PMS(P2M資格)とは?
概要・受験料・難易度・国産のPM資格を徹底解説
PMS(P2M資格)の概要
PMS(プロジェクトマネジメント・スペシャリスト)は、日本発のプロジェクトマネジメント手法「P2M」に基づく資格です。特定非営利活動法人 日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)が認定します。P2Mは、個々のプロジェクトの管理に加え、複数のプロジェクトをまとめて統括する「プログラムマネジメント」や、事業戦略・経営の視点までを含んだ、幅広い体系が特徴です。PMSは、そのP2Mの全般的な知識を身につけたことを証明する、中級レベルの資格です。
※ P2Mとは、「Project & Program Management」の略で、日本で体系化されたプロジェクト・プログラムマネジメントの手法です。世界標準のPMBOKに、複数事業を束ねる「プログラム」の考え方を加えた点が特徴です。
段階的な資格体系
P2Mの資格には、入門のPMC(コーディネータ)から、本記事のPMS(スペシャリスト)、さらに上位のPMR(プログラムマネジャー・レジスタード)まで、段階的な体系があります。PMSは、その中核に位置づけられる中級資格で、プロジェクトとプログラムの両方の知識を問われます。基礎から始めて、段階的にステップアップできる仕組みになっています。
誰でも受験できる
PMSは、学歴・年齢・実務経験などの受験資格が一切なく、誰でも受験できます。実務経験を求められるPMPと比べて挑戦しやすく、これからプロジェクトマネジメントを本格的に学びたい人にとって、国産の体系をしっかり学べる入口となります。日本の事業環境に即した内容を学べる点も、国内で働く人にとって実用的です。
基本情報の早見表
| 主催 | 特定非営利活動法人 日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ) |
|---|---|
| 受験資格 | 制限なし(学歴・年齢・実務経験を問わず誰でも受験可) |
| 試験形式 | CBT方式・100問・試験時間150分 |
| 出題範囲 | P2M標準ガイドブック全般(プログラムマネジメント/プロジェクトマネジメント/事業戦略/事業経営基盤 ほか) |
| 合格基準 | 正答率70%以上(CBT運営側の案内による) |
| 試験日程 | 年3回程度(おおむね6月・10月・2月の各実施期間にCBTで受験) |
| 受験料 | 39,270円(税込/事務手数料含む。会員・非会員の区別なし) |
| 難易度の目安 | 中級(受験資格はないが、出題範囲が広く相応の対策が必要) |
※ 試験の出題形式は、PMAJの案内では「四肢択一」、CBT運営側の案内では「多肢択一+穴埋め」と表記が分かれています。受験前に最新の公式実施要領を確認してください。
試験内容を詳しく
PMSの試験は、P2M標準ガイドブックの内容全般から出題されます。プロジェクト単体の管理だけでなく、それを束ねるプログラム、さらに事業戦略・経営の視点まで含むのが特徴です。公式に示されている出題比率の目安は次のとおりで、プロジェクトマネジメントと事業経営基盤の比重が大きくなっています。
プロジェクトマネジメント(約34%)
最も比重の大きい分野で、個々のプロジェクトを計画・実行・管理するための知識を扱います。スケジュール・コスト・品質・リスクなど、プロジェクトを成功に導くための基本的なマネジメントが問われます。PMの土台となる重要な領域です。
事業経営基盤(約30%)
プロジェクトやプログラムを支える、組織や経営の基盤に関する知識を扱います。会計・財務、組織、情報マネジメントなど、事業を運営するうえでの土台となる領域です。プロジェクトを「経営の一部」としてとらえるP2Mならではの特徴的な分野です。
プログラムマネジメント(約22%)
複数のプロジェクトをまとめて統括し、より大きな価値を生み出す「プログラムマネジメント」を扱います。個々のプロジェクトを超えて、事業全体の目的を達成するための統合的な視点が問われます。P2Mを特徴づける、中核的な領域です。
事業戦略・P2M概要(約14%)
事業戦略の立案や、P2M全体の考え方を扱う分野です。プロジェクトやプログラムが、企業の戦略とどう結びつくのかを理解します。技術的な管理手法だけでなく、戦略的な視点も問われるのが、PMSの幅広さを表しています。
難易度・合格率・学習時間の目安
PMSは受験資格こそありませんが、プロジェクト管理から事業戦略・経営基盤まで出題範囲が広く、相応の学習が必要な中級資格です。P2M標準ガイドブックを軸に、各分野をバランスよく学ぶことが求められます。標準的な学習時間に公式の定めはありませんが、一般には50〜150時間程度を目安とする声もあります。実務経験があると、理解が進みやすいでしょう。
