HTML5プロフェッショナル認定試験とは?
概要・難易度・取得後に活かせる仕事を解説
HTML5プロフェッショナル認定試験の概要
HTML5プロフェッショナル認定試験は、HTML5を中心としたWebページ・Webアプリケーションの制作knowledgeを問う民間資格です。運営しているのは、Linux技術者認定として知られるLPICを手がけるLPI-Japan(NPO法人エルピーアイジャパン)です。
※ HTML5とは、Webページの構造を記述するための言語であるHTMLの最新の規格です。動画や音声の再生、図形描画など、従来は別のソフトが必要だった機能をブラウザだけで実現できるようになった点が特徴です。
試験の出題範囲と形式
試験はCBT方式(コンピューターを使った選択式試験)で、全国のテストセンターでいつでも受験できます。出題内容はHTML5やCSS3の文法そのものだけでなく、Canvas・WebSocket・位置情報(Geolocation)・データの保存(Webストレージ)といった、HTML5と一緒に使われるJavaScriptの周辺技術にまで及びます。
レベル1とレベル2の違い
この試験はレベル1とレベル2の2段階構成です。レベル1は「Webページ制作のための知識」を問う内容で、HTML5・CSS3によるマークアップやレイアウト、JavaScriptの基礎が中心になります。レベル2は「Webアプリケーションエンジニアのための知識」と位置づけられ、API活用・パフォーマンス最適化・セキュリティなど、より実装寄りの内容に踏み込みます。
※ レベル2を受験するには、原則としてレベル1に合格していることが条件になります。いきなりレベル2から挑戦することはできない点に注意が必要です。
受験資格・対象者
受験資格に年齢や学歴などの制限はなく、誰でも申し込みが可能です。ただし、レベル2はレベル1合格が前提となるため、実質的には段階を踏んで挑戦する形になります。Web制作の学習を始めたばかりの学生から、実務でフロントエンド開発に携わる社会人まで、幅広い層が受験しています。
難易度・学習時間の目安
レベル1の学習時間は、HTML・CSSの基礎知識がある人なら30〜50時間程度が目安とされています。HTMLタグの意味やCSSのプロパティを暗記するだけでなく、実際にコードを書いて動作を確認しながら覚えると定着しやすくなります。
一方でレベル2は、JavaScriptを使った実装経験がないと一気に難易度が上がります。Canvasでの図形描画やWebSocketによる通信など、参考書を読むだけでは理解しづらい範囲が多いため、学習時間は100時間以上を見込んでおくと安心です。
※ CBT方式とは、紙の試験ではなく会場のパソコンを使って受験する方式のことです。申し込み後、自分の都合の良い日時・会場を選んで受験できます。
取得後に活かせる仕事・関連する職種
フロントエンドエンジニア
Webサイトやアプリの「見える部分」を作るフロントエンドエンジニアにとって、HTML5・CSS3・JavaScriptの知識は土台となるスキルです。とくにレベル2で扱うAPIの知識は、実際の開発現場で使う場面が多く、即戦力としてのアピール材料になります。
Webディレクター・コーダー
自分でコードを書く専門職でなくても、Webサイトの構成を考えたり、制作会社とやり取りしたりする立場であれば、HTML5の基本的な仕組みを理解していることで、できること・できないことの判断がしやすくなります。レベル1の知識だけでも実務上の説得力が増します。
社内SE・Web担当者
企業の広報サイトや採用サイトなどを社内で更新・管理する担当者にとっても、HTML5の基礎知識は役立ちます。外部の制作会社に依頼する際の見積もりや仕様の妥当性を判断する材料としても活用できます。
誕生の背景・歴史
2014年:HTML5のW3C勧告化と試験開始
HTML5は2014年に、Web技術の標準化団体であるW3C(World Wide Web Consortium)によって正式な勧告として公開されました。この前後の時期に、HTML5プロフェッショナル認定試験のレベル1が開始され、その後レベル2が追加される形で現在の2段階構成になりました。
LPI-Japanという団体の意外な背景
この試験を運営するLPI-Japanは、もともとLinuxのスキルを認定するLPICという資格で広く知られている団体です。Linuxサーバーの技術者認定団体が、なぜWeb制作寄りのHTML5資格を手がけているのか、と意外に思う人も少なくありません。
※ LPICとは、Linux技術者向けの国際的な認定資格です。サーバーの構築・運用に関する知識を問う試験として、IT業界で広く認知されています。
どんな人が、どんな目的で取得しているのか
未経験からフロントエンドエンジニアを目指す人
独学やスクールでWeb制作を学んだ人が、自分の知識を客観的に証明する手段として受験するケースが多く見られます。ポートフォリオに加えて資格があることで、未経験からの転職活動で書類選考を通過しやすくなったという声もあります。
社内のWeb担当・広報担当者
本来の業務は別にありながら、会社のサイト更新も任されている、という担当者がレベル1から挑戦するケースもあります。専門職ではなくても、最低限の技術知識を持っていることで、外部とのやり取りがスムーズになります。
ITエンジニアとしてスキルの幅を広げたい人
サーバーサイドやインフラを専門とするエンジニアが、フロントエンドの知識も補強する目的でレベル1・レベル2に挑戦することもあります。担当領域の前後の工程を理解できると、チーム内での連携がしやすくなります。
豆知識:Linuxの資格団体が、なぜHTML5の試験を作ったのか
「LPI」の名前に込められた本来の役割
LPIはもともと「Linux Professional Institute」の略で、Linuxという無料のOSを安心して仕事に使えるよう、技術者のスキルを証明する資格を整備するために生まれた団体です。Linuxは、Webサーバーの多くで実際に使われているOSでもあります。サーバー側の技術を支えてきた団体が、その上で動くWebサイトの「表側」の技術であるHTML5にも資格を広げたのは、サーバーからブラウザまでを一貫してカバーしようという発想の延長線上にあると見ることができます。
レベル2で意外とつまずきやすい「APIの広さ」
レベル2の出題範囲には、地図アプリなどで使われる位置情報の取得機能や、リアルタイム通信を行うWebSocket、ブラウザにデータを保存しておく仕組みなど、見た目のデザインとは直接関係のない「裏側の機能」が数多く含まれます。HTML5を「見た目を作るための言語」というイメージだけで捉えていると、レベル2でこの幅広さに面食らう人が多いというのも、この試験ならではの特徴です。
まとめ ― HTML5プロフェッショナル認定試験は「Web制作の基礎体力」を測る試験
こんな方にとくにおすすめ
- 未経験からフロントエンドエンジニアを目指している方
- 独学やスクールで学んだHTML・CSS・JavaScriptの知識を客観的に証明したい方
- 会社のWebサイト管理を任されており、最低限の技術知識を身につけたい方
取得に向けた第一歩
まずはレベル1の出題範囲に沿った参考書やオンライン教材で、HTML5・CSS3の基本文法とJavaScriptの初歩を学ぶところから始めましょう。学んだ内容はノートにまとめるだけでなく、実際に簡単なWebページを作って手を動かすことで、CBT方式の選択式問題にも対応しやすい知識として定着していきます。レベル1に合格したら、API中心のレベル2へとステップアップしていく流れがおすすめです。
