裁判所職員採用試験(裁判所事務官)とは?
概要・難易度・取得後に活かせる仕事を解説
裁判所職員採用試験の概要
裁判所職員採用試験は、裁判所で裁判事務や司法行政事務を担う「裁判所事務官」を採用するための国家試験です。最高裁判所事務総局が実施しており、裁判の運営を支える事務手続きから、裁判官の補助業務まで、幅広い役割を担う職員を採用する試験として知られています。
※ 裁判所事務官とは、裁判所において訴訟関係の書類作成や記録の管理、裁判官・裁判所書記官の補助など、裁判を支える事務全般を担う国家公務員です。最高裁判所をはじめ、全国の裁判所に配属されるとされています。
総合職試験と一般職試験の2区分
裁判所職員採用試験には、大学院卒・大学卒程度を対象とした「総合職試験」と、主に大学卒程度を対象とした「一般職試験」があるとされています。総合職は将来の幹部候補としての役割が期待される一方、一般職は各地の裁判所で実務を担う職員として採用されるとされ、役割や難易度に違いがあるといわれています。
受験の特例制度 ― 1回の受験で2つの試験に挑戦
受験申込みの際に本人が希望すれば、総合職試験の各試験種目を受験することで、総合職試験に加えて一般職試験の受験者としても合否判定を受けられる「受験の特例」制度があるとされています。この制度を利用することで、1回の受験でより多くの採用の可能性を確保できるといわれています。
試験内容 ― 基礎能力試験・専門試験・人物試験
1次試験では、教養分野を問う基礎能力試験と、法律や経済などの専門分野を問う専門試験(多肢選択)が課されるとされ、基礎能力試験と専門試験の配点比率は1対1とされています。専門試験を突破した受験者は、2次試験で論文や面接などの人物試験に進むとされています。
※ 基礎能力試験とは、文章理解・数的処理・資料解釈・社会事情など、特定の専門分野に限らない一般的な知的能力を問う試験のことです。多くの公務員試験で共通して課される試験形式とされ、早期からの対策が有効といわれています。
難易度・合格率の目安
一般職は合格率10〜40%台、総合職はさらに高難易度
裁判所事務官(一般職・大卒程度区分)の合格率は、年度によって13.8%〜45.4%程度と幅があり、倍率は2.2倍〜7.2倍程度とされています。一方、総合職(大卒程度区分)の合格率は1.9%〜8.8%程度、倍率は11.4倍〜53.7倍程度とされ、一般職と比較してかなり高い難易度になっているといわれています。専門試験の配点比率が高いため、法律や経済といった専門分野の対策が合否を大きく左右するとされています。
取得後に活かせる仕事・関連する職種
各地の裁判所での事務官業務
採用後は、地方裁判所や家庭裁判所など全国各地の裁判所に配属され、訴訟関係の書類作成や記録管理などの事務業務を担うとされています。
裁判所書記官へのキャリアパス
裁判所事務官として経験を積んだ後、裁判所職員総合研修所での研修を経て、裁判所書記官に任用される道が用意されているとされています。書記官は、裁判の記録作成など、より専門性の高い業務を担う役職とされています。
最高裁判所事務総局での行政事務
総合職として採用された場合、最高裁判所事務総局で、裁判所全体の人事・予算・施設管理といった司法行政に関わる業務に携わることもあるとされています。
※ 裁判所書記官とは、裁判の記録作成や訴訟手続きの管理など、裁判の進行に関わる専門的な事務を担う職員です。裁判所事務官として一定の経験を積んだ後、研修を経て任用されるとされています。
誕生の背景・歴史
司法の独立性を支える採用制度
裁判所は、行政機関とは異なる独立した機関として位置づけられており、職員の採用も最高裁判所事務総局が独自に行う制度として整備されてきたとされています。司法権の独立を支える人材を、専用の試験制度によって採用してきたといわれています。
総合職・一般職の区分整備
国家公務員試験全体の制度見直しにあわせて、裁判所職員採用試験も総合職・一般職という区分が設けられてきたとされています。将来の幹部候補と、各裁判所で実務を担う職員とで、それぞれに適した採用区分が用意されてきたといわれています。
どんな人が、どんな目的で取得しているのか
法律分野に関心がある人
大学で法律を学んでいる学生など、法律分野に強い関心を持つ人が、裁判所という現場で働けることを志望理由として受験するケースが多いとされています。
安定した国家公務員としてのキャリアを目指す人
他の国家公務員試験と並行して、安定した職場としての裁判所事務官を目指す人もいるとされています。受験の特例制度を活用し、他の試験と同時に対策を進める人もいるといわれています。
裁判所書記官など専門職を目指す人
将来的に裁判所書記官として、より専門性の高い業務に携わりたいと考える人が、その入口として裁判所事務官試験を受験することもあるとされています。
豆知識:関連資格との違いとステップアップ
国家公務員一般職試験との違い
国家公務員一般職試験は、各府省庁などで行政事務を担う職員を採用する試験です。裁判所職員採用試験は、裁判所という司法機関に特化した採用試験である点が異なり、試験の実施機関も人事院ではなく最高裁判所事務総局が担っているとされています。法律分野への関心が強い場合、裁判所職員採用試験は有力な選択肢の一つとされています。
法律系国家資格との関連
裁判所事務官として裁判の現場で経験を積むことは、法律系の国家資格(行政書士や司法書士など)の学習内容と関連する部分が多いとされています。実務経験を通じて法律の知識を深め、将来的に他の法律系資格にステップアップする人もいるといわれています。
※ 専門試験とは、法律・経済・政治学など、特定の分野に関する専門知識を問う試験のことです。裁判所事務官試験では、憲法・民法・刑法といった法律分野が中心的な出題範囲とされ、基礎能力試験と並ぶ重要な得点源とされています。
まとめ ― 司法の現場を支える国家公務員
こんな方にとくにおすすめ
- 法律分野に強い関心がある方
- 裁判所という専門性の高い職場で働きたい方
- 国家公務員として安定したキャリアを目指したい方
- 将来的に裁判所書記官を目指したい方
取得に向けた第一歩
まずは志望する区分(総合職・一般職)を決め、基礎能力試験と専門試験(憲法・民法・刑法など法律分野が中心)の対策を進めることが第一歩です。受験の特例制度を利用すれば、1回の受験で複数の合否判定を受けられるため、併願先として検討するのもよいでしょう。最新の試験日程・受験資格は、裁判所の公式サイトで確認できます。
