産後ケアリストについて

在宅受験可筆記試験誰でも受験可
民間資格

産後ケアリストとは?

概要・難易度・取得後の活かし方を解説

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産後ケアリストの概要

「産後ケアリスト」は、一般社団法人日本産後ケア協会が認定する民間資格です。産後の母親の心身のケアを専門に行うサポート専門家を養成する資格で、2級・1級の2段階制になっています。在宅受験(通信学習)で取得できるため、育児中や仕事をしながらでも学びやすい設計になっています。

産後ケアとは、出産後に起こりやすい身体的・精神的なダメージや育児不安に対して、専門的な知識と支援を提供すること。産後うつ・ホルモンバランスの乱れ・睡眠不足・授乳トラブルなど、母親が抱える複合的な問題を一人の専門家が包括的にサポートするアプローチです。

2級と1級の違い

2級は産後ケアの基礎知識を学ぶ入門コースで、受験資格に制限はありません。1級は2級合格が受験の前提条件となっており、産後ケアの専門家として自立して活動するための実践的なスキル・コミュニケーション技術・ビジネス知識まで習得します。1級合格後に「産後ケアリスト1級認定カウンセラー」として独立・開業することも可能です。

学習方法と試験形式

学習はすべてオンライン・在宅で完結します。日本産後ケア協会の公式テキストを使い、動画講座・テキスト学習を進めてから在宅で試験を受ける方式です。試験は筆記試験(択一・記述)で、2級は全20時間程度・1級は全40時間程度の学習が目安とされています。受講料は2級4万円前後・1級9〜10万円前後(税込)で、資格認定登録料が別途発生します。合格率は公式非公表です。

産後うつとは、出産後10日〜数週間以内に発症することが多いうつ状態のこと。気分の落ち込み・涙もろさ・強い不安・育児への恐怖感などが2週間以上続く場合は専門家への受診が必要です。産後の母親の約10〜15%が経験するとされており、社会全体でのサポート体制が求められています。

難易度・学習時間の目安

★★★☆☆ 中程度。在宅学習で完結するが、1級は実践的なケアスキルまで問われる

2級は基礎知識が中心で、医療・育児の経験がない方でも取り組みやすいレベルです。1級は産後の母親への実際のカウンセリング・コミュニケーションスキルや、開業を見据えたビジネス知識も含まれるため、難易度が上がります。在宅受験なので時間の融通は利きますが、本質的な学習の深さは1級で一気に増します。合格率は非公表のため、参考値として「真剣に取り組めば合格できる水準」との口コミが多い状況です。

合格率の目安:公式非公表。在宅受験で学習テキスト参照が可能なため、真剣に取り組めば合格しやすい構成とされている。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

産後ケアリストとして独立・開業

1級認定カウンセラーは、自宅やオンラインで産後ケアセッションを提供する個人事業主として活動できます。母親の話を傾聴し、睡眠・授乳・育児不安・パートナー関係など多面的なサポートを行います。日本産後ケア協会のネットワークを通じた紹介や、マッチングサービスへの登録による案件獲得も可能です。

助産師・看護師・保健師との協働

すでに助産師・看護師・保健師として活動している医療職が、産後ケアの専門資格として取得するケースも多いです。医療職としての知識に「心理的サポートの枠組み」を加えることで、外来や訪問時の産後ケアの質が向上します。産院や助産院での産後ケア事業に携わる際、担当スタッフとしての信頼感向上にもつながります。

産後ケアの事業所・施設スタッフ

産後ケアセンター・産後ドゥーラ事業所・子育て支援施設・NPOなどで産後支援を担当するスタッフが、知識とスキルを体系化するために取得します。2024年以降、産後ケア事業が市町村の努力義務として法整備されたことで、関連施設の拡充とともに専門人材への需要も高まっています。

誕生の背景・歴史

「産後クライシス」という言葉の普及と産後ケアの社会的認知

2012年にNHKが「産後クライシス」という言葉を特集したことで、産後に夫婦関係が急激に悪化する現象が社会的に広く認知されるようになりました。それまで「育児は当然大変なもの」として見過ごされがちだった産後の母親の苦しさが、メンタルヘルスの問題として正面から語られるきっかけとなりました。

