ウェブデザイン実務士とは?
概要・取得方法・取得後の活かし方を解説
ウェブデザイン実務士の概要
ウェブデザイン実務士は、大学や専門学校などでWebデザインに関する所定の科目を修めた学生に対して認定される、実務スキルの認定資格です。一般社団法人専門教育出版が認定運営を行っており、いわゆる「試験を受けて取得する資格」とは少し異なる仕組みで成り立っています。
認定の仕組みと「実務士」という称号
「実務士」は、対象となる学校でカリキュラムを修了した学生に対して、学校側からの推薦に基づいて認定団体が称号を付与する仕組みです。一般的な国家資格・民間資格のように、申込者が自分で試験会場へ行って問題を解く、というスタイルとは異なります。
※ 専門士とは、専門学校の修業年限・授業時間数などの条件を満たした学科の卒業者に与えられる称号のことです。「実務士」は、これに近い考え方で、学校で学んだ実務スキルを証明するために設けられた称号の一種とされています。
対象となる学校・履修内容
認定の対象になるのは、一般社団法人専門教育出版と連携している大学・専門学校のWeb系・デザイン系学科です。Webデザインの基礎理論、HTML/CSSによるコーディング、デザインソフトの操作実習など、所定のカリキュラムを履修・修了することが認定の条件になります。
試験ではなく「学内での認定」という位置づけ
多くの資格では、誰でも申し込んで試験を受けられるのが一般的ですが、ウェブデザイン実務士は対象校に在学していることが前提とされています。社会人になってから新たに取得を目指すタイプの資格ではない点は、他の多くのWeb系資格と比べて大きな違いといえるでしょう。
難易度・学習時間の目安
「学習時間」というよりも、対象学科でのカリキュールをどれだけ着実に履修できるかが重要になります。1〜2年程度の在学期間の中で、Webデザインに関する授業や実習に取り組み続けることが、そのまま認定に向けた準備となります。
※ カリキュラムとは、学校が定める授業の構成・進め方のことです。ウェブデザイン実務士の場合、Web制作に関する複数の科目をまとめて履修することが認定条件のベースになっているとされています。
取得後に活かせる仕事・関連する職種
Webデザイナー
Webサイトのレイアウトやビジュアルを制作するWebデザイナーは、もっともイメージしやすい進路です。在学中に身につけたデザインソフトの操作スキルやコーディングの基礎が、そのまま実務の土台になります。
Webディレクター・コーダー
デザインだけでなく、サイト全体の構成を考えるディレクター職や、デザインをHTML/CSSで実装するコーダー職を目指す学生もいます。ウェブデザイン実務士の取得過程で学ぶ知識は、こうした職種への入り口としても役立ちます。
※ コーダーとは、デザインソフトで作成されたデザインを、HTMLやCSSなどを使ってブラウザで表示できる形に組み上げる役割の人を指します。デザインと実装をつなぐ重要な工程を担います。
フリーランス・個人での活動
就職後に経験を積んでから、フリーランスのWebデザイナーとして独立する人もいます。在学中の認定そのものが直接の収入に結びつくわけではありませんが、「学生時代から実務的なカリキュラムに取り組んできた」という経歴は、自己紹介の材料として活用できます。
誕生の背景・歴史
「実務士」称号制度の始まり
「実務士」という称号は、専門学校教育の中で、特定分野の実務スキルを身につけたことを学外に向けて示すための仕組みとして整備されてきたとされています。ビジネス実務士や情報処理実務士など、分野ごとに多数の「実務士」称号が存在しており、ウェブデザイン実務士もそのうちの一つです。
※ 一般社団法人専門教育出版とは、専門学校・大学向けの教材出版や、各分野の「実務士」称号の認定運営を行っている団体です。学校が定めたカリキュラムを修了した学生に対して、各分野の実務士称号を認定しています。
Web業界の拡大とウェブデザイン実務士の登場
インターネットの普及にともない、Webデザインを学べる学科を新設する専門学校・大学が増えていきました。こうした流れの中で、Webデザイン分野の学習成果を示す称号として、ウェブデザイン実務士が位置づけられるようになっていったとされています。
どんな人が、どんな目的で取得しているのか
専門学校・大学でWebデザインを学ぶ学生
もっとも多いのは、対象校のWeb系・デザイン系学科に在籍する学生です。日々の授業や実習の積み重ねが、そのまま認定の条件を満たすことにつながるため、特別な対策をするというよりは「真面目に授業へ取り組む」ことが取得への道筋になります。
就職活動でスキルを示したい学生
就職活動の際に、履歴書やエントリーシートに書ける実績の一つとして取得を目指す学生もいます。「在学中にWebデザインの実務スキルを学んだ」ということを、第三者機関の認定という形で示せる点にメリットを感じている人が多いようです。
社会人として別の道を探している方
すでに社会人として働いている方が、ウェブデザイン実務士を新たに取得することは難しい場合が多いとされています。Web系のスキルを証明したい社会人の方は、Webデザイン技能検定やWebクリエイター能力認定試験など、誰でも受験できるタイプの資格を検討するのも一つの方法です。
豆知識:「実務士」というちょっと珍しい資格のかたち
「実務士」は分野ごとにいろいろある
「実務士」と名のつく称号は、ウェブデザイン実務士のほかにも、ビジネス実務士・観光実務士・情報処理実務士など、専門学校・大学のさまざまな学科に対応する形で複数存在しています。共通しているのは、いずれも「学校でのカリキュラム修了」が認定の前提になっている点です。
試験当日の出来より、授業の積み重ねが評価される
多くの資格は「試験当日に一定の点数をとれるかどうか」が評価の中心ですが、ウェブデザイン実務士は在学中の科目修得状況がベースになります。一発勝負のテストが苦手な人にとっては、日々の取り組みが評価につながりやすい仕組みともいえそうです。
まとめ ― 学びの積み重ねを形に残す称号
こんな方にとくにおすすめ
- Web・デザイン系学科に在籍していて、授業の成果を形に残したい方
- 就職活動でWebデザインの実務スキルを示したい学生
- 在学中にWeb制作の基礎を一通り身につけておきたい方
取得に向けた第一歩
在学中の方は、まず所属する学科がウェブデザイン実務士の対象になっているかを学校の窓口に確認してみましょう。社会人の方でWebデザインのスキルを証明したい場合は、誰でも受験できるWebデザイン技能検定やWebクリエイター能力認定試験といった資格から検討してみるのがおすすめです。
