BATIC(国際会計検定)とは?
概要・難易度・今学ぶならどうするかを解説
BATIC(国際会計検定)の概要
BATIC(国際会計検定)は、東京商工会議所が実施していた、英語で国際会計の知識を問う検定試験です。「英語力」と「会計知識」を同時に測定できる、当時としてはユニークな検定として知られていました。
※ BATICとは、Bookkeeping and Accounting Test for International Communicationの略で、「国際コミュニケーションのための簿記・会計テスト」という意味の検定名称です。
試験の出題範囲と形式(Subject1・Subject2)
BATICは「Subject1(英文簿記)」と「Subject2(国際会計理論)」の2科目で構成されていました。Subject1は日商簿記3級程度の知識をもとに、英語の財務諸表を読み解く力が問われ、Subject2は日商簿記2級程度の知識を前提に、国際的な会計基準についての理解が問われる内容でした。
受験資格・対象者
受験資格に制限はなく、誰でも受験できる検定でした。簿記の知識がある人だけでなく、英語力を生かして会計分野で働きたい人や、海外勤務を見据えるビジネスパーソンにも開かれた試験でした。
現在は新規受験ができない検定です
大切な前提として、BATICは2022年の第44回試験をもって終了しており、現在は新規に受験することができません。このページでは、これまでBATICがどのような検定だったのかを紹介するとともに、これから英語×会計のスキルを伸ばしたい方に向けて、代わりとなる学習の選択肢もご紹介します。
※ 検定試験は終了していますが、すでにBATICを取得した方の称号は、引き続き使用できるとされています。公式テキスト・問題集も、学習用として購入は可能です。
難易度・学習時間の目安
BATICは合否ではなく、0〜1000点のスコアで結果が示される形式でした。スコアに応じて「アカウンタントレベル」「アカウンティングマネジャーレベル」「コントローラーレベル」という3段階の称号が与えられていました。
Subject1(英文簿記)の難易度
Subject1は、日商簿記3級程度の知識があれば取り組みやすい内容とされていました。英語の会計用語に慣れることが最初のハードルで、簿記の基本を英語で学び直すようなイメージで学習が進められていました。
Subject2(国際会計理論)の難易度とIFRS
Subject2は日商簿記2級程度の知識が前提となり、より専門的な内容が問われていました。2015年度からは、出題の基準が米国会計基準(US GAAP)から、国際財務報告基準(IFRS)に変更されたことも、大きな特徴のひとつです。
※ IFRS(国際財務報告基準)とは、国際的に統一された会計基準のことです。多くの国・地域の上場企業で採用が進んでおり、グローバルに事業を展開する企業にとって欠かせない知識のひとつです。
取得後に活かせる仕事・関連する職種
外資系企業の経理・財務職
英語で書かれた財務諸表や会計資料を読み解く力は、外資系企業の経理・財務部門で直接役立つスキルです。BATICで身につけた知識は、英語の決算資料に抵抗なく向き合うための土台になります。
海外赴任・グローバル部門の担当者
海外子会社の管理や、グローバル本社とのやり取りを行う部門では、現地スタッフと会計用語で円滑にコミュニケーションできることが強みになります。BATICはそうした場面を想定した内容になっていました。
USCPA(米国公認会計士)など上位資格へのステップ
英語×会計という組み合わせに慣れておくことは、USCPAのような英語で実施される会計系資格への準備としても有効とされていました。BATICで土台を作り、その後より専門的な資格に進むという流れも見られました。
※ USCPA(米国公認会計士)とは、アメリカの各州が認定する会計士資格です。国際的な会計基準に基づく知識が問われ、グローバル企業や会計事務所などで評価される資格として知られています。
誕生の背景・歴史
2001年:グローバル化に対応する検定として誕生
BATICは2001年に、東京商工会議所によって開始されました。企業活動のグローバル化が進む中で、「英語」と「会計」を両立して測定できる検定が求められた時代背景があったとされています。
2015年:US GAAPからIFRSへの転換
その後、世界的にIFRSの採用が広がる流れを受けて、2015年度からSubject2の出題基準がUS GAAPからIFRSに変更されました。会計基準のグローバルな潮流を反映した、検定内容のアップデートだったといえます。
2022年:第44回試験をもって終了
BATICは2022年11月の第44回試験を最後に、その実施を終了しました。約20年にわたって実施されてきた、英語×会計のユニークな検定としての歴史に幕が下りた形です。
どんな人が、どんな目的で取得していたのか
外資系・商社で働く経理担当者
日々の業務で英語の会計資料に触れる機会が多い人にとって、BATICは自分の英語×会計のスキルを客観的に示す手段として活用されていました。
英語力と会計知識を両方アピールしたい就活生・転職者
TOEICなどの英語資格と、簿記などの会計資格を別々に持っているだけでは伝わりにくい「両方を組み合わせた力」を、ひとつの検定でアピールできる点が評価されていました。
海外大学・留学経験者
留学などで英語に慣れている一方、日本の会計知識が手薄になりがちな人にとって、BATICは英語の延長線上で会計の知識を整理し直すきっかけとして活用されていました。
豆知識:約20年で姿を消した「英語×会計」検定
なぜBATICは終了したのか
BATICが終了した明確な理由は公式には詳細に説明されていませんが、TOEICなど英語力を測る資格の普及や、USCPAなど国際的な会計資格の選択肢が増えたことなど、検定を取り巻く環境の変化が背景にあったのではないかと考えられています。
取得した称号は今も使える
検定そのものは終了しましたが、すでにBATICのSubject1・Subject2に合格して称号を得ていた人は、その称号を引き続き名乗ることができるとされています。一時代の検定として、履歴書やプロフィールに記載され続けているケースもあります。
まとめ ― 「英語×会計」を学ぶなら、次の一歩を考えるタイミング
こんな方に参考になる検定でした
- 外資系企業や商社で、英語の会計資料に触れる機会が多い人
- 英語力と会計知識をセットでアピールしたかった人
- USCPAなど英語で実施される会計資格に興味がある人
- これまでのBATICの取得者として、自身の称号の意味を振り返りたい人
今学ぶなら、どう動くか
BATICは新規受験できませんが、「英語×会計」という方向性自体は今も有効です。会計の土台を日商簿記検定で固めつつ、英語力はTOEICなどで伸ばし、さらに専門性を高めたい場合はUSCPAやIFRS関連の検定を検討するのがおすすめです。BATICが目指していた「英語で会計を理解する力」は、形を変えて今も求められているスキルだといえます。
