JHCAヘアカラリスト検定について

実技試験あり筆記試験実務経験・学歴が必要
民間資格

JHCAヘアカラリスト検定とは?

概要・難易度・5段階のスター制度を解説

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JHCAヘアカラリスト検定の概要

JHCAヘアカラリスト検定は、NPO法人日本ヘアカラー協会(JHCA)が実施する、ヘアカラー技術に特化した検定制度です。美容師・理容師の国家資格を持つ現役のプロフェッショナルを対象にしており、カラー剤の選定やムラのない塗布、ホイルワークなどの専門技術を段階的に評価します。

NPO法人とは、特定非営利活動法人のことで、営利を目的とせず社会貢献活動を行う法人格です。JHCAはヘアカラー文化の普及と技術者育成を目的に活動しています。

試験の出題範囲と形式

各レベルとも「筆記試験」と「技能試験」の2部構成です。技能試験ではウィッグまたはモデルを使い、指定された条件でヘアカラーを施術し、仕上がりの均一性やテクニックの正確さが審査されます。上位級になるほど使用する薬剤の種類やデザインの複雑さが増していきます。

受験資格・対象者

最初のシングルスターは、美容師・理容師の国家資格を取得している方、または取得予定の方が対象です。ダブルスター以降は、ひとつ前の段階の資格を取得していることが受験の前提となっており、飛び級での受験はできません。

5段階の「スター制度」という特徴

この検定最大の特徴は、シングルスター(SS)・ダブルスター(DS)・トリプルスター(TS)・フォースター(FOS)・ファイブスター(FVS)という5段階のスター制度です。SSでは基礎知識とワンメイクの技術、DSではホイルワークの基本、TSでは全薬剤を使ったワンメイク、FOSでは複雑なデザイン技術、最上位のFVSではモデルを使用した高度な技術が求められます。多くの検定にありがちな「1級・2級」といった級呼称ではなく、星の数でキャリアの積み上げを可視化する仕組みになっています。

難易度・学習時間の目安

★★★☆☆ 上位級ほど実務経験の蓄積が問われる、実力反映型の検定

シングルスターやダブルスターは、美容師・理容師として通常の業務をこなしていれば十分に狙える難易度です。一方でフォースターやファイブスターになると、デザインカラーやモデル施術など高度な技術力が必要で、サロンでの実務経験を積み重ねながら数年がかりで取得を目指すケースが一般的です。多くのレベルで検定前のセミナー受講が必須とされており(最上位のFVSを除く)、独学だけで臨むよりも協会のセミナーを活用したほうが合格の近道になります。

ホイルワークとは、髪をアルミホイルで小分けに包んでカラー剤を塗布する技法のことで、細やかなグラデーションやハイライトを作る際に使われます。

合格率の目安:公式な合格率は公表されていません。上位級ほど技能試験の完成度が厳しく審査される傾向があるとされています。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

美容室・理容室のカラー担当スタイリスト

サロンでカラーメニューを専門に担当するスタイリストにとって、スター取得は技術力の裏付けになります。指名時の安心材料として、経歴やSNSで取得級を紹介するケースも見られます。

ヘアカラー専門サロンのスタッフ

近年増えているカラー特化型サロンでは、採用や研修の到達目標としてJHCAのスター取得を組み込んでいる例があります。店舗全体の技術水準をそろえる指標としても機能します。

美容ディーラー・メーカーの技術アドバイザー

カラー剤メーカーやディーラーで美容師向けに技術指導やセミナーを行うアドバイザー職でも、実技力を裏づける資格として評価されることがあります。

誕生の背景・歴史

1996年:協会設立とヘアカラー文化の確立

JHCAは1996年4月に設立されました。当時、ヘアカラーはパーマや白髪染めの延長として扱われることが多く、「おしゃれとしてのヘアカラー」を美容技術の一分野として確立させることが設立の狙いだったとされています。美容師教育や色彩理論の普及に力を入れ、サロンの垣根を越えて技術者同士が学び合える場をつくってきました。

2000年代以降:レベルスケールの開発と企業への展開

2000年、JHCAは髪の明るさを4〜15の12段階で示す「JHCAレベルスケール」を開発しました。それまでカラー剤メーカーごとにバラバラだった「明るさ」の基準を統一する業界標準として広まり、現在では銀行や病院、接客業など全国約24万5,000拠点のビジネスシーンで、身だしなみ規定の目安として採用されているといわれています。2003年からは企業向けの啓発活動も始め、「職場で輝くヘアカラー」をテーマにした全国キャラバンを展開し、企業のヘアカラー規定見直しを後押ししてきました。2025年には設立30周年を迎え、「もっと自由に、もっとその人のために」を新スローガンに掲げています。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

カラー技術で専門性を打ち出したい若手スタイリスト

美容師免許を取得したばかりの若手が、カット中心ではなくカラーで得意分野をつくるためにシングルスターから挑戦するケースが多く見られます。段階的に取得できる仕組みが、モチベーション維持につながっているようです。

サロンの技術指導・教育担当者

後輩スタッフへの指導役を担う立場の美容師が、指導内容に説得力を持たせるためトリプルスター以上の取得を目指すことがあります。協会のセミナーで学んだ理論をそのまま店内研修に活かせる点も利点です。

フリーランス・独立志向の美容師

独立や業務委託での活動を視野に入れる美容師にとって、客観的な技術認定は集客時の信頼材料になります。特にカラー専門を打ち出す場合、上位スターの取得歴が強みとして語られやすい傾向があります。

豆知識:身だしなみ規定を変えた「レベルスケール」

「明るさ4〜15」という数字がビジネスマナーの基準になった

JHCAレベルスケールは、もともと美容師がカラー剤を選ぶための技術的な物差しとして開発されたものでした。ところが企業側から「就業規則にどこまでのヘアカラーを認めるか」を数値で示したいというニーズが寄せられ、次第にビジネスシーンの身だしなみ基準として転用されるようになったといわれています。銀行はレベル6まで、病院はレベル6〜8まで、接客業はレベル7〜8までといった具合に、業種によって許容範囲の目安が異なる点も興味深いところです。美容技術の指標が、思わぬ形で企業の就業規則にまで影響を与えている例といえます。

「1・2級」ではなく「星」で表す理由

多くの技能検定が「1級」「2級」という序列的な呼び方を採用するのに対し、JHCAはあえて「シングルスター」から「ファイブスター」という星の数で段階を表しています。数字の級だと「まだ2級か」とネガティブに受け取られやすい一方、星の数は積み上げるほど輝きが増すポジティブな印象を与えやすいという工夫が込められているとされています。

まとめ ― カラー技術を「星の数」で証明する検定

こんな方にとくにおすすめ

  • 美容師・理容師として、カラー技術を専門分野として磨きたい方
  • サロン内でカラー担当としての実力を客観的に示したい方
  • 将来的に独立やフリーランス活動を視野に入れている美容師の方

取得に向けた第一歩

まずは国家資格である美容師免許・理容師免許の取得が前提となります。免許取得後は、JHCAが開催するセミナーに参加しながらシングルスターから順番に挑戦していくのが基本ルートです。所属サロンがJHCAの協会加盟店であれば受験料が割安になるため、勤務先の加盟状況を確認しておくとよいでしょう。

公式サイト:JHCAヘアカラリスト検定(NPO法人日本ヘアカラー協会)