警備員指導教育責任者について

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国家資格

警備員指導教育責任者とは?

警備業法に基づく国家資格(講習・修了考査)をわかりやすく解説

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警備員指導教育責任者の概要

警備員指導教育責任者は、警備業法第22条に基づき、警備業者が営業所ごとに警備員に対する指導・教育を適切に行うために選任を義務付けられる国家資格です。各都道府県公安委員会が認定する指定講習機関(都道府県警備業協会等)が実施する法定講習を受講・修了し、修了考査に合格することで資格者証が交付されます。警備業務の種別に応じて1号(施設警備)・2号(交通誘導・雑踏警備)・3号(貴重品運搬警備)・4号(身辺警備)の4種別があります。受講資格として「最近5年間に当該業務で通算3年以上従事した経験」等が求められるため、現役警備員が管理職への昇進を目指す際に取得するキャリアアップ型の国家資格です。

「営業所ごとの選任義務」がある資格:警備業法第22条は警備業者が各営業所に1人以上の警備員指導教育責任者を「当該業務の種別ごとに」選任することを義務付けています。小規模な警備会社の営業所でも法的義務として必ず必要な資格であるため、警備会社での管理職・リーダー職を目指す方には事実上必須のキャリア資格です。また取得後も3年ごとに「現任講習(5時限)」を受講して資格者証を更新する義務があります。

1号・2号・3号・4号の種別と業務範囲

1号は「施設警備業務」(オフィスビル・商業施設・工場等の巡回・出入管理・機械警備)の指導教育責任者です。警備業で最も業者数が多い種別で、受講時間は4種別中最も長い47時限(7日間)。2号は「交通誘導警備業務・雑踏警備業務」(道路工事現場・イベント会場での交通整理・人流管理)の指導教育責任者で38時限(6日間)。3号は「貴重品運搬警備業務」(現金・美術品・貴金属等の輸送警備)の指導教育責任者で38時限(6日間)。4号は「身辺警備業務」(ボディガード・要人警護・ストーカー被害者の警護)の指導教育責任者で34時限(5日間)。複数種別の指導教育責任者になるには種別ごとに別々に取得する必要があります。

基本情報の早見表

資格の種類国家資格(都道府県公安委員会交付の資格者証・選任義務資格)
根拠法令警備業法第22条・警備員指導教育責任者及び機械警備業務管理者に係る講習等に関する規則(国家公安委員会規則)
種別と受講時間1号(施設警備):47時限(7日間)、2号(交通誘導・雑踏):38時限(6日間)、3号(貴重品運搬):38時限(6日間)、4号(身辺警備):34時限(5日間)
修了考査5肢択一式40問・試験時間100分・80%以上(32問以上)の正解で合格
合格率約80〜90%(修了考査)
受講資格①最近5年間に当該警備業務で通算3年以上従事②当該業務の警備業務検定1級合格証明書取得③同2級合格後1年以上継続従事のいずれかを満たす現役警備員
主な実施機関各都道府県の警備業協会(都道府県公安委員会認定の指定講習機関)
資格者証の更新3年ごとに現任講習(5時限)の受講が義務。更新しないと資格者証失効

講習内容を詳しく

法定講習と修了考査の構成

警備員指導教育責任者の講習は「基本教育」と「業務別教育(種別に応じた専門教育)」で構成されます。無遅刻・無欠席が修了の絶対要件のため、申込後は日程管理が重要です。修了考査(最終日実施)は5肢択一式40問・100分・32問以上の正解で合格ですが、不合格の場合は再試験制度がなく、講習から受け直しが必要です。各都道府県の警備業協会が実施する講習の実施日程は年に数回程度のため、受講機会を逃さないよう早めの申込みが必要です。

