日本メイクアップ知識検定試験(JMA)とは?
概要・難易度・技術検定との違いを解説
日本メイクアップ知識検定試験(JMA)の概要
日本メイクアップ知識検定試験は、一般社団法人JMA(日本メイクアップ技術検定協会)が実施する、メイクアップやスキンケアに関する「知識」を問う筆記検定です。実技を審査する「日本メイクアップ技術検定試験」とは別に用意されており、化粧品や皮膚、顔分析、メイクアップの補正方法などについての理解度をマークシート方式で確認します。
※ 顔分析とは、顔のパーツの位置や骨格の特徴を分析し、それぞれに合ったメイクの方向性を考える手法のことです。
試験の出題範囲と形式
試験はマークシート方式の筆記試験で、Web受験と全国一斉検定(会場受験)の2つの形式から選べます。Web受験は支払い完了確認後30日間、24時間365日いつでも受験できる柔軟さが特徴です。出題範囲はメイクアップ・スキンケア・化粧品・皮膚・顔分析・メイクアップの修整方法など幅広い美容知識にわたります。
受験資格・対象者
基礎レベルの「ベーシック」は年齢などの制限なく誰でも受験可能です。応用レベルの「アドバンス」は、ベーシック合格者またはメイクアップアドバイザー検定試験の合格者が対象で、段階を踏んで挑戦する仕組みになっています。
「技術検定」との違いに注意
JMAには実技を審査する「日本メイクアップ技術検定試験」という別の検定があり、名前が似ているため混同されやすい点に注意が必要です。技術検定はモデルへの実際の施術を審査する実技試験である一方、知識検定はあくまで筆記のみで、メイクアップに関する理論・知識面を確認する試験です。両方を取得することで、実技と知識の両面をカバーすることもできます。
難易度・学習時間の目安
ベーシックは受験資格に制限がなく、公式テキストで基礎知識を一通り学習すれば十分に合格を狙える難易度です。100点満点中80点以上という基準はやや高めに見えますが、出題範囲が公式テキストに沿っているため、対策の的が絞りやすいのが特徴です。アドバンスはベーシックより出題内容が細かくなり、より実務的な知識が問われます。
※ マークシート方式とは、選択肢の中から正しい答えを選び、専用の解答用紙に塗りつぶして解答する試験方式のことです。
取得後に活かせる仕事・関連する職種
美容部員・化粧品販売スタッフ
化粧品売り場でお客様にメイクや肌の悩みを相談されるスタッフにとって、皮膚や化粧品に関する体系的な知識は接客の説得力に直結します。
メイクアップアーティストのアシスタント
実技の腕を磨く前段階として、知識面を先に固めておきたいアシスタントにも適しています。顔分析や補正方法の知識は、現場での提案力を高めるベースになります。
美容系ライター・SNS発信者
近年は美容知識をSNSやブログで発信する人も増えており、情報の正確さを担保する裏付けとして知識検定を取得するケースもあります。
エステティシャン・ネイリストなど他の美容系職種
エステやネイルなど、メイク以外を専門とする美容系職種でも、施術と合わせてメイクの提案ができると顧客満足度が高まります。専門分野にプラスして知識検定を取得し、サービスの幅を広げる人も見られます。
誕生の背景・歴史
2004年:JMA設立と技術検定からの出発
JMAは2004年7月1日、メイクアップの指導方法と審査基準を確立して技術水準の向上に貢献し、メイクアップを職業とする人々の地位向上を目的として設立されました。当初は実技を審査する技術検定が事業の中心でしたが、その後メイクアップの理論や知識を問う検定にも事業を広げていきました。
2020年:「メイクアップアドバイザー検定試験」から現行名称へ
現在の「日本メイクアップ知識検定試験ベーシック」は、もともと「メイクアップアドバイザー検定試験」という名称で実施されていました。2020年4月1日付で現行の名称に変更され、知識検定であることがより分かりやすい呼び方になっています。近年はWeb受験にも対応し、会場に足を運ばなくても受けられる検定へと進化しています。
どんな人が、どんな目的で取得しているのか
これからメイクを本格的に学びたい初心者
実技の練習を始める前に、まず知識の土台を作りたいという初心者がベーシックから挑戦するケースが多く見られます。受験資格に制限がないため、学生から社会人まで幅広い層が対象になります。
接客業で美容知識を強みにしたい方
化粧品販売やエステ、美容室のフロント業務など、メイク技術そのものより知識面での信頼を築きたい職種の方にも選ばれています。
技術検定と合わせて総合力を高めたい方
すでに技術検定を取得している人が、知識面の証明としてあわせて知識検定にも挑戦する例もあります。両方を取得することで、実技と理論の両面から自分のスキルを裏付けられます。
豆知識:名前を変えた検定の裏側
「アドバイザー」から「知識検定」への改称が意味すること
2020年の名称変更で「メイクアップアドバイザー検定試験」から「日本メイクアップ知識検定試験」へと呼び方が変わりました。「アドバイザー」という肩書き寄りの名称から、「知識」を問う試験であることをそのまま伝える名称へと変わった背景には、実技を問う「技術検定」との違いをよりはっきりさせたいという狙いがあったと考えられます。似た名前の資格が乱立しがちな美容業界の中で、名称そのものを見直すことで役割の違いを明確にした事例といえます。
知識と技術、2枚看板で運営する検定協会
1つの検定団体が「技術」と「知識」という2種類の異なる切り口で検定を用意しているのは、美容系の資格の中でもやや珍しい構成です。実技力を測る試験と、理論的な理解度を測る試験を分けることで、受験者は自分の得意分野や目的に応じてどちらから挑戦するかを選べるようになっています。
さらにJMAは男性向けの身だしなみ検定なども手がけており、事業領域をメイクアップ単体にとどめず、美容・身だしなみ全般へと広げてきました。設立から20年以上をかけて、単発の検定団体から多角的な認定事業を展開する組織へと発展してきた経緯がうかがえます。
まとめ ― メイクの「知識」を形にする第一歩
こんな方にとくにおすすめ
- これからメイクを学び始める初心者で、まず知識から固めたい方
- 化粧品販売や接客業でメイク・美容知識を強みにしたい方
- すでに技術検定を持っていて、知識面もあわせて証明したい方
取得に向けた第一歩
まずは公式テキストで出題範囲を確認し、Web受験か全国一斉検定かを選んで申し込むところから始まります。受験資格に制限のないベーシックからスタートし、合格後にアドバンスへとステップアップしていくのが基本の流れです。
技術面の腕試しをしたい場合は、同じJMAが運営する「日本メイクアップ技術検定試験」もあわせて検討すると、知識と実技の両方をバランスよく身につけられます。名前が似ている2つの検定の違いを理解したうえで、自分の目的に合った方から始めるとよいでしょう。
