Microsoft Certified: DevOps Engineer Expert(AZ-400)について

CBT・オンライン試験実技試験あり実務経験・学歴が必要
民間資格

Microsoft Certified: DevOps Engineer Expert(AZ-400)とは?

概要・難易度・二段階認定という独自の受験構造を解説

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Microsoft Certified: DevOps Engineer Expert(AZ-400)の概要

Microsoft Certified: DevOps Engineer Expertは、Microsoft社が認定するExpertレベルの資格で、試験コード「AZ-400」に合格することで取得できます。Azure環境を舞台に、ソース管理・CI/CD・監視・セキュリティといった開発と運用の橋渡しとなる実践力を証明する資格です。

DevOpsとは、開発(Development)と運用(Operations)を組み合わせた言葉で、両者が連携しながら継続的にソフトウェアを改善していく文化・手法のことです。

試験の出題範囲と形式

AZ-400では、出題数40〜60問程度、試験時間は約120〜150分です。単純な知識問題だけでなく、実際の業務シナリオを想定したケーススタディ形式や、実際に操作して課題を解決するパフォーマンスベースのラボ課題が含まれるのが特徴です。テストセンターでの受験のほか、自宅などからのオンライン監督試験にも対応しています。

ケーススタディ形式とは、架空の企業やプロジェクトの状況説明を読んだうえで、その状況に最適な設計・対応を選ぶ出題形式のことです。単なる暗記では対応しづらく、状況を読み解く力が問われます。

受験資格・対象者【前提資格が必須の二段階認定】

AZ-400には他のMicrosoft資格にはない大きな特徴があります。それは、AZ-400を単独で受験することができず、事前に「Azure Administrator Associate(AZ-104)」または「Azure Developer Associate(AZ-204)」のいずれかの認定を取得している必要があるという点です。つまりAZ-400は、土台となるAssociateレベルの認定の上に積み上げる「二段階認定」構造になっています。

この設計により、インフラ運用寄りのキャリアを歩んできた人はAZ-104を経由し、アプリケーション開発寄りのキャリアを歩んできた人はAZ-204を経由するというように、それぞれの得意分野を土台にしながら同じDevOpsエンジニアというゴールにたどり着けるようになっています。受験料もAZ-400単体の165米ドルに加えて、前提資格の受験料が別途必要になる点は事前に把握しておきたいポイントです。

Associateレベルとは、Microsoft認定資格における中級区分のことです。AZ-400のようなExpertレベルは、その上に位置づけられる上級区分にあたります。

Microsoft資格の中での立ち位置

AZ-400は、Microsoftの数ある認定資格の中でも「DevOpsエンジニア」という職種名をそのまま冠した唯一のExpertレベル資格です。クラウドの知識だけでなく、組織横断的な開発プロセス全体を設計・改善できる人材であることを示す資格として位置づけられています。

難易度・学習時間の目安

★★★★☆ 前提資格の取得も含めると学習範囲が広く、実務経験がものを言う難関資格

AZ-400単体で見ても出題範囲は広く、ソース管理戦略・CI/CDパイプライン設計・セキュリティとコンプライアンス・監視とフィードバックのループ構築など、テーマが多岐にわたります。加えて前提資格(AZ-104またはAZ-204)の学習時間も加算されるため、実質的な総学習時間は300時間を超えるケースも珍しくないとされています。

すでにAzureの実務経験がある人であれば、AZ-400単体の学習は100〜150時間程度が目安になりますが、前提資格からゼロで始める場合はその倍以上を見込んでおくと安心です。Microsoft Learnの公式学習パスに沿って、Azure DevOpsやGitHub Actionsを実際に手を動かしながら学ぶ方法が推奨されています。

CI/CDとは、継続的インテグレーション(Continuous Integration)と継続的デリバリー/デプロイ(Continuous Delivery/Deployment)の略で、コードの変更を自動的にテスト・統合・配布する仕組みのことです。

合格率の目安:公式な合格率は非公開ですが、業界の体感値としては50〜60%程度とされています。前提資格をクリアした受験者でも一定数がケーススタディやラボ課題でつまずく傾向があるようです。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

DevOpsエンジニア

最も直接的に活かせるのがDevOpsエンジニアという職種です。開発チームと運用チームの間に立ち、コードのビルドからテスト、リリース、監視までの一連の流れを自動化・効率化する役割を担います。AZ-400はこの職種名そのものが試験に冠されているだけあって、採用時のアピール材料としてもわかりやすい資格です。

クラウドインフラエンジニア・SRE

AZ-104を土台に取得した人は、インフラの構築・運用にDevOpsの考え方を組み込む形で活躍しやすくなります。システムの信頼性を継続的に高めていくSRE(サイト信頼性エンジニアリング)の実務にも直結する知識が身につきます。

SREとは、Site Reliability Engineeringの略で、システムの安定稼働をソフトウェア工学的な手法で実現する考え方・職種のことです。

アプリケーション開発エンジニア

AZ-204を土台に取得した人は、自分が書いたコードを本番環境まで安全かつ速やかに届けるパイプラインを設計できるようになります。開発者でありながらリリースプロセス全体を見渡せる人材として、チーム内での役割が広がりやすくなります。

