Android技術者認定試験(ACE)について

CBT・オンライン試験誰でも受験可
民間資格

Android技術者認定試験(ACE)とは?

概要・難易度・国際CBT試験としての歴史を解説

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Android技術者認定試験(ACE)の概要

Android技術者認定試験(ACE:Android Certified Engineer)は、Androidアプリ・プラットフォームの開発スキルを客観的に測る民間資格です。現在は一般社団法人IT職業能力支援機構のAndroid技術者認定試験制度委員会が運営しており、2010年の試験開始から長く続く老舗のAndroid系資格として知られています。

ACEとは、Android Certified Engineerの略で、Androidの開発技術者としての知識・スキルを認定する試験の名称です。

試験の出題範囲と形式

試験はCBT方式(コンピュータを使った受験形式)で実施され、四肢択一70問を90分(アンケート回答の時間を含む)で解答します。合格基準は正答率70%以上です。出題範囲によって試験区分が2つに分かれており、それぞれに「ベーシック」「プロフェッショナル」の2段階のレベルが設定されています。

CBT方式とは、Computer Based Testingの略で、紙の答案ではなく会場のパソコン画面上で解答する試験形式のことです。

「アプリケーション」と「プラットホーム」の2区分

ACEには「アプリケーション技術者認定試験」と「プラットホーム技術者認定試験」の2つの試験区分があります。アプリケーション区分はAndroidアプリそのものの開発知識を、プラットホーム区分はAndroid OSの内部構造や移植・カスタマイズに関わる知識を問う内容です。どちらもベーシックとプロフェッショナルの2レベルがあり、まずはアプリケーション・ベーシックから挑戦する人が多いとされています。

受験資格・対象者

受験資格に制限はなく、学歴や実務経験を問わず誰でも受験できます。全国160か所以上のCBT会場で原則毎日実施されているため、自分の学習進度に合わせて受験日を選びやすいのも特徴です。ただし、プロフェッショナルレベルと繁体中国語版については、現在実施が休止されているという情報があるため、受験を検討する際は公式サイトで最新の実施状況を必ず確認してください。

難易度・学習時間の目安

★★★☆☆ Android開発の基礎知識があれば挑戦しやすいが、油断は禁物のレベル

ベーシックレベルであれば、Androidアプリ開発の実務経験や学習経験がある人なら数週間〜1か月程度の対策で合格ラインに届くケースが多いようです。一方でプラットホーム区分は、OSのアーキテクチャやハードウェア連携といった専門性の高い知識が問われるため、アプリケーション区分よりも難易度が高いといわれています。四肢択一とはいえ70問を90分で解く必要があるため、時間配分の練習も大切です。

プラットホーム技術者認定試験とは、AndroidアプリではなくAndroid OS自体の仕組みや移植・カスタマイズの知識を問う、より上級者向けの試験区分です。

合格率の目安:公式の合格率は非公開ですが、過去に公表されたアプリケーション・ベーシックの累計実績(2010〜2014年)では約44.6%、平均点66.9点(合格ライン70点)というデータがあります。プラットホーム区分は同期間の累計で約27.3%とされ、区分によって難易度差があることがうかがえます。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

Androidアプリエンジニア

スマートフォン向けアプリを開発するエンジニアにとって、ACEはAndroid開発の基礎体力を客観的に示せる資格です。特に未経験からAndroid開発職への転職を目指す人にとって、実務経験がない分をカバーする材料の一つになり得ます。

組み込み・IoT機器の開発エンジニア

プラットホーム区分の知識は、スマートフォンだけでなく車載機器や家電、産業用端末などAndroidベースの組み込み機器を開発するエンジニアにも通じます。OSレベルのカスタマイズが求められる現場では、この区分の知識が実務に直結しやすいといえます。

社内SE・研修担当者

社内でAndroidアプリの内製開発を担当するSEや、若手エンジニアの育成を担う立場の人にとっても、ACEは学習の到達目標や社内研修のカリキュラム設計の指標として活用しやすい資格です。

誕生の背景・歴史

2010年:OESFによる試験開始

ACEは2010年10月、一般社団法人Open Embedded Software Foundation(OESF)によって開始されました。当時はスマートフォン市場でAndroidが急速にシェアを伸ばしていた時期にあたり、開発人材のスキルを客観的に測る指標が求められていた背景があります。OESFは組み込みソフトウェア分野の団体として、Androidを組み込み機器へ応用する動きにも関わっており、アプリケーションとプラットホームの2区分という構成にはその出自が反映されているとみられます。

