地図地理検定について

筆記試験誰でも受験可
民間資格

地図地理検定とは?

概要・難易度・地図好きへの活かし方を解説

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地図地理検定の概要

地図地理検定は、地図と地理に関する知識・読図力を問う検定で、「ちずけん」の愛称で親しまれています。一般財団法人日本地図センターと公益財団法人国土地理協会が共同で開催し、国土交通省 国土地理院や日本地理学会などが後援に名を連ねる、公的色の強い本格的な検定です。地形図の読み方から自然環境、世界・日本の地理、地理情報システム(GIS)まで、高校の「地理総合」「地理探究」に沿った内容が幅広く出題されます。

国土地理院(こくどちりいん)とは、国土交通省に属し、日本の地図や測量の基準を担う国の機関です。地図地理検定では国土地理院が公開する「地理院地図」などが題材に使われ、国の地図づくりと結びついた検定になっています。

「基礎」と「専門」の2レベル構成

レベルは「基礎」と「専門」の2区分です。基礎は全20問の択一式で、60点以上で合格と認定されます(満点者には満点賞)。専門は全24問で、択一式15問と記述式9問の組み合わせ。専門は成績上位者に1級〜3級が認定される仕組みで、地図・地理の力を段階的に測れるようになっています。

出題範囲は地図・自然環境・GISまで5分野

出題は、(1)地図(地形図・地理院地図など)、(2)自然環境、(3)社会・文化環境、(4)世界や日本の地理、(5)地理情報システム(GIS)の5分野にわたります。基礎は教科書やニュースで話題の事項が中心、専門は白書や大学入試レベルの地理的考察が求められます。受験資格は設けられておらず、どなたでも受検できます。

GIS(ジーアイエス/地理情報システム)とは、位置の情報を地図上で重ね合わせて分析・可視化する仕組みのことです。防災・都市計画・物流など幅広い分野で使われ、近年の地理教育でも重視されているテーマです。

難易度・学習時間の目安

★★★☆☆ 基礎は地理好きなら教科書レベルの復習で挑戦できます。専門は記述式を含み、大学入試〜白書レベルの地理的考察が求められる中級以上の難易度です。

基礎は高校の地理の教科書や日々のニュースで触れる地理的な話題を押さえれば対応しやすいレベルです。専門は記述式が含まれ、地形図の読図や統計の読み取り、地理的な背景の考察まで問われるため、過去問演習と地図に親しむ習慣が欠かせません。公式サイトには直近回の過去問が公開されており、まずは自分のレベルを測ってから学習計画を立てるのがおすすめです。

合格率の目安:合格率は公表されていませんが、基礎は60点以上で合格と明示されています。専門は成績上位者が1〜3級に認定される相対評価に近い仕組みです。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

教員・地理教育に携わる人

2022年度から高校で「地理総合」が必修化され、地理を教える機会が増えました。地図地理検定は高校地理に沿った内容のため、教員や学習塾の講師が自身の知識を点検し、授業の質を高める指標として活用できます。読図の指導力は、防災教育や探究学習の場面でも直接役立ちます。

測量・地図・GIS関連の技術職

測量会社・地図制作会社・GISを扱う企業や自治体の部署では、地形図や地理情報を正確に読み解く力が求められます。地図地理検定の知識は、こうした技術職の基礎力を裏づけるものとして役立ちます。専門レベルの認定にはCPD(継続的能力開発)ポイントが付与される制度もあり、技術者の学習実績としても活かせます。

防災・まちづくり・観光の分野

ハザードマップの読み解きや地域の地形理解は、防災・まちづくり・観光の現場で重要です。地図から土地の成り立ちや災害リスクを読み取る力は、自治体職員・地域づくりの担い手・観光ガイドなど、地域に関わる幅広い仕事で強みになります。

誕生の背景・歴史

地図に親しむ裾野を広げるために

地図地理検定は、地図や地理に親しむ人の裾野を広げることを目的に始まりました。専門家だけでなく、地図好き・地理好きの一般の人が「自分の力を試せる場」として参加できるよう設計されています。地図の専門機関である日本地図センターが関わることで、出題の正確さと信頼性が担保されています。

国土地理協会との共同開催へ

その後、第14回からは国土地理協会との共同開催となり、名称・内容・試験方法が見直されました。それ以前は基礎レベルが「一般」と呼ばれていた経緯があります。現在は年2回(春・秋)の実施が定着し、2026年も第45回(6月)・第46回(11月)が予定されるなど、長く続く検定として安定して運営されています。

地理総合(ちりそうごう)とは、2022年度から高校で必修となった地理の科目です。地図・GIS・防災・国際理解などを扱い、地図を「読む・使う」力を重視しています。地図地理検定は、この新しい地理教育とも親和性の高い検定です。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

地図・地理が好きな人

地形図を眺めるのが好き、旅行先の地形や地名の由来が気になる——そんな地図・地理好きが、趣味を「検定」という形で深めるために受検します。基礎レベルから気軽に挑戦でき、合格や満点賞が次の学びの励みになります。路線図や車窓からの地形を読み解くのが好きな人には、鉄道検定もあわせて挑戦すると、地図の知識を鉄道旅行の楽しみにも直結させられます。

大学受験・地理を学ぶ学生

高校・大学で地理を学ぶ学生が、実力試しや受験対策の一環として受検することもあります。記述式を含む専門レベルは、地理的な思考力を鍛える良いトレーニングになり、共通テストの地理対策とも重なる部分があります。

技術者・専門職のスキル証明

測量・地図・GISに携わる技術者が、自身の知識を客観的に示すために受検します。専門レベルの認定はCPDポイントの対象になり、継続的な学習の実績として記録に残せる点が、専門職にとっての受検動機になっています。

豆知識:地図地理検定ならではの世界

持ち物に「ルーペ(虫眼鏡)」が指定される検定

地図地理検定の持ち物には、鉛筆・消しゴム・定規に加えて「ルーペ(虫眼鏡)」が挙げられています。地形図の細かい地図記号や等高線を読み解く問題があるため、虫眼鏡が役立つのです。試験会場に虫眼鏡を持参するという光景は、地図を真剣に読み込むこの検定ならではといえます。

最上位の称号は「地図地理力博士」

専門レベルには段階的な称号制があり、最上位は「地図地理力博士」です。1級認定を5回(または96点以上)達成すると到達でき、その手前には1級3回で得られる「準地図地理力博士」も用意されています。級認定で終わらず、称号を目指して何度も挑戦したくなる仕掛けが、地図ファンの探究心を刺激します。

まとめ ― 地図を「読む力」を本気で試せる検定

こんな方にとくにおすすめ

  • 地図や地形図を眺めるのが好きで、知識を試したい方
  • 高校・大学で地理を学んでいて実力を測りたい方
  • 地理を教える教員や、塾・予備校で地理を指導する方
  • 測量・地図・GIS関連の技術者でスキルを証明したい方

取得に向けた第一歩

まずは公式サイトに公開されている過去問で、自分が基礎・専門のどちらに挑戦できるかを確認しましょう。『ちずけんでまなぶ 地図と地理』や過去問集で読図と地理の基礎を固め、地形図や「地理院地図」を実際に開いて地名・等高線・地図記号に親しむと、知識が定着します。年2回の実施なので、目標の回を決めて計画的に準備するのがおすすめです。

公式サイト:地図地理検定 公式サイト(日本地図センター)