  • 基本教育(全種別共通):警備業法・関係法令(刑法・民法の基礎・権限の範囲)・警備業の倫理と基本姿勢・警備員として守るべきコンプライアンス・個人情報保護・指導者として必要なリーダーシップと教育技法(コーチング・OJT等)・指導計画の立案・記録簿の作成・報告書の書き方・警備業務対象施設の管理者との連携・警察機関との連絡・危機管理と緊急時の対応指示・関係機関(消防・救急・警察)への通報手順
  • 業務別教育(1号:施設警備):施設警備業務の実施要領(巡回・立哨・出入管理の標準手順)・自動火災報知設備・防犯カメラシステム・電子錠等の機械警備装置の操作と管理・緊急時の初期対応(火災・不審者侵入・爆発物発見)・警備計画書・警備指令書の作成・警備員に対する指導教育の実技(OJT計画立案)・施設警備業務に係る関係法令(消防法・建築基準法の概要)
  • 業務別教育(2号:交通誘導・雑踏警備):交通誘導警備業務の実施要領(道路工事現場・歩行者誘導の標準合図・停止・誘導動作)・雑踏警備業務(群衆の流動分析・危険箇所の事前点検・誘導計画)・交通事故発生時の初期対応と警察への通報・交通規制標識・保安灯・保安フェンスの設置基準・道路使用許可・道路占用許可の概要・群衆事故のリスクアセスメント・警備員に対する安全教育・業務報告書の作成
  • 業務別教育(3号:貴重品運搬警備):現金・美術品・有価証券等の貴重品運搬業務の実施手順・護送車(現金輸送車・ATM補充車)の装備・運行管理・ハイジャック・強盗発生時の対応手順と連絡体制・GPSトラッキングシステムの管理・貴重品の数量確認・引継ぎ手順・書類作成・暗号・無線通信のセキュリティ管理・貴重品運搬警備に係る刑法(強盗・詐欺等の関連条文)・火器・特殊警棒の取扱いと携帯許可制度の概要
  • 業務別教育(4号:身辺警備):身辺警備業務(ボディガード・要人警護)の実施要領と基本原則(セキュリティ診断・ルート選定・エスコート動作)・脅威の判定(ストーキング・DV・テロリズムの危険度評価)・護身術(攻撃への対応・防御動作・制圧手順)・危機回避(緊急脱出・避難誘導)・状況報告書・危機情報の記録・ルーティン変更とフェイントの原則・警護対象者とのコミュニケーション・警察機関との連携

追加取得講習と現任講習

すでに1種別の資格者証を取得している方が別の種別を追加取得する場合は「追加取得講習」(新規取得より受講時間が短縮)が受けられます。追加取得講習の修了考査は5肢択一式14問・35分で12問以上の正解が合格基準です。また資格者証を保持している間は3年に1回「現任講習(5時限)」を受講して更新することが義務付けられており、現任講習では最新の法改正・警備業界の動向・インシデント事例の研修が行われます。更新を怠ると資格者証が失効し、選任状態が解除されるため、警備会社での管理職として在職中は更新の期限管理が不可欠です。

難易度・合格率

★★☆☆☆ 講習受講後の修了考査(5択40問・100分)で合格率80〜90%。難易度は中程度。受講資格として警備業務3年以上の実務経験等が必要なため現役警備員向け。最重要ポイントは①警備業法の条文(営業所要件・資格者証の選任義務・欠格事由)②各業務種別の実施要領(1号:出入管理・機械警備/2号:交通誘導合図/3号:現金輸送手順/4号:護身術・警護原則)③指導教育の方法(OJT計画・教育記録の作成義務)④現任講習の3年更新義務。不合格は再試験なし・講習から受け直し。無遅刻・無欠席が必須。

警備員指導教育責任者の修了考査合格率は80〜90%で、受講者の大半が合格できるレベルです。ただし受講資格として「3年以上の現場経験等」が求められる現職警備員向けの資格のため、業務知識を持った状態で受講することが前提です。講習内容を実際の業務経験に結び付けながら理解することで自然に合格できる設計になっており、最大の注意点は「不合格=再試験なし・講習から受け直し」という厳しい仕組みです。

修了考査 合格率:約80〜90%。講習受講後の5択40問・100分。実務3年以上の現役警備員が受講するため、現場経験がそのまま対策になる。不合格は再試験なし・講習から受け直しのため「絶対に一発合格」が必要。

キャリアパスと需要

警備会社での管理職・リーダー職への必須資格

警備員指導教育責任者は警備会社の「係長・主任・班長・隊長」等の現場管理職(サービスリーダー・エリアマネージャー)に事実上必須のキャリア資格です。警備業法の選任義務があるため、すべての警備会社の営業所に必ず必要です。警備業界は有効求人倍率が常に高く(全国平均の3〜5倍程度)、指導教育責任者の資格保持者は営業所管理者・教育担当として安定的なポジションが得られます。また警備業者として独立開業する際にも、営業所ごとに本資格の選任が許可要件の一つとなっています。

警備業務検定・機械警備業務管理者との組み合わせ

「施設警備業務検定1級」「交通誘導警備業務検定1級」等の警備業務検定1級を先に取得することが、指導教育責任者の受講資格の一つ(「警備業務検定1級合格証明書の取得」)として認められます。検定1級→指導教育責任者の順で取得することで「現場のスペシャリスト+教育管理者」として二段階のキャリアアップが可能です。「機械警備業務管理者(警備業法第42条)」との組み合わせは、機械警備(センサー・監視カメラ等によるリモート警備)の基地局管理者と指導教育責任者を兼任できる警備管理の核となる人材としての価値が高まります。

