作業療法士について

筆記試験実務経験・学歴が必要
国家資格

作業療法士とは?

概要・難易度・取得のメリットを解説

作業療法士の概要

作業療法士は、身体機能や精神機能のリハビリを支援する専門職の国家資格です。厚生労働省が所管しており、食事・着替え・趣味などの「生活のすべての作業」を通じて、その人らしい暮らしを取り戻す手助けをする専門職として、医療・介護の現場で活躍しています。

※ ここでいう「作業」とは、仕事だけを指す言葉ではありません。食事・着替え・家事・趣味・余暇活動など、人が生活の中で行うすべての活動を指します。「もう一度、自分らしい生活を送りたい」という願いに、作業を通じて応えるのが作業療法士の役割です。

どんな人のための資格?

受験資格を得るには、作業療法士養成課程を修了する必要があります。「体だけでなく、心の面からも人を支えたい」「その人らしい生活を、専門職として一緒につくっていきたい」という思いを持つ方に向いている資格です。

「人それぞれの個性や暮らし方を大切にしたい」という方にとっても、専門性を活かしながら自分の価値観を仕事に反映させやすい資格といえるでしょう。

試験の受け方

試験はマークシート形式の筆記試験で実施されます。解剖学・生理学といった人体の基礎知識から、精神医学やリハビリテーションに関する専門知識まで、作業療法士として必要な内容が幅広く問われます。

筆記(マークシート)とは、選択肢の中から答えをマークシートに記入する形式の国家試験のこと。身体面だけでなく精神面の知識も問われる点が特徴で、養成課程での幅広い学びを土台に、バランスよく仕上げていくことが大切になります。

受験資格や試験内容は変更される場合があります。お申し込み前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

「身体」と「心」、両方に向き合う学び

作業療法士養成課程では、身体機能のリハビリだけでなく、精神面のサポートについても学びます。「身体」と「心」、両方の視点から人を支える――そうしたバランス感覚を養えるのが、この学びならではの特徴です。

難易度・学習時間の目安

★★★★☆ やや高い ― 身体・精神の両面から学ぶ、幅広い知識が求められる難易度です

結論からいうと、作業療法士国家試験は「養成課程で身につけた、身体面・精神面の幅広い知識を総合的に問う試験」です。出題範囲は広いものの、日々の授業や実習に丁寧に向き合ってきた方であれば、合格ラインが手の届く位置にあるといわれています。

客観的な目安となる数値

合格率の目安:明確な数値は年度によって変動しますが、養成課程で計画的に学んだ方であれば、十分に合格を狙える試験として知られています。

  • 学習時間の目安:養成課程在学中の学習に加え、国家試験対策として数百時間規模の総仕上げが必要といわれています
  • 出題形式:マークシート形式の筆記試験で構成されています(出題数や時間は変更される場合があるため、受験前に必ず公式情報をご確認ください)

「幅広さ」を、強みに変えられる試験

作業療法士の試験では、身体機能だけでなく精神機能に関する知識も問われるため、「覚えることが多い」と感じる方も少なくありません。しかし裏を返せば、得意分野を複数持てるということでもあり、苦手分野を得意分野でカバーしやすい試験ともいえます。

「ひとつのことを極めるより、幅広く学ぶのが好き」という方にとって、自分の特性を活かしやすい試験になってくれるはずです。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

作業療法士は、「生活のすべての作業を通じて、その人らしい暮らしを支える専門職」であることを示してくれる国家資格です。医療・介護・福祉・精神科領域など、活躍のフィールドは非常に幅広いものとなります。

知識を直接活かしやすい職種・業務

なかでも、次のような職種・業務では知識を直接活かしやすいでしょう。

  • 病院やリハビリ施設で、日常生活動作の回復を支援する仕事
  • 精神科で、心の不調を抱える方の社会復帰を支援する仕事
  • 介護施設や福祉施設で、高齢者の生活機能の維持を支援する仕事

※ 作業療法士は、医療機関だけでなく介護・福祉・精神科領域など、幅広い現場で必要とされる専門職です。「人それぞれの暮らしに寄り添いながら働きたい」という方にとって、選択肢の広い資格になってくれるでしょう。

就職・転職活動でのアピール材料にも

作業療法士の資格は、それ自体が高い専門性の証明となり、医療・介護・福祉分野への就職活動において大きな強みになります。「身体面・精神面、両方から人を支えたい」という方にとって、確かな後押しになってくれるでしょう。

関連する資格にも目を向けてみよう

また、作業療法士としての知識・経験は、より専門性の高いリハビリ関連の資格にもつながります。「リハビリの中でも、特定の分野を究めていく」というキャリアを描く人も少なくありません。