誕生の背景・歴史

2019年:DevOps文化の広がりとともに誕生

AZ-400は、ソフトウェア業界全体でDevOpsという働き方・考え方が急速に広まった時期に登場しました。従来のMicrosoft資格が「特定の技術やサービスの操作方法」を問う内容が中心だったのに対し、AZ-400は最初から「組織やチームがどう協働してソフトウェアを届けるか」というプロセス・文化面を強く意識した設計で作られています。

2020年代以降:二段階認定という設計思想の定着

Microsoftは資格体系全体を「基礎(Fundamentals)」「中級(Associate)」「上級(Expert)」の階層構造に整理していく中で、AZ-400をAssociateレベルの上に積み上げる形で位置づけました。これにより、インフラ出身者と開発者出身者という異なるバックグラウンドの人材が、それぞれの土台を活かしながら同じDevOpsエンジニアという専門性にたどり着けるユニークな仕組みが確立されました。

Fundamentalsとは、Microsoft認定資格における入門区分のことです。AZ-900(Azure Fundamentals)などが該当し、前提知識なしで受験できます。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

インフラエンジニアからのステップアップ志望者

AZ-104を取得済みのインフラエンジニアが、サーバーやネットワークの運用管理だけでなく、開発プロセスの自動化にも関与できる人材へとステップアップするために取得するケースが多く見られます。運用の知見を活かしつつ、より上流の設計判断に関われるようになりたいという動機です。

開発者からDevOps領域への越境志望者

AZ-204を取得済みの開発者が、自分の書いたコードがどう本番環境に届くのかまで責任を持ちたいという思いから挑戦するケースです。開発だけでなく、リリースやインフラの領域にも越境していきたいエンジニアに向いています。

チームのDevOps導入をリードしたいマネージャー層

プレイングマネージャーやテックリードのポジションにいる人が、チーム全体にDevOpsの文化・プロセスを導入する際の設計指針を得るために取得することもあります。ツールの使い方だけでなく、組織としてどう変わっていくべきかという視点が学べる点が評価されているようです。

豆知識:AZ-400ならではのユニークな特徴

「二択の入り口」を持つ珍しい資格設計

AZ-400の最大の特徴は、前提資格としてAZ-104とAZ-204という「異なる専門性」の資格をどちらでも選べる点です。一般的な階層型資格は1本道の前提条件になっていることが多いのですが、AZ-400はインフラ寄りか開発寄りかという2つの入り口を用意し、どちらの道を歩んできたエンジニアも受け入れる設計になっています。これは、DevOpsという概念そのものが「開発と運用、どちらの視点からでもたどり着ける文化」であることを、資格制度そのもので体現していると言えそうです。

AWSの同種資格との違い

競合クラウドベンダーであるAmazon Web Servicesにも「AWS Certified DevOps Engineer – Professional」という似た名前の資格がありますが、両者の重点の置き方には違いがあるとされています。AWS版がAWSの各種サービスをどう実装するかという技術知識に比重を置く傾向があるのに対し、AZ-400はAzure DevOpsやGitHub Actionsといったツールを軸にしながらも、「人・プロセス・技術」の三位一体という文化的な側面をより強く問う設計になっている点が特徴的です。

GitHub Actionsとは、GitHub上でソフトウェアのビルド・テスト・デプロイを自動化できる仕組みのことです。Microsoft傘下のGitHubが提供しており、AZ-400の出題範囲にも含まれます。

「更新試験」という仕組み

AZ-400を含むMicrosoft認定資格は取得後1年間有効で、期限切れ前に再受験しなくても、期限の6か月前から受けられる無料のオンライン更新アセスメントに合格することで資格を維持できます。技術の移り変わりが速いクラウド分野において、知識を定期的にアップデートさせる仕組みとして機能しています。

まとめ ― 開発と運用の橋渡し役であることを証明する資格

こんな方にとくにおすすめ

  • すでにAZ-104またはAZ-204を取得していて、次のステップに進みたい方
  • 開発チームと運用チームの間で調整役・橋渡し役を担いたい方
  • CI/CDパイプラインの設計・自動化に興味がある方
  • Azure DevOpsやGitHub Actionsを本格的に使いこなしたい方
  • ツールの操作方法だけでなく、組織の開発文化を改善する視点を身につけたい方

取得に向けた第一歩

まだAZ-104もAZ-204も持っていない場合は、まず自分のバックグラウンドに近いほうを選ぶところから始めましょう。インフラ運用の経験があるならAZ-104、アプリケーション開発の経験があるならAZ-204が近道になります。前提資格を取得したら、Microsoft Learnの公式学習パスでソース管理・CI/CD・監視といったAZ-400特有のテーマを重点的に学び、実際にAzure DevOpsやGitHub Actionsを手を動かして試す時間を確保することが合格への近道です。

公式サイト:Microsoft Certified: DevOps Engineer Expert(Microsoft Learn公式)