取得後に活かせる仕事・関連する職種
プロジェクト・プログラムマネジャー
プロジェクトマネジャーや、複数プロジェクトを束ねるプログラムマネジャーとして、P2Mの知識を活かせます。とくに、個別プロジェクトだけでなく事業全体を見渡す視点は、規模の大きな取り組みを管理する際に強みになります。
PMO・SE・ITコンサル
プロジェクトを支援するPMOや、システムエンジニア、ITコンサルタントなど、IT分野の専門職でも役立ちます。プロジェクトの体系的な知識を持つことで、提案や進行管理の質が高まり、クライアントや社内からの信頼につながります。
多業種のPM実務・フリーランス
P2Mは特定の業種に限らず、製造・建設・サービスなど幅広い分野のプロジェクトに適用できます。資格は、就職・転職や、フリーランスのPMO人材としての案件獲得・単価交渉の場面でも、知識の証明として役立ちます。
他の資格との違い・位置づけ
PMPとの違い
PMPは米国PMIが認定し、世界標準のPMBOKに準拠した国際資格で、受験には実務経験や所定の研修が必要です。一方PMSは、日本発のP2M手法に基づく国産資格で、受験資格の制限がなく挑戦しやすいのが特徴です。P2Mは、PMBOKに「プログラムマネジメント」や事業戦略・経営の視点を加えた体系で、国内の事業環境に即して学べます。国際的な認知度はPMPが上ですが、PMSは国内志向で、基礎から段階的に学びたい人に向いています。
P2M体系のなかでの位置づけ
P2Mの資格体系では、入門のPMCの上、上位のPMRの下に位置するのがPMSです。まずPMCで基礎を学び、PMSでプロジェクト・プログラムの全般知識を固め、さらにPMRでプログラムマネジャーを目指す——という段階的なキャリアパスが描けます。PMSは、その中核となる目標です。
※ PMRは、P2M体系の最上位資格で、プログラムマネジャーとしての高度な能力を認定します。2日間のモジュール試験や面接を含み、PMSの先に位置づけられます。
誕生の背景・関連知識
日本発のPM体系として
P2Mは、日本の産業界の知見をもとに体系化された、独自のプロジェクト・プログラムマネジメント手法です。欧米発のPMBOKに、複数の事業を束ねて価値を生む「プログラム」の視点を加えた点に特色があります。PMS資格は2002年度に始まり、この国産体系を学び証明する手段として、国内で活用されてきました。
「価値創造」を重視する考え方
P2Mの根底には、プロジェクトを単に計画通りに進めるだけでなく、事業としての「価値」を生み出すことを重視する考え方があります。プログラムや事業戦略までを視野に入れるのは、このためです。PMSを学ぶことで、プロジェクトを経営の視点からとらえる力が養われます。
どんな人が、どんな目的で取得しているのか
IT・製造・建設などのPM実務者
プロジェクト管理に携わる実務者が、知識を体系化し、証明するために取得します。国産の体系を学べるため、国内企業での実務に即して活かしやすいのが選ばれる理由です。
プログラム管理を学びたい人
個別プロジェクトを超えて、複数を束ねるプログラム管理の視点を身につけたい人が取得します。事業全体を見渡す力は、より上位のマネジメントを目指すうえで欠かせません。
キャリアアップ・独立を目指す人
PM分野でのキャリアアップや、フリーランスPMOとしての独立を目指す人が、専門性の証明として取得します。受験資格がないため、目標を立てて計画的に挑戦できます。
豆知識:プロジェクトを「経営」で考える
「プログラム」という発想
P2Mのユニークさは、個々のプロジェクトを束ねる「プログラム」という発想にあります。たとえば、新製品開発・販路拡大・体制づくりといった複数のプロジェクトを、一つの大きな目的のもとに統合して管理する——その視点を学べるのがPMSの魅力です。一段高い立場から物事を見る力が養われます。
国内実務になじみやすい
PMSは日本発の体系のため、用語や考え方が国内の実務になじみやすいのも利点です。海外資格のように英語に悩まされることなく、日本語で体系的に学べます。まず国産の体系で土台を固め、必要に応じて国際資格へ広げる、という学び方もできます。
まとめ ― 国産PM体系を学ぶ中級資格
こんな方にとくにおすすめ
- プロジェクト管理に携わり、知識を体系化したい方
- プログラム管理や事業戦略の視点を身につけたい方
- 受験資格を気にせず、国産のPM体系を学びたい方
- PM分野でのキャリアアップ・独立を目指す方
取得に向けた第一歩
まずはPMAJの公式情報で、PMSの試験日程や受験方法、P2M標準ガイドブックを確認しましょう。受験資格はないので、誰でもすぐに挑戦できます。出題範囲が広いため、ガイドブックを軸に、プロジェクト・プログラム・事業戦略・経営基盤の各分野をバランスよく学習することが、合格への近道です。
