事業承継・M&Aエキスパートとは?
概要・難易度・事業承継とM&Aの専門知識を測る検定を解説
事業承継・M&Aエキスパートの概要
事業承継・M&Aエキスパート認定試験は、中堅・中小企業の事業承継やM&A(企業の合併・買収)に関する知識を測る検定です。一般社団法人金融財政事情研究会(きんざい)が、日本M&Aセンターなどと連携して実施します。後継者不足が深刻化する中、会社をどう次世代へ引き継ぐか、あるいはM&Aでどう発展させるかは、多くの企業にとって切実な課題です。その支援に必要な知識を体系的に学べる検定です。
※ M&Aとは、Mergers and Acquisitions(合併・買収)の略で、企業を売買したり統合したりすることです。後継者がいない会社が事業を引き継いでもらう手段としても、近年注目されています。
金融機関の実務に直結
この検定は、きんざいの「金融業務2級 事業承継・M&Aコース」として位置づけられ、入門レベルのベーシック(3級)の上位にあたる標準的なレベルです。主に金融機関の職員が、取引先企業の事業承継やM&Aの相談に対応するために受験します。実務に直結した内容で、現場で役立つ知識が身につきます。
受験資格と試験の形式
受験資格に制限はなく、誰でも受験できます。試験はCBT方式(コンピュータを使った試験)で、通年実施されているため、都合のよい時期に受けられます。四答択一式30問と、事例をもとにした総合問題10題の計40問で、試験時間は120分。100点満点中70点以上で合格となります。知識と、それを事例に応用する力の両方が問われます。
※ 事業承継とは、会社の経営を後継者に引き継ぐことです。親族への承継、従業員への承継、M&Aによる第三者への承継など、いくつかの方法があり、それぞれに専門的な知識が必要です。
難易度・学習時間の目安
事業承継・M&Aエキスパートは、標準レベルの検定です。税務・法務・財務・M&Aの実務など、幅広い知識が問われますが、出題範囲が明確で、公式テキストなどで体系的に学べば合格を目指せます。総合問題では事例への応用力も求められるため、知識の暗記だけでなく、実際の場面を想像しながら理解を深めることが大切です。金融実務の経験があると有利です。
取得後に活かせる仕事・関連する職種
金融機関の法人営業・コンサル
銀行や信用金庫などの法人営業で、取引先企業の事業承継やM&Aの相談に対応できるようになります。後継者問題に悩む中小企業のオーナーに、的確な助言や解決策を提案できることは、金融機関の担当者にとって大きな強みです。顧客との信頼関係を深める武器になります。
会計事務所・M&A支援会社
会計事務所やM&A仲介・支援会社でも、事業承継やM&Aの知識は欠かせません。顧問先の世代交代を支援したり、M&Aの案件に携わったりする際に、専門知識を持つことで質の高いサービスを提供できます。需要の高まる分野で活躍できます。
上位資格へのステップ
この検定は、より高度なM&Aシニアエキスパートなど、上位の資格へのステップにもなります。事業承継・M&Aの専門性を段階的に高めていくことで、この分野のスペシャリストとしてのキャリアを築けます。今後ますます需要が見込まれる分野です。
誕生の背景・関連知識
後継者不足という社会課題
日本では、経営者の高齢化と後継者不足により、黒字でも廃業せざるを得ない中小企業が増えることが問題となっています。こうした「事業承継問題」を解決するため、承継やM&Aを支援できる人材の育成が急務となりました。この検定は、その担い手を育てる役割を担っています。社会的意義の大きい資格です。
中小企業のM&Aの広がり
かつてM&Aは大企業のものというイメージがありましたが、近年は後継者のいない中小企業が、事業を第三者に引き継ぐ手段として広く活用されるようになりました。この変化にともない、中小企業のM&Aを適切に支援できる知識を持つ人材の需要が、急速に高まっています。
※ 後継者不在:日本の中小企業の多くが後継者不在の課題を抱えています。事業承継やM&Aの知識は、こうした企業の存続と、そこで働く人々の雇用を守ることにもつながります。
どんな人が、どんな目的で取得しているのか
金融機関の職員
銀行・信用金庫などの職員が、取引先支援の幅を広げるために取得します。事業承継・M&Aは金融機関が力を入れる分野のため、業務上、取得が推奨されることも多い検定です。
会計・コンサルの専門家
税理士や会計士、コンサルタントが、顧問先の事業承継支援に対応するために取得します。既存の専門性に承継・M&Aの知識を加えることで、提供できるサービスが広がります。
M&A業界を目指す人
成長分野であるM&A業界でのキャリアを目指す人が、基礎知識の習得と証明のために取得します。この検定で土台を作り、上位資格や実務経験へとつなげていけます。
豆知識:会社の「最後」を支える知識
廃業を「承継」に変える
後継者がいないからと廃業してしまえば、技術も雇用も失われます。しかし、適切な事業承継やM&Aの知識があれば、その会社を別の形で存続させられるかもしれません。事業承継・M&Aエキスパートは、企業の「終わり」を「新たな始まり」に変える手助けができる、社会的に意義深い知識を扱う資格です。
これから伸び続ける分野
経営者の高齢化が進む日本では、事業承継・M&Aのニーズは今後も拡大が見込まれます。比較的取り組みやすいこの検定で基礎を固めておくことは、成長分野の専門性への、早めで賢い投資といえます。金融・会計の実務者にとって、付加価値の高い知識です。
まとめ ― 事業承継とM&Aの専門知識を身につける
こんな方にとくにおすすめ
- 金融機関で法人営業・取引先支援に携わる方
- 会計事務所・コンサルで事業承継を支援する方
- 成長分野のM&A業界を目指す方
- 中小企業の存続を支える知識を身につけたい方
受験に向けた第一歩
まずはきんざいの公式情報で、出題範囲や公式テキスト、CBTの受験方法を確認しましょう。受験資格はなく、通年で受験できるので、自分のスケジュールに合わせて準備できます。公式テキストで体系的に学び、総合問題に向けて事例への応用力も養うことが、合格への近道です。
公式サイト:事業承継・M&Aエキスパート認定試験(きんざい)
