酒匠とは?
概要・難易度・取得後の活かし方を解説
酒匠の概要
「酒匠(さかしょう)」は、日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI/FBO)が認定する、日本酒・焼酎の提供販売者向け資格の中でも最上位に位置づけられる資格です。「唎酒師」「焼酎唎酒師」の両方の資格を保持している方のみが受講・受験できる、ワインのソムリエに相当するような専門資格とされています。お酒の知識を「持っている」段階から、味わいを言葉で伝え「提案できる」段階へと、もう一歩踏み込むための資格といえます。
※ 唎酒師(ききさけし)とは、日本酒の専門知識を持ち、お客様の好みに合わせて日本酒やその楽しみ方を提案できる資格です。酒匠は、この唎酒師と焼酎唎酒師の両方を取得した方が、さらにステップアップするための資格にあたります。
2日間・約18時間にわたるテイスティング講習
酒匠の認定講習は、2日間連続・約18時間にわたって行われます。香りのサンプルや水溶液を使った嗅覚・味覚のトレーニングから始まり、日本酒や焼酎を多数テイスティングしながら、それぞれの特性を見極める能力を磨いていく、非常に実践的な内容です。座学だけでなく、五感をフルに使って学ぶ時間が長いことも、この講習の特徴のひとつです。
一次試験(知識)から二〜四次試験(テイスティング)まで
試験は、唎酒師レベルの広い範囲の日本酒・焼酎の知識が問われる一次試験のあと、二次試験から四次試験までテイスティングに関する試験が行われます。複数回にわたるテイスティング試験が課される点は、他の資格にはあまり見られない酒匠の大きな特徴です。
※ テイスティング試験とは、実際にお酒を飲んで、香りや味わいの特徴を言語化したり、銘柄や種類を見極めたりする試験のことです。知識の暗記だけでなく、感覚を訓練しておく必要があります。
難易度・学習時間の目安
酒匠は、唎酒師・焼酎唎酒師という2つの資格を取得していることが受講・受験の前提条件となるため、まずその土台となる知識とテイスティング経験が必要です。そのうえで、複数回にわたるテイスティング試験を通過する必要があり、日本酒関連資格の中でも難易度の高い資格のひとつとされています。前提資格の取得期間も含めると、ここまで到達するには相応の時間と経験が必要になります。
※ 焼酎唎酒師とは、唎酒師の焼酎版にあたる資格で、焼酎の原料や製法、香味の特徴などについての専門知識を認定するものです。酒匠を目指す場合は、こちらの資格もあわせて取得しておく必要があります。
取得後に活かせる仕事・関連する職種
日本酒バー・専門店の店主・スタッフ
日本酒バーや専門店で、お客様一人ひとりの好みに合わせて銘柄を提案する仕事において、酒匠で培ったテイスティング能力は大きな強みになります。唎酒師よりもさらに深いレベルでの提案が可能になります。
酒蔵・酒販店の品質管理・商品開発担当者
酒蔵や酒販店で、お酒の品質管理や新商品の開発に携わる方にとっても、酒匠で身につけたテイスティングの技術は、味わいの微妙な違いを見極めるうえで役立ちます。
日本酒関連の講師・指導者
唎酒師の養成講座などで講師を務める方にとって、その上位資格である酒匠を取得していることは、指導者としての知識・技術の証明として大きな意味を持ちます。
※ SSI/FBOとは、日本酒サービス研究会(SSI)と料飲専門家団体連合会(FBO)のことで、唎酒師や酒匠など、酒類の提供・サービスに関する資格を認定している団体です。
誕生の背景・歴史
唎酒師の上位資格として位置づけ
酒匠は、日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI/FBO)が、唎酒師資格をさらに発展させる形で位置づけた上位資格です。提供・販売の現場で活躍する唎酒師の中から、より高いテイスティング能力と専門知識を持つ人材を認定する目的で設けられています。資格体系の頂点に位置づけられることで、唎酒師全体のレベルアップにもつながっているといえるでしょう。
「ワインのソムリエ」に相当する位置づけ
酒匠は、ワインの世界における「ソムリエ」のような位置づけの資格として紹介されることもあります。日本酒・焼酎の世界で、提供のプロフェッショナルとして認められる資格のひとつといえるでしょう。
どんな人が、どんな目的で取得しているのか
唎酒師として活動している方
すでに唎酒師として活動している方が、さらに専門性を高めるためのステップアップとして、焼酎唎酒師とあわせて酒匠を目指すケースが多く見られます。日々の接客で得た経験を、より体系的な技術として磨き直す機会にもなるでしょう。
日本酒バー・専門店を運営する方
日本酒バーや専門店を運営する方が、お店の看板資格として、また接客の質を高めるために酒匠を取得することもあります。
テイスティング能力を本格的に鍛えたい方
知識だけでなく、感覚としてのテイスティング能力を本格的に鍛えたいという方が、酒匠の講習・試験を通じてトレーニングを積む目的で挑戦することもあります。
豆知識:酒匠をめぐる雑学
「唎酒師ジュニア」という名称には注意
SSI/FBOの公認・認定資格一覧には、唎酒師、焼酎唎酒師、酒匠などが掲載されていますが、「唎酒師ジュニア」という名称の資格は確認できませんでした。似たような響きの資格名を見かけた場合は、SSI/FBOの公式サイトで正式名称を確認することをおすすめします。資格名は時期によって変更されることもあるため、申し込み前に最新情報をチェックする習慣をつけておくと安心です。
2日間で集中的にテイスティング能力を鍛える
酒匠の講習は2日間・約18時間という短期集中型で行われます。短期間で多数のテイスティングを行うことで、嗅覚・味覚を一気に鍛え上げる、ハードだが実りの大きい講習として知られています。
まとめ ― 日本酒・焼酎のプロフェッショナルとしての証
こんな方にとくにおすすめ
- 唎酒師・焼酎唎酒師として活動している方
- 日本酒バー・専門店を運営している方
- テイスティング能力を本格的に鍛えたい方
- 日本酒・焼酎の世界でプロフェッショナルを目指す方
取得に向けた第一歩
酒匠を目指すには、まず唎酒師と焼酎唎酒師の両方を取得することが第一歩です。日本酒検定などで基礎知識を確認しながら、唎酒師・焼酎唎酒師、そして酒匠へと段階的にステップアップしていくことで、日本酒・焼酎のプロフェッショナルとしての道が開けていきます。一段ずつ階段を上るように知識と経験を積み重ねていくことが、この資格にたどり着く一番の近道といえそうです。
