移動式クレーン運転士について

実技試験あり筆記試験誰でも受験可
国家資格

移動式クレーン運転士とは?

概要・受験料・難易度・つり上げ5t以上の国家免許を徹底解説

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移動式クレーン運転士の概要

移動式クレーン運転士は、つり上げ荷重5トン以上の移動式クレーンを運転するために必要な国家資格(免許)です。ラフテレーンクレーンやトラッククレーン、クローラクレーンなど、自走できる大型クレーンの運転が対象になります。労働安全衛生法に基づく免許で、試験は公益財団法人 安全衛生技術試験協会が実施しています。建設現場や土木工事の重量物の吊り上げを担う、なくてはならない資格です。

つり上げ荷重とは、クレーンが構造上つり上げられる最大の荷重のことです。この数値によって必要な資格が分かれ、5トン以上の移動式クレーンを動かすには「運転士」の免許が必要になります。

受験資格はなく、誰でも挑戦できる

移動式クレーン運転士の試験には、年齢や実務経験などの受験資格がありません。誰でも受験できるのが特徴です。ただし、合格しても免許が交付されるのは満18歳以上から。18歳未満で試験に合格した場合は、18歳になるまで免許は交付されません。学生のうちに学科だけ合格しておく、といった準備も可能です。

学科+実技の2本立て

試験は、知識を問う学科試験と、実際にクレーンを動かす実技試験で構成されます。実技については、安全衛生技術試験協会の実技試験を受ける代わりに、登録教習機関の「移動式クレーン運転実技教習」を修了して実技試験を免除してもらうルートが一般的です。多くの人が「協会で学科に合格+教習機関で実技教習」という形で取得しています。

基本情報の早見表

主催公益財団法人 安全衛生技術試験協会(労働安全衛生法に基づく国家免許/厚生労働省所管)
対象つり上げ荷重5トン以上の移動式クレーンの運転
受験資格制限なし(誰でも受験可)。ただし免許の交付は満18歳以上から
試験形式学科試験(マークシート五肢択一・4科目/計40問/2時間30分)+実技試験。実技は登録教習機関の実技教習修了で免除可
学科の範囲移動式クレーンに関する知識/原動機及び電気に関する知識/関係法令/力学に関する知識
合格基準学科=各科目40%以上かつ合計60%以上。実技=減点の合計が40点以下
試験日程学科試験は年6回程度(各安全衛生技術センターで実施)
受験料(非課税)学科8,800円+実技14,000円(登録教習機関の教習費用は別途)
合格率令和7年度=学科65.7%/実技66.3%(年度により変動)

試験内容を詳しく

学科と実技、それぞれで問われる内容を見ていきましょう。

学科試験:4科目・40問

学科は、「移動式クレーンに関する知識」「原動機及び電気に関する知識」「関係法令」「力学に関する知識」の4科目から、各10問の計40問が出題されます。マークシート方式(五肢択一)で、試験時間は2時間30分です。合格には、各科目で40%以上、かつ全体で60%以上の得点が必要です。一部の保有資格によっては、力学などの科目が免除される場合があります。

実技試験:運転と合図

実技は、「移動式クレーンの運転」と「移動式クレーンの運転のための合図」が課されます。合格基準は、減点の合計が40点以下であることです。前述のとおり、多くの受験者は登録教習機関の実技教習を修了して実技試験を免除されるため、協会の実技試験そのものを受ける人は比較的少なくなっています。

玉掛け(たまかけ)とは、クレーンで荷を吊るために、ワイヤーロープなどを荷に掛け外しする作業のことです。クレーンの運転とは別の資格で、つり上げ荷重1トン以上の玉掛けには「玉掛け技能講習」の修了が必要です。

難易度・学習時間の目安

★★★☆☆ 学科は基礎を押さえれば取り組みやすく、実技は教習で着実に身につけられます。

難易度は中程度です。学科は4科目と幅広いものの、過去問を中心に対策すれば取り組みやすいレベルです。力学が苦手な人はそこが山場になります。実技は、教習機関で実際にクレーンを操作しながら練習できるため、未経験からでも着実に技能を身につけられます。学科・実技ともに、繰り返しの練習が合格への近道です。

