日本茶スペシャリスト(JAFA)とは?
概要・難易度・日本茶の歴史と淹れ方を解説
日本茶スペシャリスト(JAFA)の概要
日本茶スペシャリストは、一般社団法人日本能力教育促進協会(JAFA)が認定する民間資格です。日本茶の製造工程や茶葉の分類といった基礎知識から、家庭やお店でおいしく淹れるための実践的なコツまで、幅広く体系的に学べる点が特徴です。
※ 茶葉の分類とは、煎茶・玉露・抹茶・ほうじ茶・番茶など、製法や栽培方法の違いによる日本茶の種類分けのことです。同じ茶樹から作られていても、加工方法によって味わいが大きく変わります。
試験の出題範囲と形式
出題範囲は、日本茶の製造工程、茶葉の分類とそれぞれの特徴、産地ごとの違い、おいしい淹れ方の基本技術など多岐にわたります。試験はJAFAが指定する認定機関(通信講座「formie」など)の講座を受講したうえで、随時在宅のWeb形式で受験する方式です。
受験資格・対象者
受験できるのは、JAFAが指定する認定機関の講座を受講し、その機関が定める方法で申し込んだ人に限られます。「当ホームページおよび当協会への直接のお申し込みは受け付けておりません」と公式サイトに明記されている通り、必ず認定機関経由での申込が必須です。formieの講座受講料は教材・認定証・検定・サポート費用込みで30,000円(税抜)、クレジット分割払いなら月々3,000円からとされています。
「日本茶」を冠する資格は複数団体から出ている
日本茶に関する資格は、他団体からも「日本茶インストラクター」(NPO法人日本茶インストラクター協会認定)など似た響きの資格が出ています。JAFAが認定する「日本茶スペシャリスト」は、これらとは主催団体も学習内容も異なる別の資格です。取得前に主催団体名まで確認しておくと安心です。
※ 「インストラクター」「スペシャリスト」「ソムリエ」など呼び名が異なっていても、扱うテーマが重なる資格は食・飲料分野で多く見られます。取得前に主催団体名まで確認しておくと安心です。
難易度・学習時間の目安
標準的な学習期間の目安は1か月程度とされ、スマホやパソコンでWeb教材を確認しながらすきま時間に学べる設計になっています。日本茶についてまったく知識がない状態からでも、講座内容に沿って学べば無理なく理解を進められます。
取得後に活かせる仕事・関連する職種
日本茶専門店・カフェの商品開発担当
茶葉の分類や産地の違いに関する知識は、季節や客層に合わせた茶メニューの開発にそのまま活かせます。玉露・煎茶・ほうじ茶といった特徴の違いを正しく説明できることは、商品説明の説得力を高める要素になります。
茶道教室・カルチャースクールの講師
家庭での淹れ方の延長として日本茶を教える教室で、単なる淹れ方の紹介にとどまらず、歴史や文化的背景まで語れることは講座内容の厚みにつながります。
SNS・ブログでの情報発信者
日本茶の淹れ方や産地の情報をSNSで発信する際、製法や歴史の背景を添えて紹介できることは、他の発信者との差別化につながります。「おいしい」だけでなく「なぜおいしいのか」を語れる発信者は、読者からの信頼も得やすくなります。
贈答品・法人向けギフトの選定担当
企業の来客用茶や取引先への贈答品として日本茶を選ぶ機会がある職種でも、産地や等級ごとの特徴を理解していることは選定の説得力につながります。価格だけでなく「なぜこの茶葉を選んだのか」を語れることは、贈る相手への配慮としても評価されます。
誕生の背景・歴史
日本茶ブームを背景に整備された資格
近年、健康志向の高まりとともに、急須で淹れる日本茶や、産地・品種にこだわった茶葉を選ぶ愛好家が増えています。JAFAはこうした需要を受け、日本茶スペシャリストを含む食・飲料分野の複数資格を整備し、認定機関を通じて学べる仕組みを構築しています。
1738年:煎茶の祖・永谷宗円と「宇治製法」
現在私たちが日常的に飲んでいる煎茶の製法は、1738年に宇治田原郷(現在の京都府宇治田原町)の茶農家・永谷宗円が編み出した「宇治製法」がルーツとされています。それまでの茶は色や香りが劣るものが多かったとされていますが、宗円が茶葉を丁寧に蒸して揉み込む製法を確立したことで、鮮やかな緑色と豊かな香りを持つ煎茶が生まれ、江戸から全国へと広まっていきました。
どんな人が、どんな目的で取得しているのか
日本茶が好きで知識を体系化したい人
普段からお茶を飲む習慣があり、なんとなく知っている知識を体系的に整理したいという動機で受講する人が多い層です。産地や種類ごとの違いを説明できるようになることが、学習のモチベーションになっています。
カフェ・飲食店の開業を目指す人
将来的に日本茶専門店やカフェの開業を考えている人が、メニュー構成の理論的な裏付けを得るために取得するケースもあります。
贈答品・ギフト選びに活かしたい人
お中元やお歳暮など、日本茶を贈る機会が多い人が、相手や季節に合わせた茶葉選びの知識を身につけるために受講することもあります。
豆知識:知れば急須の前で語りたくなる日本茶の話
玉露は「覆いをかぶせる」ことで生まれた
玉露は、茶葉を摘み取る前に一定期間日光を遮って育てる「覆下栽培」という手法で作られます。1835年に山本嘉兵衛によって製法が確立されたとされ、日光を遮ることで海苔のような独特の香りと強い旨味が生まれます。同じ茶樹から採れる葉でも、育て方ひとつで味わいがまったく変わる好例です。
「一服」という言葉の由来
お茶を飲む際によく使う「一服」という言葉は、中国において古くからお茶が薬や解毒剤として扱われていたことに由来するといわれています。日本茶を「嗜好品」としてだけでなく「体を整えるもの」として捉えてきた歴史が、日常の言葉の中に今も残っています。
「うまみ」は日本発の国際的な食science用語
日本茶に多く含まれるグルタミン酸などの「うまみ」成分は、20世紀初頭に日本の研究者によって発見された概念です。今では「UMAMI」として世界の料理界でも共通語になっており、日本茶の味わいを語るうえでも欠かせない理論の柱のひとつになっています。
まとめ ― 一杯の日本茶に、千年の物語がある
こんな方にとくにおすすめ
- 日本茶が好きで、知識を体系的に整理したい方
- 日本茶専門店・カフェの開業やメニュー開発を目指す方
- 日本茶の歴史や文化的背景に興味がある方
取得に向けた第一歩
まずはJAFAが認定する通信講座「formie」などの講座内容を確認し、自分の生活リズムに合わせて学習を始めるのがおすすめです。他団体の類似資格(日本茶インストラクターなど)と混同しないよう、主催団体名を確認したうえで申し込みましょう。
公式サイト:日本茶スペシャリスト公式ページ(JAFA)