2013年:日本産後ケア協会の設立と産後ケアリストの誕生

こうした社会背景を受けて、2013年に一般社団法人日本産後ケア協会が設立され、「産後ケアリスト」の資格認定制度がスタートしました。産後の母親に特化した専門的なサポートを行う人材の養成を目的として、体系化されたカリキュラムと在宅受験方式を採用。2025年末時点で全国に2,700名以上の資格保有者(1級認定カウンセラー)が誕生しています。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

自身が産後に苦しんだ経験を持つ母親たち

「産後にひどく孤独だった」「育児が辛くて誰にも相談できなかった」という自身の経験をきっかけに「同じ思いをしている人を助けたい」と資格取得を目指すケースが非常に多いです。経験者だからこそ持てる共感力が、産後ケアリストとしての大きな強みになります。

医療・福祉・保育の専門職

助産師・保健師・看護師・保育士など、すでに子育て支援に関わる専門職が「産後の心理的サポートをより体系的に学びたい」という目的で取得します。本資格のカリキュラムには心理的なアプローチが充実しており、医療・保育の知識と組み合わせることで支援の幅が広がります。

育児支援・地域貢献に関心のある一般の方

育児支援に関心のある一般の方や、地域ボランティアとして子育て支援に携わりたい方が「最初の専門資格」として取得するケースもあります。資格の学習を通じて産後の母親が置かれている状況への理解が深まり、周囲の産後ママへのサポートの質が変わると評価されています。

豆知識:産後ケアを取り巻く制度と社会の変化

2024年の法改正:市区町村に産後ケア事業が義務化

2024年の児童福祉法改正により、産後ケア事業は市区町村の「努力義務」から「実施義務」へと格上げされました。これにより全国の自治体が産後ケアサービスを拡充する動きが加速しており、施設型・訪問型・宿泊型など多様な形態の産後ケア事業が増えています。産後ケアの専門家を求める公的施設も今後急増することが見込まれます。

「産後ドゥーラ」との違い

産後ケアリストと似た資格に「産後ドゥーラ」(公益財団法人ドゥーラ協会認定)があります。産後ドゥーラが「家事・育児の実務支援」を中心とするのに対し、産後ケアリストは「心理的サポート・カウンセリング的アプローチ」に比重が置かれています。どちらも産後の母親を支援する専門家ですが、アプローチの角度が異なるため、両方を取得する専門職もいます。

「孤独な育児」から「社会でつながる育児」へ

かつて三世代同居が主流だった時代には、産後の母親は家族の中で自然なサポートを受けられていました。しかし核家族化・都市化が進む現代では、産後に家族・友人から孤立した状態で育児をする「ワンオペ育児」が当たり前になっています。産後ケアリストはこの「孤独な育児」に対して、社会でつながるサポートの接点を担う新しい専門職といえます。

まとめ ― 産後の母親の伴走者として

こんな方にとくにおすすめ

  • 産後の苦しさを経験し、同じ思いをしている母親をサポートしたい方
  • 助産師・保健師・看護師・保育士として産後ケアの専門的スキルを深めたい方
  • 産後ケア事業所・施設でのキャリアを考えている方
  • 地域の子育て支援・ボランティア活動に専門的な資格を加えたい方

取得に向けた第一歩

まず日本産後ケア協会の公式サイトで2級の講座・料金・試験日程を確認しましょう。在宅学習・在宅受験のため、育児や仕事と並行して進められます。2級取得後に実践を積みながら1級へステップアップするキャリアパスが一般的です。1級取得後は協会のネットワークや地域の産後ケア施設との連携を活用して、活動の場を広げることができます。助産師・保育士などの資格と組み合わせると、支援の幅が大きく広がります。

公式サイト:産後ケアリスト 公式サイト(一般社団法人日本産後ケア協会)