防災介助士について

実技試験あり筆記試験誰でも受験可
民間資格

防災介助士とは?

公益財団法人日本ケアフィット共育機構が認定する民間資格をわかりやすく解説

スポンサーリンク

防災介助士の概要

防災介助士は、高齢者・障害者・妊婦・外国人など「配慮が必要な方(要配慮者)」を誰一人取り残さない「インクルーシブ防災」を実践するための民間資格です。公益財団法人日本ケアフィット共育機構が認定し、防災の基礎知識・避難の手順、高齢者・障害者への具体的な介助技術、応急止血などの応急手当、災害時のチームビルディングを実践的に習得します。サービス介助士(ケアフィット)の防災版として位置づけられ、企業・自治体・医療機関の防災担当者から自治会の防災リーダーまで幅広い層が取得しています。

インクルーシブ防災とは、障害の有無・年齢・国籍に関わらず、多様な人々が共に安全に避難・生活できることを目指す防災の考え方です。従来の「自助・共助・公助」の枠組みを超え、平時から要配慮者に寄り添い、災害時に即座に動ける知識と技術を身に付けることが、防災介助士取得の核心です。資格取得には普通救命講習の修了が必要なため、AEDや心肺蘇生も合わせて習得できます。

対象となる場面と受講者

防災介助士が活躍する場面として、企業の BCP(事業継続計画)策定・防災訓練の実施・施設内避難誘導リーダー、自治会・町内会の自主防災組織のリーダー、病院・介護施設・福祉施設での避難計画立案、鉄道・航空・小売・金融など接客業の顧客避難誘導、学校・保育施設での災害時の子ども・保護者対応などが挙げられます。

基本情報の早見表

取得方法自宅学習(テキスト・提出課題)+実技教習(1日)+筆記試験(実技教習当日)の3段階
実技教習1日(9:30〜17:00)。避難介助・応急止血・AED操作・チームビルディング演習
提出課題100問・100点満点。合格基準70点以上(不合格時は再提出可)
筆記試験50問・100点満点。合格基準70点以上(教習当日16:00〜17:00実施)
受講料29,700円(税込10%)。再試験料3,630円(税込)
更新3年ごとに更新が必要(更新料3,300円税込)
受講資格特になし(年齢・職業・前提資格の制限なし)
主催団体公益財団法人 日本ケアフィット共育機構
開催地域全国(仙台・東京・名古屋・大阪・神戸・広島・高松・福岡・沖縄等)
公式サイトcarefit.org/bousai/

試験・講習の内容を詳しく

自宅学習と実技教習の内容

申し込み後にテキストと提出課題が送付され、自宅で学習した後に提出課題(100問)を提出し、70点以上で実技教習への参加資格を得ます。実技教習は1日(7.5時間)で、以下の4テーマを実践的に学びます。

  • 災害理解:日本の災害リスクの実態・ハザードマップの読み方・避難場所・避難経路の確認・要配慮者の特性と配慮事項(視覚・聴覚・肢体・精神・知的障害・高齢者・乳幼児・外国人への対応)
  • 自衛技能:災害時に自分と周囲を守るための行動判断(地震の初動・火災発生時の対応・高所避難・水害時の対応)・避難誘導の方法・安全な声かけと誘導手順
  • 救急介助技術:普通救命講習の内容(心肺蘇生法・AEDの使用・止血法)を防災の観点から実践。救命講習の修了証が資格登録の要件となる
  • リーダーシップ育成:チームとして機能するためのコミュニケーション・役割分担・意思決定の訓練。グループワークで実際の避難シナリオを体験

筆記試験と合格後の登録

実技教習の当日(16:00〜17:00)に筆記試験50問が実施されます。70点以上で合格となり、その後に普通救命講習の受講を済ませて修了証を提出することで「防災介助士」として正式登録されます。筆記試験に不合格の場合は3,630円で再受験できます。

難易度・受講の目安

★★☆☆☆ 自宅学習+実技教習1日+筆記試験の3段階。合格率約80%と高め。要配慮者への対応と応急手当の基本を理解することがポイント。

防災介助士の取得難易度は比較的低く、合格率は約80%です。自宅学習のテキストと提出課題(100問)を丁寧に進めれば、実技教習当日の筆記試験(50問)で70点以上を取るのは十分可能です。現場経験がある介護職・医療職の方は特に馴染みやすい内容ですが、防災初心者でも実技教習の演習で理解が深まります。受講料29,700円は他の民間防災資格と比べてやや高めですが、テキスト・演習・救命講習が一体化した充実した内容です。3年ごとの更新が必要な点も考慮してください。

