電話応対技能検定(もしもし検定)とは?
概要・難易度・取得後の活かし方を解説
電話応対技能検定(もしもし検定)の概要
「電話応対技能検定」は、通称「もしもし検定」とも呼ばれ、公益財団法人日本電信電話ユーザ協会が実施している、電話応対の技能を客観的に評価する検定試験です。新入社員研修や接客・コールセンター業務の品質向上を目的として、全国の企業や教育機関で広く活用されています。
※ もしもし検定とは、電話応対技能検定の通称です。電話を取るときの第一声「もしもし」にちなんで親しみやすい呼び名がつけられており、企業研修の現場では正式名称よりもこちらの呼び方で案内されることが多くあります。
試験の出題範囲と形式
試験は4級・3級・2級・1級・指導者級の5つのグレードに分かれており、級が上がるごとに求められる応対の難度が高くなります。出題形式は筆記試験と実技試験の組み合わせで、筆記では電話応対のマナーやビジネス文書の知識が、実技では実際に電話を受ける場面を想定したロールプレイ形式の応対が評価されます。
受験資格・対象者
4級・3級には受験資格の制限がなく、誰でも申し込むことができます。2級以降は、原則として一つ下の級に合格していることが受験の条件となる「段階制」がとられており、最上位の指導者級は1級に合格したうえで5年以上の指導経験を持つ人だけが対象となる、講師・トレーナー向けのグレードです。
「ビジネス電話検定(でんけん)」との違いに注意
かつて公益財団法人実務技能検定協会が実施していた「ビジネス電話検定(通称でんけん)」という、名称の似た別の検定が存在しましたが、こちらは2019年の筆記試験、2020年の実技試験を最後に試験の実施が終了しています。現在、電話応対のスキルを測る検定として実施されているのは、本ページで紹介している「電話応対技能検定(もしもし検定)」です。資料を探す際は、主催団体と検定名を取り違えないよう注意しましょう。
※ 段階制とは、上位の級を受験するために、その一つ下の級への合格を条件とする仕組みのことです。もしもし検定では、3級・4級から始めて段階的に1級・指導者級へとステップアップしていく設計になっています。
難易度・学習時間の目安
3級・4級は、社会人としての基本的な電話応対マナーが身についていれば、数日〜数週間程度の練習で合格を目指せるレベルとされています。一方、2級以上になると、クレーム対応や折り返し連絡の調整など、より複雑な状況での実技応対が求められるため、研修や実践を重ねたうえでの受験が一般的です。
※ 実技試験とは、試験官や受験者役を相手に、実際に電話を受け取るところから応対を終えるまでを数分間で実演する試験のことです。話す内容だけでなく、声のトーンや言葉遣い、メモの取り方なども評価の対象になります。
取得後に活かせる仕事・関連する職種
コールセンター・カスタマーサポート担当者
電話を通じた顧客対応が業務の中心となるコールセンターやカスタマーサポートでは、応対品質がそのまま企業のイメージに直結します。もしもし検定で学ぶ言葉遣いや状況判断のコツは、クレーム対応や問い合わせ対応の現場で直接役立ちます。
※ カスタマーサポートとは、商品やサービスを利用する顧客からの問い合わせ・相談・クレームなどに電話やメールで対応する業務のことです。電話応対の良し悪しが企業への信頼に直結しやすい職種のひとつです。
受付・総務・秘書職
来客対応や社内外からの電話を取り次ぐ機会が多い受付・総務・秘書職にとって、電話応対は会社の「顔」としての役割を担う業務です。取り次ぎのミスや言葉遣いの不備は、相手企業との関係にも影響するため、基礎を体系的に確認できる点が評価されています。
新入社員研修の講師・指導担当者
毎年多くの企業で実施される新入社員研修では、電話応対のロールプレイが定番のプログラムです。指導者級の取得者は、こうした研修の講師やトレーナーとして、若手社員に体系的な指導を行う立場で活躍することができます。
誕生の背景・歴史
1976年:日本電信電話ユーザ協会の設立
主催団体である日本電信電話ユーザ協会は1976年に設立された団体で、電話をはじめとする通信機器の適正な利用や、利用者側のマナー向上に関する活動を長年にわたり行ってきました。電話応対技能検定は、こうした活動の一環として整備された資格制度です。
「電話の取り方」が企業の課題になった時代背景
電話が企業活動における主要な連絡手段だった時代、応対品質のばらつきは多くの企業にとって共通の悩みでした。新入社員一人ひとりの自己流の応対に任せるのではなく、客観的な基準で技能を測り、段階的に向上させていく仕組みへの需要から、現在のような級別の検定制度が形作られていきました。
どんな人が、どんな目的で取得しているのか
入社直後の新社会人
社会人としての電話応対に自信が持てない新入社員が、研修の総仕上げとして3級・4級を受験するケースが多く見られます。合格という形で基礎を確認できることが、その後の業務への自信につながります。
企業の人事・教育担当者
新入社員研修や接客研修のカリキュラムを企画する人事・教育担当者が、研修内容の客観的な到達目標として検定を取り入れることもあります。社内研修だけで終わらせず、外部の検定基準と照らし合わせることで、研修の効果を測りやすくなります。
接客業・サービス業で働く人
飲食店や宿泊施設、医療機関の受付など、電話での予約対応や問い合わせ対応が日常的に発生する職場で働く人にとっても、基本的な応対マナーを見直すきっかけとして役立つ検定です。
豆知識:「もしもし」に込められた意味
「もしもし」はもともと電話特有の言葉だった
「もしもし」という呼びかけは、電話の普及初期に「申し上げます、申し上げます」を略した言葉として広まったとされています。電話交換手を介して通話していた時代には、相手に呼びかけて応答を確認するための言葉として重要な役割を果たしていました。検定の通称にこの言葉が使われている点には、電話応対の歴史そのものが反映されているともいえます。
最上位の「指導者級」は人に教えるための級
多くの検定では「最上級=自分のスキルの証明」という位置づけになりますが、もしもし検定の指導者級は、自分自身の応対技能だけでなく、社内で他の社員を指導できる力があるかどうかを問う、やや特殊な位置づけのグレードです。1級合格と5年以上の指導経験という条件からも、現場で長く電話応対の指導に携わってきた人のための級であることがわかります。
まとめ ― 「電話の第一声」に自信をつける検定
こんな方にとくにおすすめ
- 入社して間もなく、電話応対に苦手意識がある新社会人の方
- 新入社員研修・接客研修の内容を見直したい人事・教育担当の方
- コールセンターや受付など、電話対応が業務の中心となる職種の方
取得に向けた第一歩
まずは受験資格の制限がない4級・3級から挑戦し、日々の電話応対の中で意識すべきポイントを体系的に確認することから始めてみましょう。検定で学んだ基本を実際の業務で繰り返し使ってみることが、自然な応対力を身につける一番の近道になります。
