児童発達支援管理責任者(児発管)とは?
概要・難易度・障害児支援の要となる職を解説
児童発達支援管理責任者(児発管)の概要
児童発達支援管理責任者(通称「児発管」)は、児童発達支援や放課後等デイサービスなどの障害児支援事業所に配置が義務づけられた職種です。子ども一人ひとりの個別支援計画(児童発達支援計画等)を作成・管理し、支援の質を担保する要となります。児童福祉法に基づき、現在はこども家庭庁が制度を所管し、都道府県が実施する研修を修了することで配置できるようになります。障害のある子どもの育ちを支える、専門性の高い職です。
※ 放課後等デイサービスとは、障害のある就学児童が放課後や休日に通い、生活能力の向上のための訓練や居場所の提供を受けられる障害児通所支援のことです。児発管はこうした事業所に欠かせません。
サビ管と共通の研修体系
児発管の研修は、障害者向けのサービス管理責任者(サビ管)研修と基礎・実践のカリキュラムが共通化されており、都道府県が一体的に実施しています。対象が「障害児」か「障害者」かによって、配置される事業所と名称(児発管/サビ管)が分かれる形です。子どもの支援に携わりたい人が児発管を目指します。
研修と実務経験の要件
児発管になるには、障害児・児童分野などでの一定年数の実務経験(資格の有無などにより概ね3〜8年)を満たしたうえで、「基礎研修」を受講します。その後、原則2年(要件に該当すれば短縮)のOJTを経て「実践研修」を修了し、配置できるようになります。資格を維持するには5年ごとの「更新研修」も必要です。
※ こども家庭庁への移管:障害児支援の制度は、2023年4月のこども家庭庁発足にともない、厚生労働省から移管されました。研修自体は引き続き都道府県が実施します。
難易度・取得の道のりの目安
児発管も、試験で一発取得するものではなく、実務経験を積み、基礎研修・OJT・実践研修と段階を踏んで配置可能になります。難所は、必要な実務経験年数を満たし、計画的に研修を受けていくことにあります。障害児支援や保育・教育の現場で経験を重ねた人が、その専門性の証として目指す職種です。
取得後に活かせる仕事・できること
障害児支援事業所の中核
児童発達支援センターや放課後等デイサービスなどで、児発管として子どもの個別支援計画を作成・管理します。子どもの発達や家庭の状況をふまえた支援を設計し、職員と連携して質の高い療育を実現する、事業所の中核を担います。
保護者・関係機関との連携
子どもの支援には、保護者や学校、医療・福祉の関係機関との連携が欠かせません。児発管は、その調整役として、子どもを取り巻く環境全体を見渡しながら支援を組み立てます。子どもの育ちを多面的に支える、やりがいの大きい仕事です。
待遇・キャリアの向上
児発管は必置かつ専門性の高い職種のため、資格手当などで待遇の向上につながります。障害児支援の分野が広がる中、需要は高く、保育士や児童指導員からのキャリアアップの目標としても注目されています。
制度の背景・歴史
障害児支援の質を担保する
放課後等デイサービスなどの障害児支援が急速に広がる中で、支援の質をどう確保するかが課題となりました。そこで、個別支援計画を通じて支援を管理する責任者を各事業所に置く仕組みが整えられ、児童発達支援管理責任者が制度化されました。子ども本位の支援を支える要です。
研修制度の再編と共通化
研修体系は基礎研修・実践研修・更新研修へと再編され、サビ管研修とカリキュラムが共通化されました。これにより、障害者支援と障害児支援の両方に通じる人材が育ちやすくなっています。OJTを組み込み、実践力を重視する仕組みへと改善が進んでいます。
※ 個別支援計画とは、子どもの発達状況や目標に応じて、どのような療育・支援を行うかをまとめた計画です。児発管はこの作成・モニタリング・見直しを担い、支援の質を保証します。
どんな人が目指しているのか
障害児支援・保育の現場経験者
児童指導員や保育士、放課後等デイサービスの支援員など、子どもの支援に携わってきた人が、キャリアアップとして児発管を目指します。現場での子どもとの関わりが、計画作成や職員指導に活きます。
福祉・教育・医療系の有資格者
保育士・社会福祉士・教員・看護師などの資格を持つ人が、実務経験を経て児発管を目指すこともあります。資格や業務内容によって必要な実務経験年数が変わるため、自分の状況に応じて準備します。
子どもの育ちを支えたい人
障害のある子どもとその家族を、専門的な立場から支えたいという思いを持つ人に向いています。一人ひとりの成長に深く関われる、責任とやりがいの大きい職種です。
豆知識:子ども版の「支援の司令塔」
サビ管と「対」になる職種
児発管は、障害者向け事業所のサビ管と対になる、障害児向けの「支援の司令塔」です。研修も共通化されているため、サビ管と児発管の両方の知識を身につけ、障害者・障害児の双方の支援に携わる人もいます。福祉のキャリアの幅を大きく広げられる職種です。
広がる障害児支援とともに需要増
放課後等デイサービスや児童発達支援の事業所は全国で増えており、配置が義務づけられた児発管の需要も高まっています。子どもの「できた!」に立ち会える喜びとともに、安定した需要のある専門職として、これからも求められ続ける職種です。
まとめ ― 障害児支援の要を担う
こんな方にとくにおすすめ
- 障害児支援・保育の現場で経験を積み、キャリアアップを目指す方
- 保育士・社会福祉士・教員等の資格を活かしたい方
- 子どもの個別支援計画の作成など、支援の管理に携わりたい方
- 障害のある子どもと家族を専門的に支えたい方
取得に向けた第一歩
まずは、自分の実務経験が児発管の要件を満たすかを確認しましょう。要件を満たしたら、お住まいの都道府県の研修(サビ管と共通の基礎研修)に申し込みます。基礎研修→OJT→実践研修と段階を踏むため、早めに計画を立てて進めるのがおすすめです。制度の詳細はこども家庭庁の情報も参考になります。
公式サイト:障害児支援(こども家庭庁)
