大型自動車第一種・第二種運転免許について

実技試験あり筆記試験実務経験・学歴が必要
国家資格

大型自動車第一種・第二種運転免許とは?

概要・受験資格・一種と二種の違い・大型車の国家免許を徹底解説

スポンサーリンク

大型自動車運転免許の概要

大型自動車運転免許(大型免許)は、大型トラックやダンプ、バスなどの大型自動車を運転するための国家資格です。道路交通法に基づく運転免許で、各都道府県の公安委員会が交付します。貨物輸送など旅客を乗せない運転までを対象とする「第一種」と、バスなどでお客さんを乗せて運賃をとる営業運転に必要な「第二種」があります。物流・運輸からバス事業まで、社会の移動と輸送を支える重要な免許です。

第一種と第二種:自分で運転するための免許が第一種、お客さんを乗せて運賃をもらう営業運転(バス・タクシー等)のための免許が第二種です。大型バスの運転士になるには大型第二種が必要です。

運転できる車の範囲

大型免許で運転できるのは、車両総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上、または乗車定員30人以上の大型自動車です。運転免許は「普通・準中型・中型・大型」の4区分に分かれており、大型はそのもっとも上位。上位免許なので、中型・準中型・普通の範囲の車も運転できます。大型のトラックも大型バスの車体も、この範囲に含まれます。

第一種と第二種の違い

第一種は、大型トラックやダンプなど、貨物輸送やバスの回送といった「旅客を乗せない運転」が対象です。一方の第二種は、路線バス・観光バスなどでお客さんを乗せ、運賃をとって走る「営業運転」に必要です。第二種は安全運転やお客さんを守る責任がより重いため、受験資格や技能試験の合格基準が第一種より厳しく設定されています。バス運転士を目指すなら第二種、トラックドライバーなら第一種が基本です。

基本情報の早見表

所管警察庁・各都道府県公安委員会(道路交通法に基づく運転免許)
運転できる車車両総重量11トン以上/最大積載量6.5トン以上/乗車定員30人以上の大型自動車(下位区分も運転可)
第一種大型トラック・ダンプ等、旅客を乗せない運転。バスの回送も可
第二種バス等でお客さんを乗せて運賃をとる営業運転に必要
受験資格原則満21歳以上かつ普通免許等の保有が通算3年以上(受験資格特例教習の修了で19歳以上・経験1年以上に緩和)
取得ルート①指定自動車教習所を卒業(技能試験免除)/②運転免許試験場で技能試験を直接受験(一発試験)
試験内容適性試験(視力・深視力等)+技能試験。第二種は旅客運送の学科試験あり(第一種は普通免許等保有者は学科なし)
合格基準(技能)減点方式で第一種は70点以上、第二種は80点以上。適性は視力両眼0.8以上かつ深視力の誤差2cm以下 等
合格率一発試験単独の公式合格率は非公表

試験内容を詳しく

大型免許では、適性試験と技能試験が中心です。第二種ではこれに学科試験が加わります。

適性試験:深視力がポイント

適性試験では、視力・色彩識別・聴力などが確認されます。大型免許で特に重要なのが「深視力」です。これは遠近感や立体感をとらえる力を測るもので、三桿法という方法で2.5mの距離から検査し、平均誤差2cm以下が合格基準です。視力は両眼0.8以上、かつ片眼それぞれ0.5以上が必要。普通免許にはない深視力の検査で、つまずく人も少なくありません。

技能試験:一種70点・二種80点

技能試験は、大型車を安全に運転できるかを見るもので、100点満点からの減点方式です。合格ラインは第一種が70点以上、お客さんを乗せる第二種は80点以上と、より高く設定されています。指定自動車教習所では、第一種で技能教習36時間以上、第二種で40時間以上の教習を受けてから卒業し、試験場では技能試験が免除されます。一発試験では試験場で技能試験を直接受験します。

第二種は学科試験もある

第一種は、すでに普通免許等を持っているため、新たな学科試験は原則ありません。一方、第二種では、旅客を安全に運ぶための知識を問う学科試験が課されます。お客さんの命を預かる営業運転だからこそ、運転技術だけでなく、応急救護や旅客輸送のルールに関する知識も求められるのです。

