保健師について

筆記試験実務経験・学歴が必要
国家資格

保健師とは?

概要・難易度・取得のメリットを解説

保健師の概要

保健師は、地域住民の健康相談・保健指導等を行う専門職としての国家資格です。厚生労働省が所管しており、病気の「治療」だけでなく「予防」の面から人々の暮らしを支える専門職として、市区町村や保健所などで活躍しています。

保健指導とは、生活習慣病の予防や母子の健康管理、高齢者の介護予防など、地域住民が健康に暮らせるよう専門的な立場から助言・支援を行うことです。「治療」ではなく「予防」に軸足を置く点が、保健師ならではの特徴といえます。

どんな人のための資格?

受験資格を得るには、看護師資格を取得したうえで、保健師養成課程を修了する必要があります。「治療の現場だけでなく、地域の暮らしから人々の健康を支えたい」という思いを持つ方が、看護師としての土台のうえに目指す資格です。

「一人ひとりの患者さん」だけでなく「地域社会全体」の健康に関わりたい、という視点を持つ方にとって、大きな目標になってくれる資格といえるでしょう。

試験の受け方

試験はマークシート形式の筆記試験で実施されます。公衆衛生看護学や疫学、保健統計、地域保健活動の進め方など、保健師として地域に関わるために必要な知識が幅広く問われます。

筆記(マークシート)とは、選択肢の中から答えをマークシートに記入する形式の国家試験のこと。看護師としての知識を土台に、「個人」ではなく「集団・地域」を対象とする視点を新たに積み上げていくことが、合格への近道になるといわれています。

受験資格や試験内容は変更される場合があります。お申し込み前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

「看護師の知識」を土台に、新たな視点を積み上げる学び

保健師養成課程では、看護師として培った知識・技術を土台にしながら、「個人のケア」から「地域全体の健康づくり」へと視野を広げていく学びが展開されます。「積み上げ型」の資格である点も、保健師の大きな特徴です。

難易度・学習時間の目安

★★★★★ 高い ― 看護師資格を土台に、専門性をさらに積み上げる必要がある難易度です

結論からいうと、保健師国家試験は「看護師としての基礎の上に、地域保健の専門性を積み重ねる試験」です。土台となる知識をすでに持っている分、的を絞った対策がしやすい試験ともいわれています。

客観的な目安となる数値

合格率の目安:明確な数値は年度によって変動しますが、養成課程で計画的に学んだ方であれば、十分に合格を狙える試験として知られています。

  • 学習時間の目安:養成課程在学中の学習に加え、国家試験対策として数百時間規模の総仕上げが必要といわれています
  • 出題形式:マークシート形式の筆記試験で構成されています(出題数や時間は変更される場合があるため、受験前に必ず公式情報をご確認ください)

「視点を広げる」ことが、合格のカギになる試験

保健師国家試験で問われるのは、知識量だけではありません。「目の前の患者さん」を看る看護師の視点から、「地域社会全体」を見渡す保健師の視点へと、発想を切り替えられるかどうかが大きなポイントになるといわれています。

「視野を広げて物事を捉えるのが得意」という方にとって、自分の強みを活かしやすい試験になってくれるはずです。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

保健師は、「地域社会の健康を、予防という視点から支える人材」であることを示してくれる国家資格です。行政・教育・企業など、活躍のフィールドは看護師以上に幅広いものとなります。

知識を直接活かしやすい職種・業務

なかでも、次のような職種・業務では知識を直接活かしやすいでしょう。

  • 市区町村や保健所で、地域住民の健康相談・保健指導を担当する仕事
  • 学校で、児童・生徒の健康管理を担当する養護教諭に近い仕事
  • 企業の健康管理部門で、従業員の健康づくりを支援する仕事

※ 保健師は、行政機関を中心に全国で必要とされている専門職です。「人と接する仕事をしながら、安定した立場で働き続けたい」という方にとって、心強い土台になってくれるでしょう。

就職・転職活動でのアピール材料にも

保健師の資格は、看護師資格と組み合わさることで、「臨床」と「予防・地域保健」の両方に対応できる人材であることの証明になります。就職・転職活動において、大きなアピール材料になるでしょう。

