ブロック建築技能士について

実技試験あり筆記試験実務経験・学歴が必要
国家資格

ブロック建築技能士とは?

概要・難易度・合格率・キャリアを解説

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ブロック建築技能士の概要

ブロック建築技能士は、コンクリートブロックを用いた塀や壁、基礎などを正しく施工する技能を証明する国家資格です。厚生労働省が所管する技能検定制度のひとつで、実施運営は中央職業能力開発協会(JAVADA)と各都道府県の職業能力開発協会が担っています。

技能検定制度とは、働くうえで必要な技能を国が定めた基準で評価し、合格者に「技能士」の称号を与える国家検定制度です。職種ごとに等級が分かれています。

試験の出題範囲と形式

試験は学科試験と実技試験の2本立てです。学科試験は真偽法30問・試験時間1時間で、65点以上を取ると合格となります。出題範囲はブロック造の構造や施工方法にとどまらず、建築基準法の耐力壁規定や構造力学の基礎知識にも及びます。

実技試験では、実際にコンクリートブロック塀を施工する課題が出されます。鉄筋の加工・配筋作業も含まれ、標準時間は1時間30分、打切り時間は1時間45分です。60点以上で合格となり、仕上がりの精度や作業の安全性まで細かく審査されます。

補強コンクリートブロック造とは、コンクリートブロックの空洞部分に鉄筋を通してコンクリートを詰め、耐力壁・基礎・まぐさなどを一体化させて構築する構造方式です。鉄筋を入れることで強度と耐震性を高めています。

受験資格・対象者

受験資格は等級ごとに実務経験年数の条件が定められています。3級は実務経験を問わず誰でも受験できますが、2級は実務経験2年以上(3級合格者は経験不問)、1級は7年以上の実務経験が必要です。ただし2級合格後2年以上、または3級合格後4年以上の実務経験がある場合も1級を受験できます。

受験料は学科試験が3,100円、実技試験が16,500円です。試験は年2回、前期・後期に分けて実施されますが、実際の実施の有無は都道府県によって異なるため、受験を検討する際は各都道府県の職業能力開発協会に確認する必要があります。

「ブロック建築技能士」という名称の重み

ブロック建築技能士は名称独占資格です。技能検定に合格し「技能士」の称号を受けた人以外は、「ブロック建築技能士」を名乗ることが法律で禁止されています。施工そのものに資格が必須というわけではありませんが、名称を掲げられるのは合格者だけという点に、この資格の専門性が表れています。

難易度・学習時間の目安

★★★☆☆ 中級

学科試験は建築基準法や構造力学の基礎知識が問われるため、独学で臨む場合は施工技術に関するテキストを中心に、100時間前後の学習時間を見込んでおくと安心です。実務でブロック施工に携わっている人であれば、学科の対策のみで合格ラインに届くケースも珍しくありません。

一方、実技試験は現場感覚がものを言う試験です。標準時間内にブロックを積み、鉄筋を加工し、モルタルの仕上げまで一定の精度でこなす必要があるため、実際に道具を使って練習を重ねることが合格への近道になります。

まぐさとは、窓や出入口などの開口部の上部に渡し、上からの荷重を支える横架材のことです。ブロック塀では鉄筋コンクリートで一体的に作られることが多く、実技試験でも施工精度が問われる部分です。

合格率の目安:1級48.5%・2級45.1%・3級66.7%程度(参考値)。3級は実務未経験でも挑戦しやすく、1級・2級は現場経験が合否を分ける傾向があります。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

ブロック塀・外構工事の専門業者

最も直接的な活躍の場は、住宅の外構やブロック塀の新設・改修を手がける専門業者です。技能士の資格を持っていることで、施工技術の裏づけを顧客や元請け企業に示すことができ、見積もりや契約の場面で信頼材料になります。

左官・とび職との連携作業

ブロック施工は単独で完結する作業ではなく、基礎工事や仕上げの段階で左官やとび職と連携する場面が多くあります。ブロック建築技能士の知識があると、隣接する工程の職人とのやり取りがスムーズになり、現場全体の品質管理にも貢献できます。

建設キャリアアップシステムでの評価

建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録する際、技能士資格は保有資格として登録でき、現場での実務経験と合わせて技能レベルの証明に使われます。等級が上がるほど能力評価の点数にも反映されやすく、収入や現場での役割にも結びつきます。

