ロジカルシンキングマスター資格とは?
概要・難易度・取得後の活かし方を解説
ロジカルシンキングマスター資格の概要
ロジカルシンキングマスター資格は、一般社団法人日本生活環境支援協会(JLESA)が認定する民間資格です。物事を筋道立てて考え、説得力のある結論を導き出す「論理的思考力」について、体系的な知識を身につけていることを証明します。
※ JLESAとは、暮らしや仕事にまつわる幅広いテーマで民間資格を認定している団体で、この資格のほかにも「ビジネスマネージメント資格」「着物マイスター」など多彩な資格を展開しています。
試験の出題範囲と形式
出題範囲は、帰納法・演繹法といった論理展開の基礎理論から、モレなくダブりなく物事を整理する「MECE」の考え方、複数の要素を比較検討して優先順位を立てるためのマトリックス思考まで、ビジネスの現場で使われる論理的思考の道具立てを幅広くカバーします。単なる暗記ではなく、実際に思考を整理する型を理解しているかどうかが問われる内容です。
※ MECE(ミーシー)とは、「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の略で、「モレなく、ダブりなく」物事を分類・整理する考え方のことです。コンサルティング業界でよく使われるフレームワークで、資料作成や課題整理の基本とされています。
試験は在宅受験方式です。インターネットで申し込むと1週間以内に試験問題が郵送され、解答を返送すると到着から10日前後で合否が確認できます。試験期間・受験申込み期間の制限は撤廃されており、現在は年間を通じていつでも受験できます。
受験資格・対象者
受験資格に制限はなく、誰でも受験できます。受験料は10,000円(税込)で、合格基準は70%以上の評価です。合格後は任意で認定カード・認定証(各5,500円)を発行してもらえます。
「地頭の良さ」を後天的なスキルとして体系化している点
論理的思考力はしばしば「地頭の良さ」や「センス」として片付けられがちですが、この資格はそれをMECEやマトリックス思考といった具体的な「型」に分解し、後天的に学べるスキルとして整理している点が特徴です。感覚に頼らず、論理展開の手順を言語化して学べる点は、独学で我流のまま止まっていた人にとって整理のきっかけになります。
難易度・学習時間の目安
試験は自宅で問題を解いて郵送する形式のため、手元に参考書やメモを置きながら解答することも実質的に可能です。ビジネス書を1〜2冊読んだ経験がある人であれば、MECEやロジックツリーといった用語には馴染みがあるはずで、学習時間の目安は10〜20時間程度、初めて論理的思考を学ぶ人でも書籍1冊をじっくり読み込む程度の負荷感です。
※ ロジックツリーとは、大きな課題やテーマを、原因や要素ごとに枝分かれさせて整理する図解手法のことです。問題の全体像を漏れなく把握するために使われます。
取得後に活かせる仕事・関連する職種
企業研修講師・セミナー講師
新人研修や管理職研修で「論理的思考」をテーマにした講座は根強い需要があります。資格取得を機に、カルチャースクールや企業向け研修の講師として活動を始める人もいます。
コンサルタント・企画職
課題の原因を分解し、優先順位をつけて解決策を提案する仕事では、MECEやマトリックス思考がそのまま実務のベースになります。資格そのものが実務資格というより、既に使っている思考の型を体系立てて説明できるようになる点にメリットがあります。
企画職やマーケティング職では、市場や顧客の課題を整理し、解決策を提案する場面が多いとされています。また、コンサルティングや経営企画の分野でも、複雑な課題を整理し、筋道の立った提案を行う力が求められるとされ、こうした部署でも論理的思考の型が役立つといわれています。
ライター・ブロガー
論理的に構成された文章を書くスキルは、Webライティングや資料作成の仕事でも評価されます。「なぜそう言えるのか」を筋道立てて説明する訓練は、説得力のある文章作りに直結します。
誕生の背景・歴史
ビジネス思考法の民間資格化という流れ
ロジカルシンキング(論理的思考)は、もともと外資系コンサルティングファームの新人研修で使われていた思考法が、書籍やビジネス書を通じて2000年代以降に一般のビジネスパーソンにも広く普及した経緯があります。JLESAは、こうした「本を読めば学べるが体系的な証明手段がなかった」スキルを、在宅受験形式の資格として認定できる仕組みに落とし込んでいる団体の一つです。
在宅受験という形式が普及した背景
会場に出向いて受験する形式ではなく、自宅で問題を受け取り解答を返送する在宅受験方式は、忙しい社会人や地方在住者でも受験しやすいという利点があります。JLESAが認定する資格の多くがこの形式を採用しており、学習と受験のハードルを下げることで、知識の証明を身近なものにする狙いがあるとされています。
どんな人が、どんな目的で取得しているのか
新社会人・若手ビジネスパーソン
会議での発言や資料作成で「話が伝わらない」と感じている若手層が、思考の整理術を体系的に学び直す目的で受験するケースが見られます。感覚的に理解していた内容を言語化できるようになったという声が多いようです。
研修講師・カルチャースクール講師志望者
すでに社会人経験があり、自分の経験や知識を教える側に回りたいと考える人が、講師活動の裏付けとして資格を取得するパターンです。資格そのものより「体系立てて教えられる」という自信につながる面が大きいとされています。
キャリアチェンジを考える人
営業職から企画職へ、あるいは異業種への転職を考える中で、「論理的に考えられる人材」であることをアピール材料の一つにしたいと考える人も一定数います。
豆知識:ロジカルシンキングという言葉のルーツ
「三角ロジック」という考え方
ロジカルシンキングの基本形として知られるのが「主張・根拠・データ」の3点をワンセットで示す「三角ロジック」という考え方です。「〇〇すべきだ(主張)」「なぜなら△△だから(根拠)」「実際に□□というデータがある(裏付け)」という3段構えで話すだけで、説得力が大きく変わるとされ、プレゼン研修などでもよく使われる基本形です。
コンサル業界と「ロジックツリー」の広まり
MECEやロジックツリーといった手法は、もともと外資系戦略コンサルティングファームの内部研修で使われていた思考ツールでしたが、2000年代以降にビジネス書として一般向けに書籍化されたことで、コンサル業界に限らず幅広い業種のビジネスパーソンに浸透しました。今では新人研修の定番テーマの一つになっています。
中小企業診断士との違い
中小企業診断士は、経営全般に関する専門知識を問う国家資格です。ロジカルシンキングマスターは、その土台となる論理的思考の基礎を確認する資格であり、専門知識そのものを問うものではない点が異なるとされています。論理的思考の基礎を整理した上で、中小企業診断士などの学習に進む人もいるといわれています。
ビジネス実務法務検定との違い
ビジネス実務法務検定は、法律に関する知識を問う検定です。ロジカルシンキングマスターは、特定の分野の知識ではなく、考え方そのものの枠組みを学ぶ資格である点が異なり、どの分野の学習にも応用できる汎用性の高さが特徴とされています。
まとめ ― 「なんとなく」を「筋道立てて」に変える資格
こんな方にとくにおすすめ
- 会議や資料作成で「話が伝わりにくい」と感じている方
- MECEやロジックツリーなど、ビジネス書で読んだ知識を体系的に整理し直したい方
- 企業研修やカルチャースクールで論理的思考をテーマに教える活動をしたい方
取得に向けた第一歩
まずはMECE・ロジックツリー・三角ロジックといった基本用語がどんな考え方なのか、書籍やWeb記事で一通り触れてみるのがおすすめです。すでに知っている内容が多ければ、そのまま受験してみて知識の整理度合いを確認するのもよいでしょう。
公式サイト:ロジカルシンキングマスター 公式サイト
