レターライター資格(JDP)とは?
概要・難易度・心のこもった手紙の書き方を学ぶ方法を解説
レターライター資格(JDP)の概要
レターライター資格は、一般社団法人日本デザインプランナー協会(JDP)が実施する認定試験です。時候の挨拶や季節の言葉、様々な行事に応じた手紙の書き方、手紙の基本的な構成や注意点など、日本語ならではの美しい言葉遣いを使って人に喜ばれる手紙を書ける力を証明する民間資格として位置づけられています。
※ 時候の挨拶とは、手紙の冒頭で季節や気候にふれる決まり文句のことです。「新緑の候」「向暑の折」など、季節ごとに使う言葉が異なり、手紙の書き出しの基本マナーとされています。
試験の出題範囲と形式
試験は在宅受験の郵送方式です。インターネットで申し込むと1週間以内に試験問題が届き、解答を返送してから10日前後で合否が確認できます。出題範囲は、時候の挨拶、季節の挨拶、結婚報告や慶弔など様々な行事に応じた手紙の書き方、忌み言葉、はがきと手紙の使い分け、宛名の書き方・敬称、敬語の使い分け、手紙の基本的な構成など、実用的なマナー知識が中心です。
合格基準は70%以上の評価とされ、受験料は10,000円(税込)です。試験期間・申込期間の制限はなく、随時受験できます。合格後は認定カード・認定証が各5,500円で発行されます。
受験資格・対象者
年齢・学歴・実務経験に関する制限はなく、手紙を書く機会が少なかった方から日常的にお礼状や年賀状を書いている方まで誰でも受験できます。協会からの独自テキスト販売はなく、SARAスクールジャパンなどの通信講座で手紙の書き方全般を学びながら資格取得を目指すルートが一般的です。
「メールでは伝わらない」場面に強くなる資格
メールやチャットが主流になった今でも、お礼状や慶弔の挨拶、目上の方への手紙など、手書きの手紙でなければ失礼にあたる場面は残っています。レターライター資格は、そうした「ここぞという場面」で恥をかかない、日本語の美しいマナーを身につけられる点が特徴です。
※ 忌み言葉とは、結婚式や葬儀など特定の場面で縁起が悪いとされ、使うのを避ける言葉のことです。結婚式では「別れる」「切れる」、葬儀では「重ね重ね」「再び」などが代表例とされています。
難易度・学習時間の目安
敬語や季節の言葉はテキストで覚えやすく、実技試験もありません。冠婚葬祭のマナー本を読んだ経験がある方であれば、1ヶ月ほどの学習でも十分対応できるレベルです。
※ 頭語・結語とは、手紙の冒頭と末尾に置く決まった言葉の組み合わせのことです。「拝啓」で始めたら「敬具」で結ぶ、というように対応関係が決まっており、間違えると失礼にあたるとされています。
取得後に活かせる仕事・関連する職種
手紙・レターライティング教室の講師
カルチャースクールや自宅教室で「大人のための手紙の書き方」をテーマにした講座を開く際、体系立てたマナー知識を持っていることが講師活動の裏付けになります。
秘書・受付など接客・事務職
取引先へのお礼状や季節の挨拶状を作成する場面で、正しい敬語や時候の挨拶を使いこなせることは、会社の印象を左右する実務スキルとして評価されます。
文具・レターグッズ関連の販売スタッフ
便箋やはがきを扱う文具店で、用途に合わせた選び方や書き方のアドバイスができることは、接客の質を高める強みになります。
誕生の背景・歴史
「手紙」という言葉は江戸時代に定着した
「手紙」という呼び方が一般に使われるようになったのは江戸時代からとされ、それ以前の平安時代には「文(ふみ)」や「消息(しょうそく)」と呼ばれていました。当時は陸奥国(現在の東北地方)で作られた「陸奥紙(みちのくがみ)」という上質な料紙が貴族の間で人気を集め、和歌や手紙をしたためる文化とともに発展してきたといわれています。
メール時代だからこそ資格として体系化
手紙を書く機会そのものは減った一方で、いざという場面での「正しい手紙の書き方」を知らない人が増えたことを背景に、JDPは手紙のマナーを体系的に学べる資格としてレターライターを整備しました。日常的な手紙の習慣が薄れた今だからこそ、あらためて需要が生まれている資格といえます。
どんな人が、どんな目的で取得しているのか
冠婚葬祭のマナーに自信を持ちたい方
結婚祝いや香典返しなど、あらたまった場面での手紙マナーに不安がある方が、恥をかかないための知識を体系的に身につける目的で取得しています。
手紙・文房具好きが高じて学びたい方
便箋や万年筆など「手紙を書くこと」自体が趣味の方が、より丁寧で美しい手紙を書けるようになりたいという理由で学ぶケースも多く見られます。
子どもに手紙の書き方を教えたい保護者
年賀状やお礼状の習慣を子どもに伝えたいという保護者が、まず自分自身が体系的なマナーを学び直す目的で取得することもあります。
豆知識:手紙にまつわるうんちく
平安貴族は「紙の質」で気持ちを伝えた
平安時代の貴族社会では、和歌を送る際に紙の色や香り、折り方まで気を配ることが恋文のマナーとされていました。現代の便箋選びやレターセットへのこだわりも、こうした「紙そのもので気持ちを伝える」文化の延長線上にあるといえます。
季語は手紙を通じて磨かれた日本語文化
時候の挨拶に使われる季語の多くは、俳句の世界とも共通しています。手紙の書き出しひとつに季節の移ろいを込める習慣は、限られた文字数の中で情景を伝える日本語ならではの美意識が反映されたものとされています。
まとめ ― 一通の手紙で気持ちを届ける力を磨く資格
こんな方にとくにおすすめ
- 冠婚葬祭での手紙マナーに自信を持ちたい方
- 手紙・文房具が好きでより丁寧に書きたい方
- 手紙の書き方を教える講師活動をしたい方
- 仕事でお礼状や挨拶状を書く機会がある方
取得に向けた第一歩
まずは季節の挨拶状やお礼状を実際に書いてみることから始めるのがおすすめです。並行してSARAスクールジャパンなどの通信講座で、敬語や忌み言葉、手紙の構成を体系的に学ぶと、効率よく試験対策が進みます。
