インテリアプランナーについて

実技試験あり筆記試験誰でも受験可
民間資格

インテリアプランナーとは?

概要・難易度・取得後の活かし方を解説

インテリアプランナーの概要

インテリアプランナーは、公益財団法人建築技術教育普及センターが認定する民間資格で、建築物の室内空間(インテリア)の企画・設計に関する専門知識と実技能力を証明するものです。建築の知識を土台にしながら、住む人・使う人にとって快適な空間をつくる視点が問われます。

建築技術教育普及センターとは、建築士試験やインテリアプランナー試験など、建築関連資格の試験事務を行っている公益財団法人です。木造建築士試験も同センターが実施しています。

試験の出題範囲と形式

試験は「学科試験」と「設計製図試験」の2段階です。学科試験は2時間30分でマークシート形式の50問、設計製図試験は6時間という長丁場で、平面図・断面図・展開図・詳細図・家具表など複数の図面を仕上げる実技試験となっています。学科試験に合格した人だけが設計製図試験に進めます。

展開図とは、部屋の四方の壁面を、内側から見た状態でそれぞれ描いた図面のことです。家具の配置や壁面の仕上げなど、インテリアの細部を伝えるために用いられます。

受験資格・対象者

受験資格に年齢・学歴・実務経験などの制限は設けられておらず、誰でも受験できます。建築士やインテリアコーディネーターなど、すでに建築・インテリア分野で働いている人だけでなく、これから専門性を高めたいと考えている人にも開かれた試験です。

インテリアコーディネーターとは、住まいや店舗のインテリアについて、家具・カラー・素材などの提案を行う専門家を認定する資格のことです。インテリアプランナーとは異なる団体が認定する別の資格です。

難易度・学習時間の目安

★★★★☆ 設計製図試験の図面表現力が問われる難関レベル

学科試験はマークシート形式のため、過去問演習を中心とした対策で合格率60%前後を狙うことができます。一方、設計製図試験は6時間で複数の図面を仕上げる必要があり、図面の正確さに加えて美しさや表現力も評価対象になるため、実際に手を動かして図面を描く練習を繰り返すことが欠かせません。製図の練習は独学だけでは進め方が分かりにくいため、講座やスクールを活用する人も多いようです。

家具表とは、部屋に配置する家具の種類・サイズ・数量などを一覧にした表のことです。設計製図試験では、図面と整合性のとれた家具表を作成する力も求められます。

合格率の目安:学科試験の合格率は60%前後ですが、設計製図試験の合格率は25%前後にとどまります。最終的な合格率はおおむね20%前後で、建築士試験と同様、製図試験が大きな関門になっています。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

住宅・店舗の内装設計担当

住宅やオフィス、店舗などの内装設計を手がける設計事務所や工務店では、インテリアプランナーの資格を活かして、空間のレイアウトや家具配置、仕上げ材の提案など、内装に特化した提案ができるようになります。

インテリアコーディネーターとのダブルライセンス

インテリアコーディネーターが主に商品選定・コーディネートを担当するのに対し、インテリアプランナーは図面を描いて空間そのものを設計する力を証明します。両方の資格を持つことで、提案から設計図面の作成まで一貫して対応できる人材になれます。

建築士事務所でのリノベーション・改修設計

建物の構造はそのままに内装を一新するリノベーション案件では、インテリア空間の設計力が特に重視されます。建築士の資格と組み合わせることで、構造とインテリアの両面から提案できる設計者として強みを発揮できます。

誕生の背景・歴史

「設計力」を伴うインテリア専門家へのニーズ

インテリアに関する資格には商品コーディネート中心のものも多くありますが、実際の建築現場では、図面を読み書きできる「設計力」を持ったインテリア専門家が求められる場面が数多くあります。こうしたニーズに応えるため、建築技術教育普及センターによってインテリアプランナー試験が設けられました。

建築士試験と共通する「製図」という関門

インテリアプランナー試験の設計製図試験は、建築士試験の設計製図試験と似た形式で実施されており、長時間にわたって図面を仕上げる集中力と技術が求められます。建築士試験の対策経験がある人にとっては、その経験を活かしやすい試験ともいえます。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

インテリアコーディネーターとして実務経験を積んだ人

インテリアコーディネーターとして商品提案を中心に経験を積んだ人が、図面作成のスキルを身につけてキャリアの幅を広げる目的で取得を目指すケースが多く見られます。

建築士資格を持つ設計者でインテリアを強化したい人

建築士として構造や法規の知識は持っているものの、インテリア分野の提案力をさらに高めたいという設計者が、専門性をアピールするために取得するケースもあります。

インテリア業界で独立・開業を目指す人

将来的にインテリアデザインの分野で独立を考えている人が、設計図面を自分で作成できることを示すために取得するケースもあります。提案だけでなく図面まで一人で完結できることは、独立後の強みになります。

豆知識:インテリアプランナーという資格の立ち位置

「コーディネート」と「設計」の境界線にある資格

インテリア関連の資格は、家具やカラーの提案を中心とする「コーディネート系」と、図面を描いて空間を設計する「設計系」に大きく分けられます。インテリアプランナーは後者に位置づけられ、建築士に近い専門性を持つ点が、他のインテリア資格との大きな違いです。

6時間という試験時間の長さ

設計製図試験の試験時間は6時間にも及びます。これは、複数の図面を整合性のとれた形で仕上げるために必要な時間とされており、体力面でも集中力の持続が求められる試験です。受験者の中には、試験当日の体調管理や時間配分の練習を入念に行う人も少なくありません。昼食を挟んでの長丁場となるため、休憩のタイミングまで含めて作戦を立てておくことが大切です。

まとめ ― 「描けるインテリア専門家」を目指す資格

こんな方にとくにおすすめ

  • インテリアコーディネーターから設計力を身につけてステップアップしたい方
  • 建築士資格に加えて、インテリア分野の専門性を強化したい方
  • インテリアデザインの分野で独立・開業を目指している方

取得に向けた第一歩

まずは建築技術教育普及センターの公式サイトで、最新の試験日程と過去問を確認しましょう。学科試験は過去問演習を中心に、設計製図試験は実際に時間を計って図面を描く練習を早い段階から取り入れることが、合格への近道になります。製図に苦手意識がある人ほど、早めに第三者から図面の評価をもらう機会を作ることをおすすめします。