食品衛生責任者について

在宅受験可誰でも受験可
公的資格

食品衛生責任者とは?

概要・難易度・取得後の活かし方を解説

食品衛生責任者の概要

「食品衛生責任者」は、飲食店や食品を取り扱う施設で、食品衛生上の管理運営を行うために設置が義務付けられている資格です。食品衛生法に基づき、各都道府県の食品衛生協会などが実施する養成講習会を受講することで取得できます。飲食店を新しく開業する際には、保健所への営業許可申請とあわせて、この資格の取得が必要になることがほとんどです。

食品衛生法とは、飲食に関する衛生上の危害発生を防止し、国民の健康を保護することを目的とした法律です。飲食店営業などを行う際には、この法律に基づいてさまざまな基準が定められています。

飲食店など食品関連施設には設置が必須

飲食店営業や食品の製造・加工・販売などを行う施設では、原則として施設ごとに1名以上の食品衛生責任者を置くことが定められています。営業許可を申請する際にも、食品衛生責任者の選任が条件のひとつとなっており、飲食店を開業するうえで欠かせない資格といえます。

養成講習会の受講で取得(試験による選別はなし)

食品衛生責任者は、各都道府県・市の食品衛生協会などが実施する「食品衛生責任者養成講習会」を受講することで取得できます。講習会は1日(おおむね6時間程度)で、衛生法規・公衆衛生学・食品衛生学などを学び、最後に確認のための試験が行われますが、しっかり講義を受けていれば合格できる内容とされています。

養成講習会とは、食品衛生責任者になるために必要な知識を学ぶための講習会のことです。集合形式のほか、近年はパソコンやスマートフォンで受講できるeラーニング形式を導入している協会も増えています。

難易度・学習時間の目安

★☆☆☆☆ 講習会を受講すればほぼ取得できる、入門レベルの資格

食品衛生責任者は、特定の試験に合格して取得するタイプの資格ではなく、養成講習会を受講し、最後の確認テストをクリアすることで取得できる資格です。1日の講習で完結するため、学習時間という意味でのハードルは低く、飲食業界で働く方が最初に取得する資格のひとつとされています。専門的な予備知識がなくても、講習会の中で必要な内容を一通り学べるよう構成されているのも、取り組みやすいポイントです。

調理師・栄養士などの資格を持っている場合は、養成講習会を受講せずに食品衛生責任者になれる場合があります。すでに関連資格をお持ちの方は、管轄の食品衛生協会に確認してみるとよいでしょう。

取得のしやすさ:講習会を最後まで受講すれば、ほとんどの方が取得できる資格とされています。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

飲食店の店長・オーナー

飲食店を開業・運営するうえで、食品衛生責任者の設置は必須条件のひとつです。店長やオーナー自身がこの資格を取得しておくことで、人員配置の制約を受けにくくなるというメリットがあります。複数店舗を展開する場合も、各店舗に責任者を置く必要があるため、開業前にあらかじめ取得しておくと準備がスムーズになります。

食品工場・製造業のスタッフ

食品の製造や加工を行う工場でも、施設ごとに食品衛生責任者の設置が必要です。製造ラインの管理業務に携わる方にとって、衛生管理の基礎知識を学ぶ機会としても役立ちます。

キッチンカー・移動販売の運営者

キッチンカーや移動販売で食品を提供する場合も、営業許可の取得には食品衛生責任者の選任が必要です。新しく飲食関連の事業を始める方にとって、欠かせない第一歩となる資格です。

誕生の背景・歴史

食品衛生法に基づき各施設への配置が制度化

食品衛生責任者の制度は、食品衛生法に基づき、食品を取り扱う施設での衛生管理体制を確保する目的で設けられました。施設ごとに責任者を置くことで、衛生管理の徹底と、食中毒など健康被害の発生防止につなげる仕組みとなっています。

HACCPの考え方に基づく衛生管理の普及とともに重要性が増す

近年、食品関連事業者には「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」の実施が求められるようになっており、現場で衛生管理の中心的な役割を担う食品衛生責任者の重要性も、これまで以上に高まっているといえます。日々の衛生管理の記録づけなど、地味に見える業務の積み重ねが、食の安全を支えていることがよくわかります。

HACCP(ハサップ)とは、食品の製造工程で発生しうる危害要因をあらかじめ分析し、重要な工程を継続的に監視・記録することで、製品の安全性を確保する衛生管理の手法です。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

飲食店の開業を目指す方

これから飲食店を開業しようとする方にとって、食品衛生責任者は営業許可を取るために必要な資格のひとつであり、開業準備の早い段階で取得しておくケースが多く見られます。

飲食・食品業界に転職・就職する方

飲食店や食品工場への転職・就職にあたり、あらかじめ食品衛生責任者を取得しておくことで、採用後すぐに施設の責任者として配置できる人材として評価されることもあります。

副業でキッチンカーや出店を考えている方

イベントなどでの出店や、キッチンカーでの副業を考えている方が、営業許可の取得に向けた準備として講習会を受講するケースもあります。

豆知識:食品衛生責任者をめぐる雑学

1日の講習で取得できる手軽さ

多くの資格が試験対策に時間を要するのに対し、食品衛生責任者は1日の講習会を受講するだけで取得できる手軽さが特徴です。そのため「とりあえず取っておく」という形で、早めに取得しておく方も少なくないようです。

食品関連の資格のなかでも基礎的な位置づけ

食品衛生責任者は、食品表示検定やHACCP普及指導員など、より専門的な食品関連資格に進むうえでの基礎的な位置づけとされることもあります。飲食・食品業界でのキャリアの第一歩として、まず取得しておくとよい資格のひとつといえそうです。一度取得すれば更新の手間もほとんどないため、長く飲食・食品業界で働く方にとって取得しておいて損のない資格といえるでしょう。

まとめ ― 飲食店経営・食品業界の基本となる資格

こんな方にとくにおすすめ

  • 飲食店の開業を考えている方
  • 飲食・食品業界への就職・転職を目指す方
  • キッチンカーやイベント出店を考えている方
  • 衛生管理の基礎知識を身につけたい方

取得に向けた第一歩

食品衛生責任者は、お住まいや勤務先を管轄する食品衛生協会のホームページから養成講習会に申し込むことで取得できます。集合形式に加えてeラーニング形式を選べる協会も増えているため、自分の都合に合わせて受講方法を選ぶとよいでしょう。飲食・食品業界でのスタート地点として、まずこの資格から取得しておくのがおすすめです。資格そのものはシンプルですが、食の安全を支える土台として、現場で長く役立つ知識が身につく機会になるはずです。

公益社団法人日本食品衛生協会|食中毒を予防し、食品衛生の向上を図ります
日本食品衛生協会は、食品等事業者に対する食品衛生の向上や自主管理体制の確立のための食品衛生指導員活動、食品等の試験・検査業務、食品営業賠償共済の推進、各種講習会の開催、食品衛生図書等の頒布普及、消費者に対する情報提供、食品衛生にかかわる国際...