唎酒師(ききさけし)とは?
概要・難易度・取得までの流れを解説
唎酒師の概要
唎酒師(ききさけし)は、一般社団法人日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)が認定する民間資格で、日本酒に関する専門知識と、お客様に合わせた日本酒を提案するサービス能力を認定するものです。飲食店や酒販店などで日本酒の提供・販売に携わる人を対象とした資格ですが、年齢条件を満たせば誰でも取得を目指せます。
※ 一般社団法人日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)とは、1991年に酒造業界・酒類流通業界の支援を受けて発足した団体で、日本酒・焼酎の提供・販売に従事する人材の育成を目的に活動しています。唎酒師のほか、日本酒検定など複数の資格・検定を実施しています。
唎酒師の役割と求められる能力
唎酒師は、日本酒の原料や製造方法、香味の特徴に関する知識をもとに、お客様の好みやシーンに合わせて日本酒を提案する役割を担うとされています。米の品種や精米歩合、酵母の違いといった製造面の知識に加えて、温度帯による香味の変化や、料理との組み合わせ(ペアリング)に関する知識も求められるとされています。消費者目線とサービス・マネジメントの視点を融合させたカリキュラムが組まれている点が特徴です。
取得までの流れ(受講+認定試験)
唎酒師の資格は、SSIが提供する認定講座を受講したうえで、認定試験に合格することで取得できるとされています。通信コースの場合は、全3回の添削問題に取り組み、すべての課題で基準の正答率を満たすことで認定されるとされています。会場で受講するコースでは、段階を踏んだ試験が実施されるとされています。
※ きき酒とは、日本酒の色・香り・味わいを五感で確認し、品質や特徴を評価することを指す言葉です。唎酒師の学習では、きき酒の技術も学習内容に含まれているとされています。
受講資格 ― 20歳以上が条件
唎酒師の認定講座は、テイスティングを含むことから20歳以上であることが受講条件とされています。年齢以外の制限は設けられておらず、飲食・酒販業界で働く人だけでなく、日本酒に関心のある人であれば誰でも受講・受験できるとされています。
難易度・学習時間の目安
唎酒師の合格率はおよそ80%〜90%程度とされ、ソムリエなどの資格と比べると、講座での学習内容に沿って取り組めば合格しやすい資格といわれています。通信コースの場合、過去の合格率はおよそ84%程度とされ、添削課題で正答率80%以上を満たすことが認定の条件とされています。
取得後に活かせる仕事・関連する職種
飲食店・居酒屋スタッフ
居酒屋や和食店などで、日本酒のメニュー提案やお客様への説明を行うスタッフにとって、唎酒師の知識は商品理解やおすすめの提案に直結するとされています。
酒販店スタッフ
日本酒を販売する酒販店で働く人が、商品の特徴をお客様に説明し、好みに合った商品を提案する際に、唎酒師としての知識が役立つとされています。
日本酒の魅力を発信する人
専門職に限らず、日本酒の魅力をブログやSNSなどで発信したい人が、知識の裏付けとして取得を目指すケースもあるとされています。海外の友人や取引先に日本酒を紹介する機会がある人にとっても、銘柄や味わいの特徴を説明できる知識は役立つとされています。
誕生の背景・歴史
1991年:SSIの発足
SSIは1991年、酒造業界・酒類流通業界などの支援を受けて発足しました。初代会長・木村克己氏、副会長・田崎真也氏らとともに、全国の若手ソムリエ50名がメンバーとなり活動を開始したとされています。第1回の唎酒師受験資格認定講習会・呼称資格認定試験が実施され、188名が唎酒師として認定されたことが、その後の活動の出発点となったといわれています。
※ 呼称資格とは、特定の分野における専門知識やサービス能力を持つことを示す名称として認定される資格のことです。唎酒師やソムリエは、いずれも呼称資格の一例とされています。
累計4万名を超える認定者
発足から30年以上が経過し、唎酒師の認定者数は国際唎酒師を含めて累計4万名を超えているとされています。日本酒の海外輸出が増える中、国内外で日本酒の魅力を伝える人材として活躍の場が広がっているといわれています。
どんな人が、どんな目的で取得しているのか
飲食業界で働く人
居酒屋や和食店で働く人が、日本酒の提案力を高め、お客様の満足度向上につなげる目的で取得を目指すケースが多いとされています。
酒類業界で働く人
酒蔵や酒販店で働く人が、商品知識を体系的に整理し、お客様への説明や商品開発に活かす目的で学ぶこともあるとされています。
日本酒を深く知りたい愛好家
専門職ではない一般の日本酒愛好家が、より深く日本酒を楽しむための知識を得る目的で受講するケースも多いとされています。
※ 日本酒検定とは、SSIが実施する別の検定で、唎酒師のようなサービス能力ではなく、日本酒に関する一般知識を幅広く問う内容となっています。日本酒についてまず気軽に学んでみたい人の入口として活用されることもあるとされています。
豆知識:関連する資格と上位資格
ソムリエ・ワインエキスパートとの関係
唎酒師はワインの専門資格である「ソムリエ」「ワインエキスパート」と同様、飲料に関する専門知識とサービス能力を認定する資格として位置づけられています。ワインを学んだあとに日本酒の唎酒師に挑戦する人や、逆に唎酒師からワインの資格にステップアップする人もいるとされています。
国際唎酒師という上位資格
唎酒師の上位資格として「国際唎酒師」も用意されているとされています。海外で日本酒の魅力を伝える機会が増える中、外国語での説明力を含めたより高度な資格として位置づけられています。
まとめ ― 日本酒の魅力を伝える専門資格
こんな方にとくにおすすめ
- 居酒屋・和食店で日本酒を提案する機会がある方
- 酒販店で日本酒の販売に携わっている方
- 日本酒の魅力をより深く理解したい方
- ワインなど他の飲料資格と組み合わせて学びたい方
取得に向けた第一歩
20歳以上であれば、まずはSSIが提供する認定講座(通信コースまたは会場受講コース)を確認するのが基本の流れです。通信コースは添削課題に取り組みながら自分のペースで学べるとされています。最新の講座内容や受講料は、SSI公式サイトで確認できます。