難易度・学習時間の目安

★★★☆☆ 教習所ルートなら着実。第二種や一発試験は難度が上がり、深視力でつまずく人も。

難易度は、種類と取得ルートで変わります。第一種を指定教習所で取るなら、段階を踏んで着実に合格を目指せます。第二種は合格基準が80点と高く、学科も加わるため難度が上がります。試験場での一発試験は、大型車の運転に慣れていないと難しく、複数回の挑戦になることも。また、ルートや種類を問わず、適性試験の「深視力」で不合格になる人が一定数いる点にも注意が必要です。

合格の目安:一発試験単独の合格率は公表されていません。技能試験は第一種70点・第二種80点以上が合格ライン。指定教習所を卒業すれば技能試験は免除されます。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

大型トラックドライバー(第一種)

長距離輸送や大量輸送を担う大型トラックの運転手として活躍できます。物流業界はドライバー不足が続いており、大型免許を持つ人材の需要は高い状態です。ダンプ、ミキサー車、タンクローリーなど専門車両の運転にも活き、安定した仕事につながります。

バス運転士(第二種)

路線バスや観光バスの運転士になるには、大型第二種が必要です。地域の足を支える公共交通の担い手として、社会に欠かせない仕事です。バス会社では、第二種免許の取得を支援する制度を設けているところもあり、未経験からバス運転士を目指す道も開かれています。

他資格と組み合わせて活躍の幅を広げる

けん引免許や危険物取扱者などと組み合わせれば、トレーラーや危険物輸送など、対応できる仕事の幅が大きく広がります。大型免許は、運送・運輸の分野でキャリアを築くうえでの土台となる免許です。

他の免許との違い・位置づけ

中型・準中型免許との違い

運転免許は、車両総重量などによって普通・準中型・中型・大型に区分されています。準中型は3.5トン以上7.5トン未満、中型は7.5トン以上11トン未満、そして大型が11トン以上です。大型はもっとも大きな車まで運転できる上位免許で、下位区分の車もすべて運転できます。扱える車の大きさが、区分による一番の違いです。

第一種と第二種、どちらを取るか

トラックドライバーなど、貨物を運ぶ仕事なら第一種で十分です。バス運転士など、お客さんを乗せて運賃をとる仕事を目指すなら第二種が必要になります。第二種は第一種より要件が厳しいぶん、取得すれば活躍の幅が広がります。まず第一種を取り、必要に応じて第二種へステップアップする人もいます。自分の目指す仕事に合わせて選びましょう。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

物流業界で働きたい人

運送会社で大型トラックドライバーを目指す人が第一種を取得します。ドライバー不足を背景に需要が高く、未経験から物流業界に入る入り口としても人気です。

バス運転士を目指す人

路線バス・観光バスの運転士を目指す人が第二種を取得します。バス会社の養成制度を利用して、働きながら第二種を取るケースも増えています。

若いうちに取得したい人

2022年からは受験資格特例教習を修了すれば、19歳・経験1年以上でも受験できるようになりました。若いうちから大型免許を取得し、早くプロドライバーとしてのキャリアをスタートする人も増えています。

豆知識:受験資格の緩和と注意点

19歳から取れるようになった

従来、大型免許は原則21歳以上・経験3年以上が必要でした。2022年5月から、所定の「受験資格特例教習」を修了すれば、19歳以上・普通免許等の経験1年以上で受験できるようになりました。ドライバーの若手育成を後押しする制度です。ただし、緩和して取得した人には「若年運転者期間」が設けられ、一定の違反をすると講習の対象になる点は知っておきましょう。

深視力で差がつく

大型免許の適性試験では、普通免許にはない「深視力」が課されます。これは遠近感をとらえる力で、苦手な人は何度か検査でつまずくことがあります。心配な人は、事前に眼科や教習所で深視力を確認しておくと安心です。日頃から遠くと近くを交互に見る習慣をつけるなど、対策できる余地もあります。

まとめ ― 輸送と移動を支える大型車の国家免許

こんな方にとくにおすすめ

  • 運送会社で大型トラックドライバーを目指す方(第一種)
  • 路線バス・観光バスの運転士を目指す方(第二種)
  • 大型ダンプ・ミキサー車など専門車両を運転したい方
  • 若いうちにプロドライバーとしてのキャリアを始めたい方

取得に向けた第一歩

まずは、自分が受験資格(年齢・保有免許の経歴)を満たしているか、そして第一種・第二種のどちらが必要かを確認しましょう。多くの人にとっては、指定自動車教習所に通うのが着実で安心なルートです。最新の手続きや手数料は、お住まいの都道府県警察の公式情報で確認してください。

公式サイト:運転免許 受験資格(警視庁)