2016年以降:運営団体の交代と国際展開

2016年10月以降は、一般社団法人IT職業能力支援機構のAndroid技術者認定試験制度委員会が運営を引き継ぎました。この間、ACEは日本語・英語・繁体中国語の3言語に対応し、世界160か国に配信される「国際CBT試験」として展開された時期があります。2016年9月時点で世界累計受験者は5,500人を超えたとされ、日本発のAndroid資格としては珍しく海外展開に力を入れていたことがうかがえます。現在は繁体中国語版の実施が休止されているとの情報があり、国際展開の形も時代とともに変化してきています。

OESF(Open Embedded Software Foundation)とは、組み込みソフトウェア分野で活動していた一般社団法人で、ACEの運営元として試験制度を立ち上げた団体です。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

未経験からAndroidエンジニアを目指す人

プログラミングスクールや独学でAndroidアプリ開発を学んだ人が、学習の成果を形にする目的でベーシックレベルに挑戦するケースが目立ちます。実務経験がない状態でも、試験合格という客観的な実績を提示できる点がメリットです。

組み込み系エンジニアでキャリアの幅を広げたい人

もともと組み込み機器の開発に携わっているエンジニアが、Androidベースの機器開発案件に対応できる証明としてプラットホーム区分を受験することもあります。車載やIoT機器の分野でAndroidの採用が広がる中、こうしたニーズは今後も一定数あるとみられます。

社内評価や案件アサインの材料にしたい人

SES企業や受託開発企業に所属するエンジニアが、案件アサインや社内評価の材料として取得を目指すこともあります。CBT方式で全国どこでも毎日受験できる手軽さは、忙しい社会人が学習の合間に受験しやすい理由の一つです。

豆知識:世界に配信された「国際CBT試験」の今

3言語・160か国に配信されたAndroid資格

ACEの特徴的な点は、日本語・英語・繁体中国語の3言語で世界160か国に配信された「国際CBT試験」だったことです。日本国内の資格が海外向けに多言語展開されるケースはそれほど多くなく、ITSS(経済産業省のITスキル標準)ではレベル2に位置づけられています。これは基本情報技術者試験やOracle認定Javaプログラマ(Gold)と同等の水準とされ、国内での技術的な位置づけとしても軽視できないものでした。

ITSS(ITスキル標準)とは、経済産業省が定めたITエンジニアのスキルレベルを7段階で評価する指標で、資格や実務経験の水準を比較する目安として使われます。

Kotlin時代における立ち位置の変化

ACEが誕生した2010年当時、Android開発の主流言語はJavaでした。しかしその後、GoogleがKotlinをAndroid開発の推奨言語として位置づけたことで、開発現場の主流言語は大きく移り変わっています。この流れの中で、ACEを含む従来のAndroid資格については、現場での認知度がやや下がっているという指摘も見られます。とはいえ、Androidアプリの構造やライフサイクルといった基礎知識は言語が変わっても通用する部分が多く、土台となる知識を体系的に確認する手段としての価値は残っているといえるでしょう。

老舗資格ゆえの運営交代というドラマ

2010年にOESFが立ち上げた試験を、2016年に別団体であるIT職業能力支援機構が引き継いだという経緯も、ACEならではの歴史です。10年以上続く資格でありながら運営母体が交代し、対応言語や実施レベルも当初から少しずつ変化してきました。技術トレンドの移り変わりと運営体制の変遷が重なって現在の姿になっている点は、他の資格ではあまり見られない特徴といえます。

まとめ ― 老舗Android資格で基礎力を証明する

こんな方にとくにおすすめ

  • 未経験からAndroidアプリ開発職への転職を目指している方
  • 組み込み・IoT機器の開発でAndroidプラットフォームの知識を活かしたい方
  • 学習の到達目標として、客観的な合格実績を作りたい方
  • 全国どこでも都合の良いタイミングで受験したい方

取得に向けた第一歩

まずはアプリケーション技術者認定試験のベーシックレベルから挑戦するのが基本的な流れです。公式サイトでは出題範囲の詳細や過去の実施状況が案内されているので、受験前に必ず最新情報を確認しましょう。なお、資格の有効期間や更新の要否については公式サイトに明確な記載が見当たらず、情報源によって「無期限」とする説明と「合格後2年間有効」とする説明が混在しているのが実情です。取得を検討する際は、この点も公式への問い合わせを含めて確認しておくと安心です。

公式サイト:Android技術者認定試験(ACE)公式サイト(IT職業能力支援機構)