RST講座について

実技試験あり筆記試験誰でも受験可
公的資格

RST講座とは?

概要・受講形式・キャリアを解説

スポンサーリンク

RST講座の概要

RST講座は、中央労働災害防止協会(JISHA)が実施する、職長など現場監督者向けの安全衛生教育を「担当する側」を養成するための講座です。正式名称は「労働省方式安全衛生教育指導員養成講座」といい、企業の安全衛生スタッフやライン管理者が、自社内で職長教育を実施できる指導力を身につけることを目的としています。

RSTとは、R(労働省方式)・S(安全衛生教育)・T(指導員〈トレーナー〉)の頭文字を組み合わせた略称。厚生労働省(当時は労働省)が定めた指導カリキュラムに基づく養成講座であることを示している。

正式名称の由来と講座の位置づけ

「労働省方式安全衛生教育指導員養成講座」という名称は、旧・労働省が定めた統一カリキュラムに沿って指導員を養成する講座であることを表しています。労働省は2001年の中央省庁再編で厚生労働省に統合されましたが、講座名やRSTという略称は現在もそのまま使われ続けています。歴史のある制度名を引き継いでいる点も、この講座の特徴のひとつです。

職長教育との違い

混同されやすいのが「職長・安全衛生責任者教育」との違いです。職長教育は、現場の第一線監督者が受講して修了する教育そのものを指します。一方RST講座は、その職長教育を社内で教える立場になるための講座です。つまりRST講座は、教育を受ける側ではなく「教える側」を育てる、いわば一段上の講座に位置づけられます。

職長教育とは、労働安全衛生法に基づき、現場の第一線監督者(職長)に対して行う安全衛生教育のこと。RST講座修了者は、この職長教育を自社内で指導できるようになる。

受講対象となる人

RST講座の受講対象は、職長など現場監督者向けの安全衛生教育を担当する予定の人、または企業内で安全衛生スタッフ・ラインの管理者として教育体制を整える立場にある人です。すでに現場経験があり、これから「教える側」に回ろうとしている中堅・管理職クラスの受講が中心になります。

受講形式・費用の目安

★★★☆☆ 中級(演習中心・5日間)

RST講座は5日間にわたる講座で、講義・グループ討議・事例研究に加えて、指導案の作成やロールプレイング(役割演技)による実技演習が組み込まれています。単なる座学ではなく、実際に「教える練習」を積む点が大きな特徴です。5日間という日程は、現場を離れてまとまった時間を確保する必要があるため、受講にあたっては会社側の理解と計画的な日程調整が欠かせません。

受講料の目安は141,900円(テキスト代・消費税10%込み)です。実施は中央労働災害防止協会の東京・大阪安全衛生教育センターで、両センターとも定期的に開催されています。日程や会場の詳細は公式サイトの開催スケジュールで確認するのが確実です。

RSTトレーナーとは、RST講座の修了者に与えられる呼称。修了試験による合否判定ではなく、5日間の演習を完了したことで交付される修了証に基づく呼び方である。

ロールプレイングとは、実際の指導場面を想定して受講者同士が役割を演じ合う実技演習の手法。RST講座では指導技術を身につけるための必須カリキュラムになっている。

合否ではなく修了制:5日間の講座を受講し演習を完了すれば修了証が交付される、実技演習中心の講座です。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

社内安全衛生教育の担当者

RSTトレーナーの資格を持つ人材は、自社の職長教育を外部委託せず社内で完結させることができます。教育費用の削減だけでなく、自社の現場事情に即した具体的な指導ができる点も大きなメリットです。

安全衛生スタッフ・安全管理部門の担当者

製造業や建設業などの安全衛生部門に所属するスタッフにとって、RST講座で身につけた指導技術は、社内研修の企画・運営や、現場巡回時の安全指導の質を高める土台になります。

ラインの管理職・現場責任者

現場のライン管理者がRSTトレーナーを兼ねることで、日常業務の中で職長候補者への安全衛生教育を継続的に行える体制が整います。人材育成のサイクルを社内に内製化したい企業で重宝される立場です。

誕生の背景・歴史

労働省方式教育トレーナー制度の始まり

職長教育をはじめとする現場向け安全衛生教育を全国で均質に広めるためには、教育を受ける人だけでなく「教える人」の養成が不可欠でした。そこで旧労働省は、統一されたカリキュラムに基づいて指導員を養成する仕組みとしてRST講座を整備し、中央労働災害防止協会がその実施を担う形が定着しました。

厚生労働省への移行後も続く名称

2001年の中央省庁再編で労働省は厚生労働省に統合されましたが、RST講座の名称や講座の枠組みは大きく変えることなく引き継がれました。長年にわたり全国の企業で職長教育を支えてきた指導員養成の仕組みとして、現在も東京・大阪の両センターで継続的に開催されています。

どんな人が、どんな目的で受講しているのか

社内教育の内製化を目指す安全衛生担当者

職長教育を外部の教育機関に依頼するたびにコストと日程調整が発生することに課題を感じ、自社で完結させたいという動機で受講する担当者が多く見られます。

指導力を体系的に身につけたい現場管理職

現場経験は豊富でも「人に教える」ノウハウは自己流になりがちです。RST講座のロールプレイング演習を通じて、指導の型や伝え方を体系的に学び直したいという管理職層の受講も目立ちます。

複数拠点を抱える企業の安全衛生統括担当者

複数の事業所・現場を持つ企業では、拠点ごとに教育水準がばらつきやすいという悩みがあります。RSTトレーナーを各拠点に配置することで、教育内容を標準化したいという狙いで受講するケースもあります。

豆知識:RST講座の教える側を育てる仕組み

ロールプレイングが必須カリキュラムである理由

RST講座では、講義や事例研究だけでなく、受講者同士が指導者役・受講者役に分かれて実際に教え合うロールプレイングが必須カリキュラムに組み込まれています。安全衛生教育は「知っている」だけでは不十分で、「わかりやすく伝えられる」ことが現場の事故防止に直結するため、教える技術そのものを実技として鍛える構成になっているのです。

建設コース修了者が講師資格を追加取得できる仕組み

RST講座には建設業向けのコースもあり、その建設コースの修了者は、別途「安全衛生責任者教育講師養成講座」という補講を受けることで、安全衛生責任者教育の講師資格まで追加取得できる仕組みがあります。RST講座を起点に、教えられる範囲を段階的に広げていけるのは、この講座ならではの特徴です。

まとめ ― 教える力で現場の安全を底上げする講座

こんな方にとくにおすすめ

  • 自社で職長教育を内製化したい安全衛生担当者
  • 現場経験はあるが「教える技術」を体系的に学びたい管理職
  • 複数拠点の安全衛生教育を標準化したい統括担当者

受講に向けた第一歩・関連する資格との関係

RST講座は、職長・安全衛生責任者教育を受講する側ではなく、教える側を育てる講座です。まずは自社で必要な教育の種類(職長教育か、安全衛生責任者教育か)を整理したうえで、中央労働災害防止協会の東京・大阪安全衛生教育センターの開催スケジュールを確認するとよいでしょう。すでに安全管理者選任時研修や安全衛生推進者養成講習を修了している人がRST講座に進むケースも多く、総括安全衛生管理者など上位の安全衛生管理体制とあわせて、社内の教育体制全体を見直すきっかけにもなります。

公式サイト:中央労働災害防止協会(JISHA)