形・絞りなどの作業を行う事業場に選任が義務付けられている法定資格です。都道府県労働局長登録の教習機関が実施する「技能講習」を修了することで取得できます。プレス機械は金型への挟まれ・切断による重篤な労働災害の発生リスクが高く、安全管理の責任者として作業主任者の選任が法律で定められています(労働安全衛生規則第133条)。

プレス機械とは、クランク・油圧・空気圧などを動力としてスライドを上下運動させ、金型(上型・下型)で金属板(ブランク)を打ち抜き・曲げ・絞り・圧縮などの成形加工を行う機械です。自動車ボディ部品・家電ケース・電子部品など幅広い金属製品の製造に不可欠ですが、プレス機による指・手の切断事故が労働災害の代表的な事例として知られています。

選任義務と対象事業場

以下の作業を行う事業場ではプレス機械作業主任者の選任が義務付けられています。

  • 選任義務対象:プレス機械を5台以上(または1台でも複数名が作業する場合や金型の取り付け・調整・取り外し作業)使用する事業場のプレス作業・金型交換作業
  • 自動車部品製造:ボディパネル・フレーム部品・ブラケット類の打ち抜き・絞り・曲げ加工
  • 電機・電子部品製造:端子・コネクタ・シールドケース・バスバーの精密プレス成形
  • 金属加工業:ブランキング(打ち抜き)・バーリング・ファインブランキング・トランスファーライン
  • 建設資材製造:デッキプレート・形鋼・建材の冷間プレス成形

基本情報の早見表

取得方法技能講習(都道府県労働局長登録教習機関が実施)→ 修了試験合格 → 修了証書発行
講習日数2日間(計17時間。学科講習+修了試験)
受講資格特に制限なし(関係業務に従事している方が主な対象)
修了試験学科試験(マークシート・20〜30問程度)。合格基準は概ね各科目40%以上・全体60%以上
修了証書技能講習修了証(都道府県労働局長名)。永続有効・更新不要
受講料約12,000〜18,000円(教習機関・地域により異なる)
主な実施機関中央労働災害防止協会(JISHA)・各都道府県労働基準協会・産業安全技術館等
選任義務根拠労働安全衛生法第14条・労働安全衛生規則第133条

講習内容を詳しく

学科の科目

プレス機械の構造・安全装置・作業方法・法令の4科目が2日間の主な内容です。

  • プレス機械に関する知識:機械プレスの種類(クランクプレス・エキセントリックプレス・ナックルプレス)・油圧プレス・空気プレスの構造と動作原理・スライドの行程・金型(上型・下型)の種類と取り付け方法・ボルスターとダイクッションの機能・自動プレス(トランスファープレス)の特徴
  • プレス機械の安全装置に関する知識:両手操作式安全装置(インターロック・サイクル制御)の原理と調整方法・光線式安全装置(ライトカーテン)の設置基準・ガード式安全装置・手払い式装置の種類と適用条件・金型の保護カバー・不意起動防止のためのインターロック
  • 作業に関する知識:金型の取り付け・取り外し・調整の手順と注意事項・作業前点検(スライド・クラッチ・ブレーキ・安全装置の確認)・異常時の緊急停止手順・1サイクル1ストップの確認・整備・修理時のロックアウト・タグアウト・スクラップ処理と清掃
  • 関係法令:労働安全衛生法・労働安全衛生規則のプレス関係条文・構造規格(プレス機械構造規格)・定期自主検査の実施義務・特定自主検査・作業主任者の職務(作業方法の決定・安全装置等の機能確認・保護具着用の指示)

修了試験の概要

2日目の最後に実施される修了試験に合格することで修了証書が発行されます。

  • 形式:マークシート(20〜30問程度)・試験時間約40〜60分
  • 出題範囲:上記4科目の講習内容から均等出題
  • 合格基準:各科目40%以上かつ全体60%以上(教習機関により若干異なる)
  • 合格率:講義内容から出題されるため90%以上が合格。プレス機械の構造名称と安全装置の種類は暗記しておくと確実

