認定看護師(在宅ケア)について

筆記試験実務経験・学歴が必要
民間資格

認定看護師(在宅ケア)とは?

概要・難易度・取得後の活かし方を解説

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在宅ケア認定看護師の概要

「在宅ケア認定看護師(Home Care CN)」は、公益社団法人日本看護協会が認定する認定看護師(CN)制度B課程19分野のひとつです。旧称「訪問看護認定看護師(A課程)」が2019年の制度改正によりB課程「在宅ケア認定看護師」として再編・改称されました。在宅で生活する医療依存度の高い患者・家族を対象に、高度な在宅看護の専門的実践を行います。

旧「訪問看護認定看護師」(A課程)との違い:旧A課程の「訪問看護認定看護師」は2019年の制度改正でB課程「在宅ケア認定看護師」に統合・改称されました。A課程認定者は2029年度末まで有効で、更新審査でB課程相当への移行が可能です。名称が「訪問看護」から「在宅ケア」に変わったことで、訪問看護師だけでなく在宅ケアに関わる幅広い看護職がターゲットになっています。

受験要件

B課程の受験には以下の要件が必要です。①日本国の看護師免許を保有していること。②通算5年以上の実務経験があること(うち3年以上は在宅ケア分野)。③医療依存度の高い患者の在宅ケアを5例以上担当した実績があること。④日本看護協会が認定する認定看護師教育課程B課程(特定行為研修を含む)を修了していること。特に③の「5例以上の担当実績」は在宅ケア分野特有の要件で、実際に高度な在宅患者を担当した経験が求められます。

認定後の更新制度

認定後は5年ごとに更新審査があります。B課程ではA課程と異なり、特定行為に関する実績も更新審査の対象となります。在宅ケアの現場での継続的な実践・学習・指導活動を通じてポイントを積み、更新審査に臨みます。A課程認定者は2023年12月時点677名、B課程認定者は同82名となっています(2023年12月時点)。

医療依存度の高い在宅患者とは、人工呼吸器・経管栄養・中心静脈栄養(IVH)・在宅酸素療法(HOT)・インスリン自己注射・透析など、医療的な管理が必要な状態で自宅で療養している患者のこと。こうした患者を在宅で支えるには、高度な医療技術と在宅生活への対応力の両方が求められます。

難易度

★★★★☆ かなり難しい。5年以上の実務+高依存度患者5例以上+教育課程修了が必須

認定看護師(認知症看護)と同様の難易度で、実務経験5年(うち在宅ケア3年)に加えて、特に「医療依存度の高い患者5例以上の担当実績」という具体的な経験要件があります。訪問看護・在宅ケアの実務に深く携わってきた看護師が目指す資格であり、教育課程での学習も専門性が高く、簡単には取得できない水準です。

合格率の目安:非公表(審査制)。B課程認定者82名(2023年12月時点)という希少な認定者数が難易度を示している。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

訪問看護ステーションのリーダー・管理者

訪問看護ステーションで在宅ケア認定看護師が管理者・リーダーとして機能することで、難難度の高い在宅ケアケースへの対応力が飛躍的に高まります。人工呼吸器管理・在宅酸素・経管栄養・中心静脈栄養などの高度な医療的処置に対応できるとともに、スタッフへの技術的な指導・相談を担います。

在宅ケアチームの多職種連携の調整役

在宅ケアには医師・薬剤師・ケアマネジャー・理学療法士・作業療法士・ソーシャルワーカーなど多数の専門職が関わります。在宅ケア認定看護師は看護の専門家として、このチームの中で「患者の全身状態・医療ニーズ・在宅生活の実際」を把握した上で多職種の調整を行うハブ的な役割を担います。

在宅での看取り支援の専門家

「人生の最期を自宅で迎えたい」という高齢者の希望が増える中、在宅での看取り支援のニーズが高まっています。在宅ケア認定看護師は終末期の疼痛管理・症状コントロール・家族への精神的サポート・本人の意思決定支援(ACP)・死後のグリーフケアまで、一連のプロセスを専門的に支えます。

誕生の背景・歴史

1994年:老人保健法改正と訪問看護ステーションの制度化

1994年の老人保健法・健康保険法改正により、訪問看護ステーションが独立した事業体として制度化されました。それ以前は病院からの派遣が中心でしたが、この改正によって地域密着型の訪問看護が普及し、在宅ケアを担う専門看護師のニーズが生まれました。