各業務種別に応じた警備業務検定の詳細は施設警備業務検定交通誘導警備業務検定貴重品運搬警備業務検定の各記事で解説しています。あわせて機械警備業務管理者の資格概要も参照してください。

豆知識:警備員指導教育責任者の知識

「3年以上の実務経験」要件の計算──「通算」と「最近5年以内」

受講資格の「最近5年間に当該警備業務で通算3年以上従事した経験」の解釈でよく混乱するのが「通算」の意味です。「通算3年以上」とは、過去5年以内に同じ警備業務種別に従事した期間を合算して3年(36か月)以上あればよく、一つの会社・一つの現場に連続勤務していなくても構いません。例えばAという会社で1号業務(施設警備)に2年、その後別のB社でも1号業務に1年以上従事した場合、最近5年以内の合算で3年以上になれば受講資格を満たします。ただし「最近5年以内」の縛りがあるため、5年以上前の実務経験は通算に含められない点に注意が必要です。

「指導教育責任者」と「警備員教育」──警備員に対する法定教育の実施義務

警備業法第21条は警備業者が警備員に対して「基本教育および業務別教育」を行うことを義務付けています。具体的には警備員として初めて業務に就かせる前に法定時間の「新任教育」、その後も年間一定時間の「現任教育」を実施する義務があります。指導教育責任者は、この法定教育を企画・実施・記録する責任者として、教育計画書の作成・教育実施記録の保存・警察への報告義務を担います。教育記録の不備・記録書類の未整備は警備業法違反となり、警察による立入り検査で指摘される事項の上位に常にランクインします。指導教育責任者試験でも「法定教育の種類・時間・記録義務」は修了考査の頻出テーマです。

「護身用具(警戒棒・指導棒)」の携帯制度

警備員は一般市民であるため、原則として武器の携帯は禁止されています。ただし警備業法第17条は、警察から「護身用具」の携帯の認定を受けた場合に限り「警戒棒(特殊警棒)・刺股(さすまた)・盾(たて)」等の護身用具を業務中に携帯できると定めています。貴重品運搬警備(3号)では現金輸送時の護身用具携帯が実務上一般的で、4号(身辺警備)のボディガードは通常の施設警備員より高度な護身用具の使用訓練を受けています。指導教育責任者試験では「護身用具の定義・認定制度・使用制限・不正携帯の罰則」が出題されるテーマです。

よくある質問

Q. 警備会社に入ったばかりの新人でも受講できますか?

受講資格として「最近5年間に当該警備業務で通算3年以上従事した経験」等が必要なため、入社直後の新人は受講できません。入社後に警備業務経験を積みながら同時に「施設警備業務検定2級→1級」等の警備業務検定を取得するルートで、入社後3〜5年を目安に指導教育責任者の受講資格を得るのが一般的なキャリアパスです。「警備業務検定2級取得後1年以上継続従事」という別ルートの受講資格もあるため、業務検定2級取得→1年以上の現場経験→指導教育責任者受講という最短ルートも可能です。

Q. 4つの種別すべてを取得するメリットはありますか?

大手総合警備会社では「施設警備(1号)・交通誘導(2号)・貴重品運搬(3号)」の複数種別を手掛けているケースが多く、複数種別の指導教育責任者資格を持つ管理職は営業所単位での「法定選任要件をまとめて担える人材」として高く評価されます。ただし各種別の受講資格(3年以上の実務経験等)を種別ごとにクリアする必要があるため、実際に4号(身辺警備)まで取得できる方は限られます。警備会社でのキャリアとして最も需要が高いのは「1号+2号」の組み合わせで、次いで「1号+2号+3号」の3種別保持者が特に希少性・評価が高いです。

こんな方におすすめ

  • 警備会社に3年以上勤務しており、係長・班長・隊長等の現場管理職への昇進条件として指導教育責任者の取得が求められている現役の施設警備員・交通誘導警備員・貴重品運搬警備員の方
  • 施設警備業務検定2級・交通誘導警備業務検定2級等を取得済みで、1年以上の継続従事経験を持ち、さらに上のキャリア(管理職・教育担当)を目指してステップアップしたい方
  • 警備業者として独立開業を検討しており、営業所の許可要件として指導教育責任者の選任が必要なため、先に自身で取得しておきたい方(開業時の許可申請でも有利)
  • 警備会社のエリアマネージャー・督励担当として複数営業所の法定教育管理を担当しており、自ら指導教育責任者の資格を取得して教育品質の向上と法令遵守体制を強化したい方

最新の講習日程・受講申込については各都道府県の警備業協会(都道府県公安委員会認定の指定講習機関)へお問い合わせください。警視庁(東京都の場合)の取得案内では講習の種別・日程・申込先が掲載されています。

公式サイト(参考):警視庁 警備員指導教育責任者資格者証の取得方法