SAS認定データサイエンティストとは?
概要・難易度・取得後の活かし方を解説
SAS認定データサイエンティストの概要
「SAS Certified Data Scientist」は、SAS Institute Inc.が認定する統計解析・データサイエンス分野の資格です。単独の1試験では取得できない「複合認定」であることが大きな特徴で、土台資格(Advanced Programming Using SAS 9.4/Data Curation Using SAS Viya等)と分析力資格(AI and Machine Learning Using SAS Viya/Advanced Analytics Using SAS 9等)を組み合わせて初めて認定される、積み上げ式の資格体系です。
※ SAS Instituteとは、1966年にノースカロライナ州立大学農学部で開発が始まった統計解析システムを起源とする企業。1976年にJames Goodnight氏ら4名により法人化され、現在も非上場を貫く世界最大級のソフトウェア企業の一つです(2023年時点で売上30億ドル超)。
取得ルートの構造
取得には「土台資格×分析力資格」の組み合わせが必要で、複数の取得ルートが存在します。それぞれのProfessional資格自体も下位のSpecialist試験合格を前提とする場合があり(例:Advanced ProgrammingはBase Programmingの合格が前提)、実質的に3階層程度のピラミッド構造になっています。各構成試験はCBT形式(Pearson VUE経由)で、1試験あたり180 USD程度、複数試験合計で総額は1試験の受験料の2〜5倍程度になる可能性があります。
※ 取得には8〜12か月程度を要するとされる、資格体系としては非常に重厚な設計です。SAS認定資格全体は合計27資格・7カテゴリに分類され、各カテゴリ内でAssociate→Specialist→Professionalという階段状のレベル設計が一般的なパターンです。
難易度
単一試験の合格だけでは足りず、複数のProfessional資格(さらにその下位のSpecialist資格)を段階的に取得する必要があるため、取得までの期間・コストともに非常に大きな資格です。統計学・機械学習・プログラミングの幅広い専門知識が要求されます。
有効期限・更新制度
個別ページでは明記が確認できません。SAS認定は一般にプラットフォームのバージョン更新(SAS 9→SAS Viya等)に伴い旧試験が段階的に廃止される運用があり、恒久的な無期限資格ではなく、プラットフォームの世代交代の影響を受ける可能性がある点に留意してください。
取得後に活かせる仕事・関連する職種
データサイエンティスト・高度統計解析担当者
データサイエンティスト、機械学習エンジニア、高度統計解析担当者、AI導入コンサルタント、製薬・金融業界の統計解析専門職などに直結する資格です。ビッグデータの操作とインサイト抽出、複雑な機械学習モデルによるビジネス提言、SAS環境でのモデルの大規模展開という3つの能力領域を検証します。
製薬・金融・官公庁での統計解析の専門職
統計解析ソフトウェアの老舗であるSASは、製薬・金融・農業・官公庁・大学等で長年の実績があり、SAS言語やSAS認定資格は業界標準として定着しています。特に製薬業界の臨床データ解析等で重宝されます。
誕生の背景・歴史
農学研究から生まれた統計解析ソフトウェア
SASは1966年、ノースカロライナ州立大学の農学部で開発が始まった統計解析システムが起源です。土壌・気候・種苗が収穫量に与える影響の分析用ツールとして誕生し、1976年にSAS Instituteとして法人化されました。
AI・機械学習需要への対応として集大成的な資格に
伝統的な統計解析の強みに加え、近年のAI・機械学習・ビッグデータ需要の高まりに対応する形で、複数の専門資格を束ねた「集大成」的な最上位認定としてデータサイエンティスト認定が位置づけられています。
どんな人が、どんな目的で取得しているのか
SASを長年使ってきた統計解析の専門家
製薬・金融・官公庁等でSASを長年使ってきた統計解析の専門家が、自身の専門性を最上位資格として体系化する目的で取得を目指すケースが多いです。
キャリアの集大成として取り組むデータサイエンティスト
8〜12か月かけて段階的に資格を積み上げていく必要があるため、キャリアの節目で「集大成」として取り組む中堅〜ベテランのデータサイエンティストが多い傾向にあります。
日本語受験の可否
構成資格の一部(Base Programming・Advanced Programming・SAS Viya Programming Specialist・Statistical Business Analyst・Visual Business Analytics Specialist等、計7資格)は日本語受験に対応しています。ただし、データサイエンティスト認定の必須構成要素であるAI and Machine Learning ProfessionalやData Curation Professionalが日本語対応リストに含まれるかは確認できておらず、少なくとも一部試験は英語のみの可能性があります。受験前に個々の構成試験ごとに公式サイトで言語対応を確認する必要があります。
豆知識:SAS認定データサイエンティストで知っておきたい事実
単一試験ではなく「集合体」として得られるユニークな資格
SAS認定データサイエンティストは単一試験ではなく、複数の上位専門資格を組み合わせて初めて得られる「集合体」資格であり、取得に8〜12か月程度を要するとされる、資格体系としては非常に重厚な設計になっています。
働きがいのある会社として知られるSAS Institute
週の水曜には社員に無料でM&M’sを配る、フレックスタイム制度を早くから導入するなど、SAS Instituteは1970年代から「働きやすい会社」文化で知られ、Fortune誌の「働きがいのある会社」ランキング常連企業としても有名です。
非上場を貫く世界最大級のソフトウェア企業
現在も非上場を貫き、創業者のJames Goodnight氏が約3分の2、John Sall氏が約3分の1を保有するオーナー企業です。2023年時点で売上30億ドル超という規模でありながら上場していない点は、ソフトウェア業界でも異例です。
まとめ ― SAS資格体系の集大成を目指す
こんな方にとくにおすすめ
- 製薬・金融・官公庁等でSASを実務で長年使ってきた統計解析の専門家
- 複数のSAS上位資格を段階的に取得しキャリアの集大成としたい方
- AI・機械学習と統計解析の両方の専門性を証明したいデータサイエンティスト
- SAS環境での大規模モデル展開に携わる実務者
取得に向けた第一歩
公式サイトで必須構成試験の最新リストを確認し、まず土台資格(Advanced Programming等)から着手しましょう。複数試験の積み上げが必要なため、8〜12か月程度の長期的な学習計画を立てることが重要です。各構成試験の言語対応も事前に必ず確認してください。
公式サイト:SAS Institute 認定資格 公式ページ