合格の目安:令和7年度の合格率は学科65.7%・実技66.3%でした(年度により変動)。学科は各科目40%以上かつ合計60%以上が合格ラインです。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

建設・土木の現場

ビルや橋梁の建設、鉄骨建方、プラント工事など、重量物を吊り上げるあらゆる建設・土木の現場で活躍できます。大型のクレーンを操る技能は専門性が高く、現場に欠かせない役割です。資格を持つことで、担当できる作業の幅が大きく広がります。

港湾・物流・解体

港湾でのコンテナや資材の荷役、解体現場での重機の吊り上げなど、活躍の場は建設現場だけにとどまりません。移動式クレーンは現場まで自走して作業できるため、さまざまな場所で必要とされ、安定した需要があります。

キャリアアップ・収入面

つり上げ荷重5トン以上を扱える運転士は、技能講習修了者では運転できない大型クレーンを担えます。対応できる作業の範囲が広がることは、現場での評価や収入面でのプラスにつながります。玉掛け技能講習などと組み合わせれば、さらに重宝される人材になれます。

他の資格との違い・位置づけ

小型移動式クレーン技能講習との違い

移動式クレーンの資格は、つり上げ荷重で区分されています。1トン未満は特別教育、1トン以上5トン未満は「小型移動式クレーン運転技能講習」、そして5トン以上が「移動式クレーン運転士(免許)」です。技能講習は修了者であって「運転士」とは称しません。より大きなクレーンを扱える運転士免許は、移動式クレーン系の資格の最上位にあたります。

玉掛け・床上操作式クレーンとの違い

クレーンの「運転」と、荷を吊るための「玉掛け」は別の資格です。移動式クレーン運転士を持っていても、玉掛け作業には別途「玉掛け技能講習」が必要になります(つり上げ荷重1トン以上の場合)。また、よく似た名称の「床上操作式クレーン運転技能講習」は、移動式ではなく天井クレーン等が対象で、まったく別の資格です。混同しないよう注意しましょう。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

建設・重機オペレーターを目指す人

建設業界でクレーンオペレーターを目指す人が、大型クレーンを扱える運転士免許を取得します。受験資格がないため、未経験からでもチャレンジでき、就職・転職の強い武器になります。

現場でステップアップしたい人

すでに小型移動式クレーンの技能講習を修了して働いている人が、5トン以上の大型クレーンも扱えるよう、運転士免許へステップアップします。担える作業が広がり、現場での評価向上につながります。

関連資格と組み合わせたい人

玉掛けや、ほかのクレーン・建設機械の資格と組み合わせて、対応できる作業の幅を広げたい人が取得します。複数の技能を持つことで、現場で頼られる存在になり、仕事の選択肢も増えます。

豆知識:免許交付は18歳から

試験は受けられても免許は18歳から

受験資格に年齢制限はないため、18歳未満でも試験そのものは受けられます。ただし、免許が交付されるのは満18歳になってから。工業高校生などが在学中に学科試験に合格しておき、卒業後すぐに免許を受け取る、という準備の仕方もできます。早めに動いておくと、就職後のスタートがスムーズです。

試験手数料と教習費用は別物

取得にかかる費用を考えるときは、「試験手数料」と「教習費用」を分けて考える必要があります。協会に払う試験手数料は学科8,800円+実技14,000円ですが、実技教習を登録教習機関で受ける場合は、それとは別に教習費用がかかります。費用は機関によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。

まとめ ― 大型クレーンを操る国家免許

こんな方にとくにおすすめ

  • 建設・土木の現場でクレーンオペレーターを目指す方
  • つり上げ荷重5トン以上の大型クレーンを扱いたい方
  • 小型移動式クレーンから運転士へステップアップしたい方
  • 受験資格を気にせず国家免許に挑戦したい方(誰でも受験可)

取得に向けた第一歩

まずは安全衛生技術試験協会の公式情報で、最新の試験日程と受験手続きを確認しましょう。学科は過去問を中心に対策し、実技は登録教習機関の実技教習を利用するのが一般的なルートです。玉掛け技能講習などをあわせて取得しておくと、現場ですぐに活躍できる人材になれます。

公式サイト:公益財団法人 安全衛生技術試験協会