合格率:約80%(公式FAQ公表値)。自宅学習をしっかり進め、提出課題で70点以上をクリアすることが第一ステップ。実技教習を体験すれば筆記試験も取り組みやすい。

キャリアパスと需要

企業・自治体・医療福祉施設の防災担当者として

大企業のBCP担当・工場・オフィスの防火防災管理者・自治体の地域防災リーダー・介護施設・病院の避難計画担当として活躍できます。近年は企業の防災研修に防災介助士の内容を組み込む動きが広がり、人事・総務部門の担当者が取得するケースが増えています。特に高齢社会が進む中、「高齢顧客・高齢従業員を含む避難誘導」を任される立場の方には実践的なスキルが身に付く資格です。

サービス介助士・防災士との組み合わせ

防災介助士は、同機構の「サービス介助士」(高齢者・障害者への日常的な介助スキル)と組み合わせることで「日常の接客対応+緊急時の避難誘導」の両面をカバーできます。また、内閣府が認定する「防災士」(日本防災士機構)との組み合わせで、防災計画の立案・地域防災訓練の企画・実施まで担える防災の専門家として評価されます。

豆知識:インクルーシブ防災の世界

災害時に「助かりにくい」のは誰か

内閣府の調査によると、過去の大規模災害(阪神淡路・東日本大震災)では、死者・行方不明者に占める65歳以上の高齢者の割合が60%超でした。車椅子ユーザー・視覚障害者・聴覚障害者は情報収集・移動の両面でリスクが高く、「自分で逃げられる人だけが助かる避難システム」の限界が明らかになっています。防災介助士はこの課題に正面から向き合い、「支援する側」の人材を育成する資格です。

「福祉避難所」と要配慮者支援の仕組み

災害対策基本法の改正(2021年)により、自治体は「避難行動要支援者名簿」の作成と個別避難計画の策定が義務化されました。避難所では要配慮者向けの「福祉避難所」が指定されていますが、一般避難所から福祉避難所への移送・誘導を実際に担える人材はまだ不足しています。防災介助士はこの現場のニーズに応える資格として、自治体・施設での需要が高まっています。

「止血帯(ターニケット)」が民間防災に広がる背景

テロや大規模交通事故を想定した民間の応急手当として、止血帯(ターニケット)の使い方を含む高度な応急処置が注目されています。防災介助士の実技教習では「止血法」を重点的に扱い、受講後に普通救命講習(AED・CPR)の修了も必須とすることで、応急救命の基礎まで網羅的に習得できます。一般市民がAEDに加えて止血法を学ぶ機会として、防災資格の中でも実践色が強い設計です。

よくある質問

Q. 身体に障害がある方でも受講・取得できますか?

受講できます。実技教習の介助実技については、自身が介助できない場合でも「他者に介助方法を指示・伝達する役割」で参加することが認められています。実技教習参加にあたって必要なサポートがある場合は、申し込み時に主催者(ケアフィット)に事前相談することをお勧めします。資格の目的が「多様な人を助ける」であるため、当事者としての視点から防災介助士として活躍することも大いに歓迎されます。

Q. 3年後の更新をしないと資格はどうなりますか?

有効期限の3年を過ぎると資格が失効します。海外勤務・長期療養などのやむを得ない事情がある場合は、期限後でも一定の条件下で更新が認められる「救済ルール」があります。通常の場合は有効期限の1か月前を目安に主催者から更新案内が郵送されます。失効後は再受講(29,700円)が必要なため、期限管理は重要です。更新料3,300円は比較的安価なので、期限内に更新することをお勧めします。

こんな方におすすめ

  • 企業のBCP・防災計画担当・総務・人事で防災訓練を企画・実施したい方
  • 病院・介護施設・福祉施設で高齢者・障害者の避難誘導責任者を担う方
  • 自治会・町内会の防災リーダーとして地域の要配慮者支援を強化したい方
  • 交通機関・百貨店・観光施設で多様なお客様への緊急対応スキルを身に付けたい方

最新の開催日程・受講料・申し込み方法は公益財団法人日本ケアフィット共育機構の公式サイトで確認してください。

公式サイト:公益財団法人 日本ケアフィット共育機構(防災介助士)