実用ベトナム語技能検定試験(ViLT)について

筆記試験誰でも受験可
民間資格

実用ベトナム語技能検定試験(ViLT)とは?

概要・難易度・取得後の活かし方を解説

実用ベトナム語技能検定試験の概要

実用ベトナム語技能検定試験(ViLT)は、特定非営利活動法人日本東南アジア言語普及交流協会が実施する、日本語を母語とする人のベトナム語運用能力を測る検定試験です。日本国内でベトナム語を学ぶ人にとって、最も認知度の高い検定のひとつとなっています。

ViLTとは、Vietnamese Language Test の略称で、実用ベトナム語技能検定試験の通称として使われています。

試験の出題範囲と形式

準6級から1級までの7段階に分かれており、マークシート形式で実施されます。準6級・6級・5級は問題文が日本語で表記されリスニングも日本語で読み上げられますが、4級から2級になると問題文がすべてベトナム語になり、1級では職場や社会生活で必要となる高度なベトナム語の理解力が問われます。試験時間も準6級の50分から1級の115分まで、級が上がるにつれて長くなっていきます。

マークシート形式とは、選択肢の中から正解を選び、解答用紙の該当箇所を塗りつぶして回答する試験形式のことです。記述式に比べて自己採点がしやすいという特徴があります。

受験資格・対象者

年齢・学歴・国籍を問わず、誰でも受験できます。準6級・6級はベトナム語のアルファベットや声調記号を学び始めたばかりの人でも挑戦しやすいレベルに設定されており、独学者から大学でベトナム語を専攻する学生まで、幅広い層が受験しています。

声調言語ならではの難しさ

ベトナム語は同じ綴りでも声調(音の高低やイントネーション)が異なると意味が変わる言語です。リスニング問題では、この声調の違いを正確に聞き分ける力が試されるため、文字の意味だけでなく音の感覚を養うことが合格への鍵になります。

声調とは、同じ発音でも音の高さや上げ下げのパターンによって意味が変わる仕組みのことです。ベトナム語には6種類の声調があり、声調記号によって表記されます。

難易度・学習時間の目安

★★☆☆☆ 準6級・6級は学びやすく、上位級になるほど高度な運用力が必要

準6級・6級であれば、ベトナム語学習を始めて数ヶ月程度の学習でも合格が見えてきますが、5級・4級になると、文法事項の理解に加えて、ある程度まとまった量の語彙と読解力が必要になります。3級以上を目指す場合は、半年から1年以上、継続的に学習する人が多いとされています。

合格率の目安:準6級・6級・5級は合格率が高く、初学者でも対策をすれば十分に合格を狙えます。一方で、3級以上になると問題文がすべてベトナム語になるため難易度が上がり、1級は職場や社会生活で通用する高度な運用力が求められる、難易度の高い試験とされています。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

製造業・技能実習関連の仕事

日本国内ではベトナム出身の技能実習生・在留外国人が多く、製造業や介護施設などでベトナム語を話せる人材が求められる場面が増えています。3級以上の運用力があれば、現場での通訳的な役割を担える機会が広がります。

技能実習生とは、開発途上国の人材が日本で働きながら技術や知識を学ぶ「技能実習制度」に基づいて来日している外国人のことです。ベトナムは技能実習生の出身国として最も多い国のひとつです。

ベトナムとのビジネスに関わる仕事

製造業やIT分野でベトナムに進出している企業や、ベトナムの企業と取引のある会社では、ベトナム語ができる人材が重宝されます。英語に加えてベトナム語ができることは、担当できる地域や業務の幅を広げる強みになります。

ベトナム語講師・通訳ガイド

2級以上を取得していると、ベトナム語教室や語学スクールで、初級者向けの講師として活動する際の実力の証明になります。観光分野でも、ベトナムからの旅行者に対応できる通訳ガイドとしての需要が見込めます。

誕生の背景・歴史

日本とベトナムの結びつきの強まりとともに

日本とベトナムの経済的な結びつきが強まり、技能実習生や留学生としてベトナムから日本に来る人、逆にベトナムでビジネスを行う日本人が増えるなかで、ベトナム語学習者が自分の実力を客観的に確認できる場として、ViLTが整備されてきました。

7段階の級別制度による学習目標の明確化

準6級から1級までの7段階という細かい級別制度を整えることで、初学者から上級者まで、それぞれのレベルに合った目標を持って学習を続けられる仕組みへと発展してきました。大学のベトナム語学科などでも、学習成果を確認する手段として活用されています。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

趣味でベトナム語を学んでいる人

ベトナム料理や旅行が好きで独学を続けている人にとって、準6級・6級は学習のモチベーションを維持するための、身近な目標として活用されています。

大学でベトナム語を専攻する学生

ベトナム語を専攻する学生にとって、在学中に3級・2級を取得することは、就職活動でのアピール材料になるとともに、自分の語学力の到達度を確認する機会にもなります。

技能実習生と関わる仕事をしている社会人

製造業や介護施設で技能実習生の指導・サポートを担当する社会人が、コミュニケーションを円滑にするための学習目標として、検定の級を活用するケースもあります。少しでもベトナム語で声をかけられることが、現場での信頼関係づくりにつながると感じている人も多いようです。職場全体の雰囲気が和らいだという声も聞かれます。

豆知識:ベトナム語のリアル

アルファベット表記なのに発音は別物

ベトナム語はアルファベットを使って表記されるため、文字を見るだけなら英語に近い印象を受けます。しかし実際には、母音や子音の上下に付く声調記号によって発音や意味が大きく変わるため、見た目の親しみやすさとは裏腹に、耳と口を使った学習が欠かせない言語です。

南北で異なる発音

ベトナム語には大きく分けてハノイを中心とする北部方言と、ホーチミンを中心とする南部方言があり、発音にかなりの違いがあります。検定試験では標準とされる発音が基準となりますが、実際にベトナムで使われている言葉とのギャップに気づくことも、学習の面白さのひとつです。

まとめ ― 成長著しい国とつながる言語スキル

こんな方にとくにおすすめ

  • 趣味でベトナム語を学んでいて実力を確認したい方
  • 技能実習生のサポートやベトナムとのビジネスに関わる方
  • 大学でベトナム語を専攻している方

取得に向けた第一歩

まずは準6級・6級から挑戦し、過去問題で出題形式に慣れることから始めましょう。アルファベットと声調記号の読み方を一通り押さえたら、簡単なベトナム語のニュースや音声教材に触れる習慣をつけると、上位級へのステップアップがスムーズになります。