関連する資格にも目を向けてみよう

また、保健師としての視点は、母子保健や精神保健など、より専門性の高い分野にもつながります。「地域保健の中でも、特定の分野を究めていく」というキャリアを描く人も少なくありません。

  • 看護師:傷病者の療養上の世話や診療の補助を行う専門職としての国家資格
  • 助産師:妊娠・出産・産後のケアを専門的に支える国家資格

※ どちらも保健師と深い関わりを持つ資格です。看護師は医療現場での看護全般を、保健師は地域全体の健康づくりを、助産師は母子に特化したケアを、それぞれ担う関係にあるとイメージするとわかりやすいでしょう。それぞれの記事も準備が整い次第、このサイトでご紹介していく予定です。

誕生の背景・歴史

保健師という資格は、「病気になってから治療する」だけでなく、「病気にならないように予防する」という考え方が社会に広がる中で整備されてきました。地域社会全体の健康水準を底上げする専門職として、その役割は年々重要性を増しています。

「治療」から「予防」へ ― 広がる専門職の役割

少子高齢化が進む社会において、「病気になる前に支える」という保健師の視点は、ますます重要性を増しています。地域包括ケアや健康経営といった新しいキーワードとともに、保健師の活躍の場は今後も広がっていくと考えられています。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

保健師は「特定のタイプの人だけの資格」ではありません。さまざまな立場の方が、それぞれの目的で挑戦しています。

主な受験者層

代表的なのは、次のような方々です。

  • 看護師として臨床経験を積んでいる方 ― 「予防」や「地域」という新たな視点を加えたい人
  • 保健師養成課程に通う学生 ― 看護師資格と合わせて、地域保健の専門性を身につけたい人
  • 行政機関での勤務に関心がある方 ― 専門職として、安定した立場で社会に貢献したい人
  • 子育てや高齢者支援に関心がある方 ― 地域に根ざした形で、人の暮らしを支えたい人

共通する動機は「人の暮らしに、もっと近いところから関わりたい」という思い

共通しているのは、「病院の中だけでなく、人々の暮らしの場にもっと近いところから関わりたい」という思いです。地域住民の方から「相談してよかった」と言われる瞬間は、保健師ならではの大きなやりがいといえるでしょう。

こんな人におすすめ・こんな人にはやや物足りないかも

「自分に合っているかどうか」を考えるときの参考に、向き・不向きの傾向も挙げておきます。

  • おすすめな人:個人だけでなく地域社会全体に目を向けたい人/「予防」という視点から人の健康を支えたい人/看護師としての経験をさらに活かしていきたい人
  • やや物足りないかもしれない人:臨床現場での治療に集中したい人/資格取得までの道のりをできるだけ短くしたい人(看護師資格の取得が前提となるため、相応の期間が必要です)

豆知識:「縁の下の力持ち」と呼ばれる理由

保健師には、実はちょっとした「うんちく」がいくつもあります。

「健康診断」の裏側を支える専門職

会社や学校で受ける健康診断や保健指導の裏側には、保健師の存在が欠かせません。普段はあまり意識されにくい立場ですが、「病気になる前」の段階で人々の健康を支える、まさに縁の下の力持ちといえる専門職です。

「地域包括ケア」のキーパーソン

高齢化が進む地域社会において、医療・介護・福祉をつなぐ「地域包括ケアシステム」の構築が進められています。保健師は、その中でも医療と地域をつなぐキーパーソンとして、重要な役割を期待されています。

まとめ ― 「治療」だけでなく「予防」から人を支える資格

保健師は、「個人」だけでなく「地域社会全体」の健康に、専門職として関わりたいという方にとって、大きな目標になってくれる国家資格です。

「看護師としての経験」が、新たな専門性に変わる

看護師資格を土台に、地域保健という新たな専門性を積み重ねるという道のりは、決して平坦ではありません。しかしその分、得られる視野の広さと専門性は、大きな財産になるでしょう。

「人の暮らしに寄り添う」という、新しい働き方

保健師は、病院だけでなく、行政・学校・企業など、さまざまな場所で人々の暮らしに寄り添うことができる資格です。「人と関わりながら、社会の役に立つ仕事をしたい」という方にとって、新しい可能性を開いてくれる資格になるでしょう。

「治療だけでなく、予防という視点から人を支えたい」――そう思ったときの目標として、保健師はきっと頼れる存在になってくれるでしょう。