内部管理責任者資格とは?
概要・難易度・取得後に活かせる仕事を解説
内部管理責任者資格の概要
内部管理責任者資格は、証券会社などの金融商品取引業者において、営業部門の業務が法令や社内規則に従って適切に行われているかをチェックする「内部管理責任者」になるために必要な資格です。日本証券業協会が実施する資格試験に合格することで取得できるとされています。
※ 内部管理責任者とは、証券会社などの営業所において、外務員の勧誘行為や契約締結が法令・社内規則に違反していないかを確認し、問題があれば指導・改善を行う役割を担う担当者のことです。
受験資格 ― 一種外務員資格を持つ協会員の役職員が対象
内部管理責任者資格試験を受験できるのは、日本証券業協会の協会員(証券会社など)の役員、または一種外務員の資格を持つ協会員の使用人とされています。一般の個人が単独で受験することはできず、証券会社などに所属していることが前提となる資格です。
※ 一種外務員とは、株式や債券、投資信託など、ほぼすべての金融商品の勧誘・販売を行うことができる証券外務員資格のことです。二種外務員よりも取り扱える商品の範囲が広く、内部管理責任者資格の受験資格として求められるとされています。
試験内容 ― 「内部管理責任者必携」をベースにした問題
試験は、日本証券業協会が発行する「協会員内部管理責任者必携」というテキストの内容を中心に出題されるとされています。証券取引に関する法令やコンプライアンス、内部管理体制に関する知識が問われ、CBT(コンピュータ試験)方式で実施されるといわれています。
※ CBT(コンピュータ試験)とは、会場に設置されたパソコンを使って、画面上で解答する試験方式のことです。証券外務員資格などと同様に、内部管理責任者資格試験もCBT方式で実施されるとされています。
合格基準 ― 100点満点中60点以上
合格基準は、100点満点中60点以上とされています。1科目ごとに合格でき、年に複数回受験できる機会が設けられているとされ、2年以内にすべての科目に合格することが求められるといわれています。
難易度・合格率の目安
一般会員で約80%台、特別会員ではさらに高い合格率
内部管理責任者資格試験の合格率は、一般会員でおおむね80%台、特別会員ではさらに高い水準とされています。一種外務員資格を取得済みの人が受験することが多く、外務員試験で学んだ法令知識がそのまま活かせるため、比較的取り組みやすい試験とされています。
外務員資格とセットで取得されることが多い
内部管理責任者資格は、証券会社などに入社した後、一種外務員資格を取得した社員が、将来的に営業所の管理職を目指す過程で取得することが多いとされています。外務員資格とあわせて学習することで、効率的に知識を積み上げられるといわれています。
取得後に活かせる仕事・関連する職種
証券会社の営業所の管理職・内部管理責任者
内部管理責任者資格を取得すると、証券会社などの営業所において、内部管理責任者として任命される道が開けるとされています。営業所内の取引やセールス活動が適切に行われているかをチェックする立場として、組織内で重要な役割を担うといわれています。
銀行・信用金庫の証券業務担当者
銀行や信用金庫でも、投資信託や証券の窓口販売を行う部門では、内部管理責任者の配置が求められることがあるとされています。こうした金融機関で証券業務に携わる担当者にとっても、内部管理責任者資格は欠かせない資格の一つとされています。
コンプライアンス部門での業務
内部管理責任者として現場で経験を積んだ人が、本社のコンプライアンス部門やリスク管理部門に異動し、より広い視点で社内規則の整備やチェック体制の構築に携わることもあるとされています。現場での経験は、コンプライアンス業務の実務にも活かせるといわれています。
誕生の背景・歴史
証券取引の適正性を確保する自主規制の一環
内部管理責任者資格は、証券会社などが自主的に営業活動の適正性をチェックする体制を整えるための制度の一環として整備されてきたとされています。証券業界では、顧客との取引において法令違反や不適切な勧誘が起きないよう、現場レベルでのチェック機能が重視されてきたといわれています。
※ 自主規制とは、業界団体である日本証券業協会が、法令とは別に、協会員である証券会社などに対して独自のルールを定め、その遵守状況をチェックする仕組みのことです。内部管理責任者制度も、この自主規制の一部として位置づけられています。
外務員制度との連携
証券外務員制度が整備される中で、営業活動を行う外務員だけでなく、その活動を監督・管理する立場の人材にも専門知識が求められるようになり、内部管理責任者資格が設けられたとされています。外務員制度と一体的に運用されることで、業界全体のコンプライアンス水準を高める役割を果たしてきたといわれています。
どんな人が、どんな目的で取得しているのか
証券会社で管理職を目指す社員
証券会社に勤務し、将来的に営業所の管理職やマネージャーを目指す社員が、キャリアアップの一環として内部管理責任者資格を取得することが多いとされています。営業成績だけでなく、内部管理の知識も求められる役職に就くための必須条件とされている場合もあるといわれています。
銀行・信用金庫で証券業務に携わる人
投資信託の窓口販売などを行う銀行や信用金庫の職員が、業務上必要な資格として内部管理責任者資格を取得することもあるとされています。証券会社に限らず、証券業務を行う金融機関全体で求められる資格といわれています。
豆知識:関連資格との違いとステップアップ
証券外務員資格との違い
証券外務員資格は、証券会社の社員が顧客に対して投資の勧誘や販売を行うために必要な資格です。これに対して内部管理責任者資格は、そうした営業活動が適切に行われているかをチェックする立場の人に必要な資格である点が異なります。外務員として実務経験を積んだ後に、内部管理責任者資格を目指すという流れが一般的とされています。
コンプライアンス・オフィサー認定試験との違い
コンプライアンス・オフィサー認定試験は、金融機関全般のコンプライアンス業務に関する幅広い知識を問う試験です。内部管理責任者資格は証券会社の営業所単位での内部管理に特化している点が異なるとされ、両方を取得することで、より広い視野でコンプライアンス業務に対応できるようになるといわれています。
まとめ ― 証券営業の適正性を支える管理職向け資格
こんな方にとくにおすすめ
- 証券会社で営業所の管理職を目指す方
- 一種外務員資格を取得済みで、次のステップを考えている方
- 銀行・信用金庫で証券業務に携わる方
- コンプライアンス部門への異動を考えている方
取得に向けた第一歩
内部管理責任者資格は、まず一種外務員資格を取得していることが前提となります。外務員資格の取得後、知識が新しいうちに「協会員内部管理責任者必携」を使って学習を進めるのが効率的とされています。受験のタイミングは所属する会社の方針によることが多いため、まずは社内の制度を確認してみるとよいでしょう。
