盛岡もの識り検定とは?
概要・難易度・盛岡通の証「もりけん」を解説
盛岡もの識り検定の概要
盛岡もの識り検定は、岩手県盛岡市の歴史・文化・産業・観光・自然・風土など多分野にわたる知識を問うご当地検定です。通称「もりけん」と呼ばれ、盛岡商工会議所が主催しています。2006年度に第1級のみでスタートし、令和6年度には第19回を数えるまで継続している、地域に根づいたご当地検定です。
※ 盛岡商工会議所とは、盛岡市の企業や商店の連携・振興を支える経済団体です。簿記検定やリテールマーケティング検定など全国規模の検定運営と並行して、地元密着型のもりけんも手がけています。
試験の出題範囲と形式
出題範囲は「盛岡の現在」「盛岡の気候と地理」「盛岡の産業」「盛岡の文化」「盛岡の先人・著名人」「盛岡の歴史」の6分野です。3級・2級はいずれも四択の選択問題50問で構成され、正解率70%以上で合格となります。1級は記述式20問と四択の選択問題30問の計50問で構成され、正解率80%以上とハードルが上がります。
1級は2級合格者のみが受験できる仕組みになっており、いきなり最上位級に挑むことはできません。試験は例年冬(12月〜2月頃)に盛岡商工会議所やアイーナ(いわて県民情報交流センター)を会場として実施されています。
受験資格・対象者
3級・2級は誰でも受験できますが、1級のみ2級合格者に限定される段階式です。受験料は個人受験の場合、3級2,500円、2級4,000円、1級5,000円(いずれも税込)となっており、団体受験にはやや割安な料金設定も用意されています。
合格すると「もりおかコンシェルジュ」の称号がもらえる
もりけんに合格すると、認定証とともに「もりおかコンシェルジュ」という称号が贈られます。あわせて盛岡市の教育文化施設への入場特典も受けられるため、単なる知識の証明にとどまらず、実際にまちを歩いて確かめたくなる仕掛けになっている点がこの検定ならではの特徴です。
難易度・学習時間の目安
3級・2級は公式テキスト『もりおか もの識り百科』や過去問題を中心に学習すれば、20〜30時間程度で対応できるレベルとされています。一方1級は記述式問題が20問含まれるため、単なる暗記ではなく人物名や出来事を自分の言葉で説明できる理解度が求められ、より踏み込んだ学習時間が必要です。
公式サイトでは令和元年度から直近年度までの過去問が公開されており、実際の出題傾向を確認しながら対策を立てられる点も心強いポイントです。2級合格者だけが1級に挑戦できる仕組みのため、まずは2級の突破を目標に据えるのが王道のステップといえます。
※ 『もりおか もの識り百科』とは、盛岡もの識り検定の公式テキストです。盛岡の歴史・文化・産業などが体系的にまとめられており、検定対策の中心教材になっています。
取得後に活かせる仕事・関連する職種
観光ボランティアガイド
盛岡城跡公園や盛岡三大麺の名店を案内する観光ボランティアガイドにとって、もりけんで得た知識は説明の幅を広げてくれます。
観光・宿泊・飲食業のスタッフ
ホテルや飲食店など観光客と接する機会が多い仕事で、盛岡の歴史や文化を語れることは接客の付加価値になります。「もりおかコンシェルジュ」の肩書きは、名刺代わりのアピールポイントにもなり得ます。
地域の生涯学習講座・郷土史サークルの担い手
1級合格者クラスの知識を持つ人材は、地域の生涯学習講座や郷土史サークルで案内役・講師的な役割を担うこともあります。
誕生の背景・歴史
2006年度:第1回検定がスタート
盛岡もの識り検定は2006年度に第1回が実施され、当初は3級のみで始まったとされています。その後、翌年度以降に2級・1級が順次追加され、現在の3段階構成になりました。「盛岡通度」を認定するというコンセプトのもと、盛岡商工会議所が地域振興の一環として企画・運営を続けています。
令和以降:20回近くまで継続、地域の恒例行事に
令和6年度には第19回を数え、20年近くにわたって毎年冬の恒例行事として定着しています。過去問は令和元年度分から公式サイトで公開されており、対策する側にとっても継続の歴史を実感できる仕組みになっています。
※ 南部藩とは、江戸時代に盛岡藩を治めた南部氏の藩です。盛岡城の築城や城下町の形成など、盛岡の歴史を語るうえで欠かせない存在で、もりけんでも定番の出題テーマになっています。
どんな人が、どんな目的で取得しているのか
盛岡に住んでいる、または盛岡出身の人
「盛岡に住んでいるのに、意外と歴史や産業のことは知らない」と感じた市民が、あらためて地元を学び直すきっかけとして受験するケースが多く見られます。
観光・接客業に携わる社会人
観光業や宿泊業に従事する社会人が、業務に活かせる知識として3級・2級に挑戦し、「もりおかコンシェルジュ」の肩書きを実務に役立てることもあります。
郷土史マニア・記述式の1級に挑む猛者
2級合格者だけが挑戦できる1級は記述式問題を含むため、単なる暗記では通用しません。盛岡の歴史や先人・著名人について深く語れる郷土史マニアが、最後の関門として挑んでいます。
豆知識:盛岡ならではの出題たち
「盛岡の文化」分野に潜む三大麺と啄木・賢治
もりけんの出題6分野の一つ「盛岡の文化」では、わんこそば・盛岡冷麺・盛岡じゃじゃ麺からなる「盛岡三大麺」のような食文化のほか、盛岡ゆかりの文学にまつわる知識も問われます。盛岡は歌人・詩人の石川啄木や、童話作家として知られる宮沢賢治にゆかりのある土地で、市内には両者の文学碑が点在しています。「先人・著名人」分野の出題では、こうした文学者たちの足跡が定番のテーマになっているとされています。
南部藩の城下町という歴史の骨格
「盛岡の歴史」分野では、江戸時代に盛岡城を築いた南部藩の歴史が繰り返し出題される定番テーマです。さらに市内には約1万3千年前の旧石器時代の遺跡も見つかっており、城下町としての歴史だけでなく、はるか古代からの人々の営みまで出題範囲に含まれているのが、もりけんの奥深さです。
1級だけの記述式が生む「本物の盛岡通」というハードル
3級・2級がすべて四択なのに対し、1級だけは記述式問題が20問含まれます。選択肢から選ぶのではなく、自分の言葉で人物名や出来事を説明できなければ得点になりません。しかも1級は2級合格者しか挑戦できないため、もりけん1級は「盛岡通を自称するなら避けて通れない、最後にして最大の関門」という位置づけになっています。
まとめ ― 盛岡通を自称するなら挑みたい検定
こんな方にとくにおすすめ
- 盛岡市に住んでいる、または盛岡にゆかりのある方
- 盛岡の歴史・文化・食文化に興味がある方
- 観光ガイドや接客業で盛岡の魅力を伝えたい方
取得に向けた第一歩
まずは公式テキスト『もりおか もの識り百科』と、公式サイトで公開されている過去問を使って3級の出題範囲から学習を始めるのがおすすめです。盛岡城跡公園や石川啄木・宮沢賢治の文学碑など実際の史跡を訪れながら学ぶと、テキストの内容がより記憶に残ります。2級に合格すれば、記述式の1級という最終関門にも挑戦できます。
合格すれば「もりおかコンシェルジュ」の称号と、盛岡市の教育文化施設への入場特典も得られます。盛岡三大麺を味わいながら、この検定で得た知識をまちの中で確かめてみるのも、もりけんならではの楽しみ方です。
公式サイト:盛岡もの識り検定 公式サイト(盛岡商工会議所)