2006年:診療報酬改定と「在宅強化」の流れ

2006年以降の診療報酬改定では「病院完結型から地域完結型」への転換が進められ、「できるだけ在宅で」という政策の方向性が明確になりました。在宅ケアに関わる高度な専門看護師の育成がますます重要視される中、訪問看護認定看護師の認定者数が増加してきました。

2019年:B課程「在宅ケア認定看護師」への制度改正

2019年の認定看護師制度改正(B課程制度化)で、旧「訪問看護認定看護師」はより幅広い在宅ケアに対応できる「在宅ケア認定看護師」として再編されました。特定行為研修が組み込まれたことで、医師の指示のもとで高度な医療的処置を担える実践力が加わり、在宅での医療提供能力がさらに強化されました。

どんな人が、どんな目的で目指しているのか

訪問看護師として高度ケースへの対応力を高めたい方

訪問看護ステーションで「人工呼吸器・中心静脈栄養・終末期の在宅看取り」など難易度の高いケースに関わってきた訪問看護師が、「自分の専門性を体系化し、スタッフや地域の医療者の相談に応えられる存在になりたい」という動機で目指します。

在宅ケアの普及・質向上に貢献したい教育担当者

訪問看護ステーションの管理者・看護部の教育担当者が「地域全体の在宅ケアの質を高めるためのリーダーが必要」という組織的判断から資格取得を目指すケースもあります。地域の在宅ケアネットワーク構築・多職種研修の企画運営において認定看護師の資格が大きな信頼の源泉となります。

豆知識:在宅ケアの最前線

「2025年問題」と在宅ケアの爆発的なニーズ

2025年には団塊の世代(約800万人)が全員75歳以上になり、医療・介護のニーズが急増することが見込まれています(「2025年問題」)。病院のベッド数を無限に増やすことはできないため、「在宅・施設でのケアを充実させる」という方針のもと、在宅ケアの専門人材への需要は今後さらに高まり続けます。在宅ケア認定看護師はその最前線を担う存在です。

在宅での「緊急事態」への対応力

在宅ケアの現場では、病院のような即座の医師対応・検査・処置ができません。患者が突然の発熱・呼吸困難・意識障害などを呈したとき、その場で状態を迅速にアセスメントし「このまま在宅で対応できるか・救急搬送が必要か」を判断するのは看護師です。在宅ケア認定看護師はこの高度な判断力と技術力を持つ専門家として、緊急事態においてもチームの要として機能します。

在宅酸素療法(HOT:Home Oxygen Therapy)とは、慢性呼吸不全の患者が自宅で酸素を吸入しながら生活する療法のこと。小型の酸素濃縮器や携帯用酸素ボンベを使い、外出も可能です。在宅ケア認定看護師は酸素流量の調整・機器の管理・患者・家族への指導・緊急時対応など、高度なHOT管理を担います。

家族が「介護者」である在宅ケアの特殊性

在宅ケアの最大の特殊性は「家族が主たる介護者」であることです。病院では看護師・医師がケアを担いますが、在宅では家族が胃管交換・人工呼吸器管理・褥瘡処置などの高度なケアを日常的に行う場合もあります。在宅ケア認定看護師は家族が安心して介護を継続できるよう、技術の習得支援・精神的サポート・社会資源の活用提案を通じて「介護する家族」も支えます。

まとめ ― 地域在宅ケアの専門家として患者・家族を支える

こんな方にとくにおすすめ

  • 訪問看護師として医療依存度の高い患者の在宅ケアに5年以上携わってきた方
  • 在宅での看取り・終末期ケア・家族支援で専門性を発揮したい方
  • 多職種連携の調整役・訪問看護ステーションのリーダーを目指す方
  • 地域在宅ケアネットワーク全体の質向上をリードしたい管理職・教育担当者

取得に向けた第一歩

日本看護協会の公式サイトで認定看護師(在宅ケア)の認定要件・B課程教育課程の認定校一覧・認定審査スケジュールを確認しましょう。実務5年(うち在宅ケア3年)+医療依存度の高い患者5例以上担当という経験要件を自分のキャリアと照らし合わせて確認します。B課程教育課程を提供している教育機関への出願準備・所属施設の支援制度の確認・現役の在宅ケア認定看護師へのヒアリングなどを通じてリアルな情報を集めて進路を検討しましょう。旧「訪問看護認定看護師(A課程)」との違い・認定者数・将来性についても公式サイトの最新情報を必ず確認してください。

公式サイト:日本看護協会 認定看護師制度(在宅ケア)