  • 理学療法士:運動機能の回復・維持を目的としたリハビリを行う専門職の国家資格
  • 言語聴覚士:話す・聞く・食べる機能のリハビリを専門に行う国家資格

※ どちらも作業療法士と同じ「リハビリ専門職」に分類される資格です。理学療法士は「運動機能」を、作業療法士は「日常生活動作・精神機能」を、言語聴覚士は「話す・聞く・食べる機能」を、それぞれ専門とする関係にあるとイメージするとわかりやすいでしょう。それぞれの記事も準備が整い次第、このサイトでご紹介していく予定です。

誕生の背景・歴史

作業療法士という資格は、リハビリテーション医学の発展とともに、「身体機能だけでなく、精神機能や生活全体を支える専門職が必要だ」という考えのもとに整備されてきました。今では、医療・介護・福祉の現場に欠かせない国家資格として広く認知されています。

「生活そのもの」をリハビリの対象とする、ユニークな視点

作業療法士の大きな特徴は、運動機能の回復だけでなく、「食事をする」「趣味を楽しむ」といった生活そのものをリハビリの対象として捉える点にあります。「その人らしい生活」を取り戻すことを目指す、ユニークな専門職といえるでしょう。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

作業療法士は「特定のタイプの人だけの資格」ではありません。さまざまな立場の方が、それぞれの目的で挑戦しています。

主な受験者層

代表的なのは、次のような方々です。

  • 作業療法士養成課程に通う学生 ― 学んだ知識・技術を、国家資格という形で証明したい人
  • 心理学や福祉に関心がある方 ― 身体面だけでなく、心の面からも人を支えたい人
  • 祖父母や家族の介護を経験した方 ― 「その人らしい生活」を支える専門性を身につけたい人
  • 医療・介護分野でのキャリアを考える社会人 ― 専門職として、長く活躍できる土台を築きたい人

共通する動機は「その人らしさを、一緒に取り戻したい」という思い

共通しているのは、「もう一度、自分らしい生活を送りたい」という患者さんの願いに、専門職として寄り添いたいという思いです。趣味や日課を再び楽しめるようになった患者さんの笑顔は、この仕事ならではの大きなやりがいといえるでしょう。

こんな人におすすめ・こんな人にはやや物足りないかも

「自分に合っているかどうか」を考えるときの参考に、向き・不向きの傾向も挙げておきます。

  • おすすめな人:身体面だけでなく心の面にも関心がある人/一人ひとりの個性や暮らし方を大切にしたい人/幅広い知識をバランスよく身につけたい人
  • やや物足りないかもしれない人:ひとつの専門分野を深く掘り下げたい人/短期間で資格取得を目指したい人(養成課程の修了が前提となるため、相応の期間が必要です)

豆知識:「作業」という言葉に込められた意味

作業療法士には、実はちょっとした「うんちく」がいくつもあります。

「作業」は、仕事だけを意味する言葉ではない

「作業療法士」と聞くと、仕事の訓練をイメージする方もいるかもしれません。しかし、ここでいう「作業」には、料理・園芸・手芸・ゲームなど、生活の中のあらゆる活動が含まれます。「その人が大切にしてきたこと」を取り戻す手助けをする、奥の深い仕事なのです。

精神科領域でも活躍する、もうひとつの顔

作業療法士は、身体のリハビリだけでなく、精神科領域でも活躍しています。心の不調を抱える方が、作業活動を通じて少しずつ自信を取り戻し、社会復帰を目指していく――そのプロセスを支える専門職としての顔も持っています。

まとめ ― 「その人らしい生活」を取り戻す手助けをする資格

作業療法士は、「身体面・精神面、両方から人に寄り添い、その人らしい生活を一緒に取り戻していきたい」という方にとって、大きな目標になってくれる国家資格です。

「幅広い学び」が、確かな専門性になる

養成課程での幅広い学びと実習を経て国家資格を取得するという道のりは、決して短くありません。しかしその分、得られる専門性と、患者さんから寄せられる信頼は、何ものにも代えがたいものになるでしょう。

「人それぞれの個性」を大切にできる仕事

作業療法士は、医療・介護・福祉・精神科領域など、活躍のフィールドが非常に幅広い資格です。「一人ひとりの個性や暮らし方を大切にしながら、専門性を活かして働きたい」という方にとって、これ以上ない心強い資格になってくれるでしょう。

「その人らしい生活を、専門職として一緒に取り戻していきたい」――そう思ったときの目標として、作業療法士はきっと頼れる存在になってくれるでしょう。