潜水士について

筆記試験誰でも受験可
国家資格

潜水士とは?

概要・難易度・水中の仕事に必要な国家資格を解説

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潜水士の概要

潜水士は、潜水器を使い、送気や給気を受けて行う水中の仕事(潜水業務)に従事するために必要な国家資格です。試験は公益財団法人安全衛生技術試験協会が、労働安全衛生法に基づいて実施します。水中土木工事、船舶のサルベージ(引き揚げ)、水産物の採取、海洋調査など、水の中で「仕事として」潜るには、この潜水士免許が欠かせません。

潜水士とダイビングのライセンスの違い:レジャーのスキューバダイビングで取得するCカードは民間の認定です。一方、潜水士は「仕事として」潜る場合に必要な国家資格で、両者は目的も位置づけも異なります。

受験資格は制限なし

潜水士試験には、学歴・年齢・経験などによる受験資格の制限がなく、誰でも受験できます。潜水の実技経験がなくても受験でき、合格すれば免許を取得できます(実際に業務に就くには、別途、技能や体力が求められます)。間口が広く、挑戦しやすい国家資格です。

筆記試験のみ

潜水士試験は、実技がなく筆記試験のみで行われます。マークシート方式で、「潜水業務」「送気・潜降及び浮上」「高気圧障害」「関係法令」の4科目から出題されます。各科目で一定以上の得点と、総得点6割以上で合格です。全国の安全衛生技術センターなどで、年に複数回実施されます。

高気圧障害とは、水中の高い気圧の影響で起こる体への障害のことです。減圧症などが代表例で、潜水士はこうしたリスクを正しく理解し、安全に潜るための知識が求められます。

難易度・学習時間の目安

★★☆☆☆ 筆記のみで合格率は高め。テキストと過去問でしっかり対策すれば、未経験からでも十分合格を狙えます。

潜水士試験の合格率は約80%前後と高めで、国家資格の中では取り組みやすい部類です。出題範囲は4科目に絞られており、市販のテキストと過去問での学習が効果的です。潜水の専門用語や体への影響、法令などを押さえれば、潜水未経験の人でも合格を目指せます。仕事で潜るための「最初の入口」となる資格です。

合格率の目安:おおむね80%前後で推移しています。範囲が限られているため、テキストと過去問で着実に対策すれば合格しやすい資格です。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

水中土木・海洋工事

港湾・橋・防波堤などの水中工事で、潜水して作業を行う仕事に就けます。陸上からは見えない水中の構造物を点検・施工する、専門性の高い建設の仕事です。社会インフラを水面下から支えます。

サルベージ・水中調査

沈んだ船や物を引き揚げるサルベージ、海底の地形や生物を調べる海洋調査など、水中ならではの仕事があります。災害時の捜索・復旧などで活躍する潜水士もおり、社会的に重要な役割を担います。

水産・養殖・観光

養殖場での作業や水産物の採取、水族館での飼育・展示作業など、水産・観光の分野でも潜水士が活躍します。「仕事として潜る」幅広いフィールドへの扉を開くのが、潜水士免許です。

誕生の背景・歴史

水中作業の安全を守るために

水中での作業は、高い気圧や息継ぎの制約など、陸上にはない危険を伴います。潜水業務に従事する労働者の安全を守るため、労働安全衛生法に基づいて、必要な知識を備えた人に免許を与える潜水士の制度が設けられました。

「知識」で命を守る資格

潜水士試験が筆記のみなのは、水中作業の危険を「知識」で正しく理解することが、何より安全につながるからです。減圧症などのリスクや、適切な潜降・浮上の方法を知っていることが、水中で命を守る基本になります。技能の前に、まず知識を確実にする——それが潜水士資格の考え方です。

サルベージとは、沈没した船舶や水没した物を引き揚げる作業のことです。高度な潜水技術と安全管理が必要な、潜水士の代表的な仕事の一つです。

資格を取っただけで仕事にできるわけではない

潜水士免許は「仕事として潜るための最低条件」であり、免許を取得しただけで水中土木・サルベージなどの現場に即戦力として立てるわけではありません。実際の潜水業務では、送気式・スクーバ式などの潜水器材の操作、海洋工事特有の道具の扱い、天候・潮流を踏まえた安全管理など、現場でなければ身につかない技能が求められます。多くの潜水士は、免許取得後に潜水工事会社や海洋土木会社に就職し、先輩の指導のもとで実地の技能を積み重ねていきます。

収入面では、水中土木・サルベージなど専門性の高い現場ほど日当・給与水準が高くなる傾向がありますが、潜水業務そのものが天候や海象条件に左右されやすく、稼働日数が収入に直結する仕事でもあります。免許取得はあくまでスタートラインで、実務経験を重ねることで一人前の潜水士として評価されるようになる点は理解しておくとよいでしょう。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

水中の仕事に就きたい人

水中土木や海洋工事、サルベージなど、水の中で働きたいという人が、その入口として取得します。仕事として潜るには必須の資格であり、この免許がキャリアの出発点になります。

ダイビング好き・海が好きな人

趣味のダイビングが高じて、海に関わる仕事に就きたいと考える人にも選ばれています。受験資格に制限がないため、海好きが「好き」を仕事に変える第一歩としても挑戦しやすい資格です。

建設・水産業界で働く人

建設会社や水産関係の会社で、業務に必要なため取得する人もいます。会社にとっても、潜水士がいることで請けられる仕事の幅が広がるため、取得が奨励されることがあります。

豆知識:仕事で潜るための国家資格

「Cカード」だけでは仕事にできない

レジャーダイビングのCカードを持っていても、それだけでは「仕事として」潜ることはできません。報酬を得て潜水業務を行うには、国家資格である潜水士免許が必要です。趣味のダイビングと仕事の潜水を分ける、重要な線引きを担うのが潜水士という資格です。

未経験から挑戦できる海の国家資格

受験資格がなく、筆記のみで合格率も高めの潜水士は、海に関わる国家資格の中でも挑戦しやすい部類です。まずは潜水士を取得し、そこから実務経験を積んで一人前の潜水士へ——海の世界への扉を開く、最初の一歩としておすすめできる資格です。

まとめ ― 水中の仕事への扉を開く国家資格

こんな方にとくにおすすめ

  • 水中土木・海洋工事・サルベージなど水中の仕事に就きたい方
  • ダイビングや海が好きで、海に関わる仕事をしたい方
  • 建設・水産業界で業務に潜水が必要な方
  • 受験資格を問わない、挑戦しやすい国家資格を取りたい方

取得に向けた第一歩

まずは安全衛生技術試験協会の公式情報で、試験日程・会場・受験手続きを確認しましょう。受験資格はないので、市販のテキストと過去問で4科目を学習すれば準備できます。潜水業務・送気・高気圧障害・関係法令の基本を押さえ、苦手科目をつくらないことが合格のポイントです。

公式サイト:潜水士試験(安全衛生技術試験協会)