喀痰吸引等研修について

筆記試験誰でも受験可
公的資格

喀痰吸引等研修とは?

概要・難易度・医療的ケアができる介護職への道を解説

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喀痰吸引等研修の概要

喀痰吸引等研修は、介護職員などが「たんの吸引」や「経管栄養」といった医療的ケアを行えるようになるための公的研修です。社会福祉士及び介護福祉士法に基づき、厚生労働省が制度を所管し、都道府県または都道府県知事の登録を受けた登録研修機関が実施します。研修を修了して都道府県の認定を受けることで、本来は医療行為であるこれらのケアを、一定の条件のもとで介護職員も担えるようになります。

喀痰吸引(かくたんきゅういん)とは、自力でたんを出せない人の、口や鼻、気管から、たんを吸い取るケアのことです。経管栄養は、口から食べられない人に、胃ろうやチューブで栄養を送るケアを指します。

研修の区分

研修は、対象や行える行為によって区分が分かれています。第一号研修は喀痰吸引・経管栄養のすべての行為が対象、第二号研修は一部の行為が対象で、いずれも不特定多数の利用者へのケアを想定しています。第三号研修は、特定の利用者に対する特定の行為に限定した研修です。自分の働く場や担いたいケアに応じて、必要な区分を受講します。

取得の流れ

研修は、講義と演習に加えて、実際の現場での「実地研修」を含みます。修了後、都道府県から「認定特定行為業務従事者」の認定証が交付され、勤務先が登録特定行為事業者となることで、はじめて喀痰吸引等を実施できます。受講に特別な前提資格は必須ではありませんが、介護職員など実務に携わる人が主な対象です。

都道府県ごとに実施:この研修は全国一律の主催団体があるのではなく、都道府県や登録研修機関が実施します。日程・費用・申込方法は地域により異なるため、お住まいの都道府県の情報を確認しましょう。

難易度・学習時間の目安

★★☆☆☆ 試験で落とす資格ではなく、講義・演習・実地研修を修了すれば認定されます。実地研修をやり遂げることが中心です。

喀痰吸引等研修は、合否を競う試験ではなく、所定のカリキュラムを修了して認定を受ける研修です。基本研修(講義・演習)で知識と手技の基礎を学び、実地研修で実際の利用者へのケアを安全にできるよう習得します。命に関わる行為を扱うため、手順を正確に身につける真剣さが求められますが、現場経験のある介護職員なら着実に修了を目指せます。

取得の目安:合格率という概念はなく、基本研修と実地研修の修了により認定されます。確実に手技を習得することが目標です。

取得後にできること・活かせる仕事

介護施設・在宅での医療的ケア

特別養護老人ホームや訪問介護など、介護の現場でたんの吸引や経管栄養が必要な利用者に対応できるようになります。これまで看護師を呼ぶ必要があった場面に、その場で対応できることで、利用者の安全・安心と、サービスの質の向上につながります。

重度者・医療的ケア児への支援

医療的ケアを必要とする重度の高齢者や、医療的ケア児を支援する現場でも、この研修修了者の存在は欠かせません。第三号研修は特定の利用者向けで、在宅や障害福祉の現場で、その人に必要なケアを担えるようになります。

キャリアアップ・職場での評価

医療的ケアができる介護職員は、施設にとって貴重な存在です。資格手当が支給される職場もあり、できる業務の幅が広がることで、キャリアアップや待遇改善につながります。介護福祉士を目指すうえでも、医療的ケアの知識は土台になります。

制度の背景・歴史

2012年:介護職が医療的ケアを担えるように

かつて喀痰吸引や経管栄養は医療行為とされ、原則として看護師などしか行えませんでした。しかし、在宅や施設でこうしたケアを必要とする人が増える中、安全を確保する仕組みのもとで介護職員も担えるよう、平成24(2012)年度から法律に基づき制度化されました。介護と医療の連携を支える、重要な制度です。

高齢化と医療的ケアの需要

高齢化が進み、最期まで自分らしく暮らしたいというニーズが高まる中、たんの吸引などのケアを日常的に必要とする人は増えています。介護職員がこうしたケアを担えることは、利用者の生活を支えるうえで不可欠であり、研修修了者の需要は今後も高まると見込まれます。

医療的ケア児とは、日常的に喀痰吸引や経管栄養などの医療的ケアを必要とする子どものことです。こうした子どもとその家族を支える担い手としても、研修修了者が期待されています。

どんな人が受講しているのか

介護施設・訪問介護の職員

特別養護老人ホームや訪問介護事業所などで働く介護職員が、より多くの利用者に対応するために受講します。職場からの推奨で受ける人も多く、現場の即戦力として評価されます。

障害福祉・医療的ケア児支援の担い手

障害のある人や医療的ケア児を支援する事業所の職員が、必要なケアを担うために受講します。特定の利用者を支える第三号研修は、その人の生活を継続的に支えたい人に向いています。

キャリアの幅を広げたい人

介護の仕事でできることを増やし、専門性を高めたい人が受講します。医療的ケアという他の介護職にはない強みを得ることで、職場での役割や将来の選択肢が広がります。

豆知識:介護と医療の境界を支える研修

「医療行為」を介護職が担う重み

喀痰吸引等は、一歩間違えば利用者の命に関わる医療的ケアです。それを介護職員が担えるようにした制度は、「安全をどう確保するか」という議論を経て、実地研修や事業者登録といった仕組みとともに整えられました。研修修了者には、その重みを理解した責任ある対応が求められます。

介護福祉士の養成課程にも組み込み

現在では、介護福祉士の養成課程にも医療的ケアの教育が組み込まれています。喀痰吸引等のケアは、これからの介護職にとって「特別なスキル」から「基本的な素養」へと位置づけが変わりつつあります。早めに研修を受けておくことは、介護のプロとしての土台づくりになります。

まとめ ― 医療的ケアができる介護職へ

こんな方にとくにおすすめ

  • 介護施設・訪問介護で働き、対応できるケアを増やしたい方
  • 障害福祉・医療的ケア児支援に携わる方
  • 医療的ケアの専門性でキャリアアップを目指す方
  • 介護福祉士へのステップとして基礎を固めたい方

受講に向けた第一歩

まずはお住まいの都道府県や登録研修機関の案内で、研修区分(第一号・第二号・第三号)・日程・費用を確認しましょう。勤務先がある場合は、職場を通じて受講できることも多くあります。実地研修まで含めて修了し、認定証の交付を受けることで、医療的ケアを担う介護職としての一歩を踏み出せます。

公式サイト:喀痰吸引等研修(厚生労働省)