難易度・受講の目安

★★☆☆☆ 2日間の講習受講+修了試験。プレス機械の安全装置の種類・選任義務の法的根拠を押さえれば合格できる。

プレス機械作業主任者の技能講習は2日間(17時間)の講義と修了試験で取得できます。机上での学習より、実際のプレス機・安全装置の動作を現場で経験している方が理解しやすい内容です。修了試験は講義内容から出題されるため、安全装置の種類・名称・適用条件を正確に覚えることがポイントです。年間を通じて各地で開催されており、受講しやすい資格の一つです。

合格率:修了試験の合格率は90〜95%程度と高い。講義内容から直接出題。安全装置の種類と法令の基本を理解すれば合格できる。

キャリアパスと需要

自動車・電機・金属加工業の現場管理者として

自動車部品プレス工場・電機メーカーのプレス加工部門・金属プレス加工専門業者・建設資材メーカーが主な就業先です。プレス機械は製造業の基幹設備であり、安全管理責任者であるプレス機械作業主任者は現場の班長・ラインリーダーとして法的に重要な立場です。プレス加工は国内製造業で依然として大規模に行われており、自動化・ロボット化が進んでも安全管理責任者の選任義務は変わりません。

機械・安全の上位資格へのステップ

プレス機械作業主任者取得後のキャリアとして、第1種安全衛生推進者・安全管理者(選任要件充足後)・機械設計に関する技術系資格(機械保全技能士等)へのステップアップが典型です。製造業の安全衛生担当者・生産技術部門の安全専門家として幅広く評価されます。

豆知識:プレス機械の世界

プレス機械事故は「瞬間」が特徴

プレス機械による労働災害の特徴は「1回の起動で指・手が瞬時に切断される」という回避不能性です。スライドの降下速度は機種によって異なりますが、クランクプレスでは毎分数十〜数百回ストロークするものもあります。この特性から、プレス安全装置は「挟まれる前に止める」か「金型部に手が入れられない構造にする」の二方向で設計されています。両手操作式安全装置はその代表例で、両手で操作ボタンを同時に押している間だけスライドが動く仕組みです。

光線式安全装置(ライトカーテン)の原理

プレス機の前面に張り巡らされた目に見えない光の「カーテン」(光線式安全装置)は、光を遮ると即座にプレスを停止させる仕組みです。投光器から受光器に向けて複数の赤外線が張られており、手が金型危険域に入ると1本でも光が遮断されてスライドが停止します。現代の高精度ライトカーテンは応答速度が数ミリ秒以下で、最小検出物体径(解像度)が14mmなどのものが指の感知に使用されます。

日本のプレス技術が世界の工業製品を支える

日本のプレス加工技術・金型技術は世界トップレベルで、自動車ボディのプレス精度や家電外装の仕上がり品質は0.1mm以下の寸法精度を誇ります。この精度を支えるのが、プレス機の状態管理・金型の保守・作業条件の統一管理です。プレス機械作業主任者は安全管理と同時に、こうした精密プレス品質の維持管理にも深く関わる立場です。

よくある質問

Q. プレス機械が1台しかない職場でも作業主任者の選任は必要ですか?

プレス機械が1台でも、複数人での共同作業・金型の取り付け・取り外し・調整作業を行う場合は、作業主任者の選任が必要です。また、プレス機械が5台以上ある場合も選任義務があります。単独で1台のプレスを操作する作業のみの場合は義務の有無について解釈が分かれることがありますが、安全管理の観点から資格者を配置することが推奨されます。詳細は所轄の労働基準監督署に確認してください。

Q. 修了証は全国共通・更新不要ですか?

技能講習修了証は全国共通で有効です(取得県以外でも有効)。更新制度はなく、一度取得すれば永続的に有効です。ただし安全装置・法令改正(プレス機械構造規格の改定等)に関する最新情報はメーカー・業界団体・労働基準監督署から随時確認することをお勧めします。転職・職場異動の際も修了証はそのまま使用できます。

こんな方におすすめ

  • 自動車部品・電機部品・金属加工のプレス工程を担当する現場リーダー・班長
  • プレス機械の設備管理・金型管理・ライン管理を担当する技術者
  • 製造業の安全衛生担当として法令遵守体制を整備したい方
  • プレス加工業・建設資材製造業で現場責任者を目指す方

最新の講習日程・受講料・実施機関は中央労働災害防止協会(JISHA)または各都道府県労働基準協会の公式情報で確認してください。

公式サイト:中央労働災害防止協会(JISHA)