建設キャリアアップシステム(CCUS)とは、技能者の資格・社会保険加入状況・現場経験を業界横断で登録・蓄積し、技能や経験に応じた処遇につなげる国主導の仕組みです。

独立・自営としての施工請負

1級を取得し豊富な現場経験を積んだ人の中には、独立して施工を請け負う自営業者になる人もいます。ブロック塀は住宅だけでなく店舗や工場の外構にも使われるため、地域に根ざした形で継続的な受注につながりやすい分野です。

誕生の背景・歴史

昭和38年:1級・2級の始まり

ブロック建築技能検定は昭和38年に1級・2級がスタートしました。高度経済成長期に住宅建設が急増し、コンクリートブロックを使った塀や壁の需要が高まる中で、施工技術を国が定めた基準で評価する仕組みが必要とされたことが背景にあります。

制度開始からこれまでに、累計で約42,000人が受検し、約17,000人が合格してきた実績があります。長年にわたり技能士を輩出し続けてきたことは、この職種が建築業界で一定の存在感を保ち続けてきたことの表れといえます。

後年の3級新設と現在の位置づけ

1級・2級の開始から時間を経て、実務経験を問わない3級が新たに設けられました。これにより、これから業界に入ろうとする若手や未経験者も、早い段階で技能検定にチャレンジできる裾野の広い制度に整えられています。

※ 技能検定は職種によって等級構成が異なり、1級・2級のみの職種と、3級まで設けられている職種があります。3級の新設は、若年層の入職を後押しする目的で行われることが多いとされています。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

ブロック工事会社に新卒・未経験で入った若手

実務経験を問わない3級は、業界に入ったばかりの若手がまず目指す資格として位置づけられています。現場で先輩の指導を受けながら学んだ知識を、資格という形で早期に可視化できる点が支持されています。

数年の実務経験を積んだ職人

2年、7年といった実務経験の節目を迎えたタイミングで2級・1級に挑戦する職人も多くいます。等級が上がるほど任される現場の規模や責任範囲が広がるため、キャリアの区切りとして資格取得を選ぶケースが典型的です。

工務店・ハウスメーカーの外構担当者

自社で外構工事も請け負う工務店やハウスメーカーの担当者が、下請け任せにせず自社内で品質管理できる体制を整えるために取得するケースもあります。ブロック塀の耐震性への関心が高まる中、社内に技能士がいることは顧客への説明力にもつながります。

豆知識:ブロック建築技能士の歴史と安全性

約6割の合格者を長年にわたり輩出してきた職種

昭和38年の制度開始から積み重ねられた約42,000人の受検・約17,000人の合格という実績は、単純計算では合格率およそ40%に相当します。地味に見える職種ですが、半世紀以上にわたり一定数の技能士を送り出し続けてきた、歴史のある技能検定のひとつです。

ブロック塀の安全性が社会的な関心事になった経緯

ブロック塀は、地震の際に倒壊する事故がたびたび報告されており、たとえば2018年の大阪北部地震では、通学路に面したブロック塀が倒壊し、下敷きになった小学生が死亡する事故が発生しました。この事故を契機に、全国の学校や住宅地でブロック塀の点検・撤去・改修が進められることになりました。

こうした経緯から、ブロック塀は正しい鉄筋の配置や基礎の施工がなされていなければ、地震時に大きなリスクとなることが広く認識されるようになりました。ブロック建築技能士は、こうした構造上の弱点を理解したうえで、基準に沿った適正な施工を行う技術を裏づける資格であり、社会的な安全確保の観点からも意義のある職種です。

まとめ ― 安全な暮らしの足元を支える技能

こんな方にとくにおすすめ

  • ブロック工事・外構業界で働き始めたばかりの方
  • 実務経験を積み、技術を資格として証明したい職人の方
  • 工務店・ハウスメーカーで外構の品質管理を担当する方
  • 建設キャリアアップシステムへの登録資格を増やしたい方

取得に向けた第一歩

まずは実務経験を問わない3級からの挑戦が現実的な第一歩です。日々の現場作業を通じて技術の基礎を身につけつつ、学科試験の対策として建築基準法や構造の基本を押さえておくと、上位等級への足がかりにもなります。関連資格である建築大工技能士左官技能士とび技能士・コンクリート技士なども、あわせて視野に入れることで、外構・建築分野でのキャリアの幅がさらに広がります。

公式サイト:技のとびら(厚生労働省)