公認心理師とは?
概要・難易度・取得のメリットを解説
公認心理師の概要
公認心理師は、公認心理師法(2017年施行)に基づく日本初の心理職の国家資格です。心理に関する支援を要する人への心理状態の観察・分析、心理に関する相談・助言・指導、心の健康に関する知識の普及啓発などを業務とします。医療・保健、教育、福祉、産業・労働、司法・犯罪など幅広い分野で活躍できる、心理職のスタンダード資格として位置づけられています。
※ 公認心理師は名称独占資格(業務独占ではない)で、大学・大学院での指定科目履修が主な受験資格です。試験は年1回実施され、医療機関・学校・企業・相談機関などで幅広く求められる心理職の基盤資格となっています。2017年の国家資格化以前は民間資格の「臨床心理士」が事実上の業界標準でしたが、国家資格化により心理職の社会的認知が高まっています。
どんな人のための資格?
大学で指定科目を修了し大学院進学(または実務経験)のルートを経た方が受験対象です。医療・保健(病院・クリニック)、教育(スクールカウンセラー)、産業(EAP・企業内カウンセラー)、福祉・司法分野での心理職キャリアを目指す方に選ばれています。
試験の受け方
公認心理師試験は年1回(通常7月頃)実施されます。試験は筆記試験(択一式・多肢選択式)で、心理学・臨床心理学の広範な知識が問われます。受験資格は「大学での指定科目修了+大学院での指定科目修了」または「大学での指定科目修了+2年以上の実務経験」などが主なルートです。
※ 公認心理師試験の合格率は50〜60%程度が目安です(大学院修了者が主な受験層)。試験は「基礎心理学・発達心理学・臨床心理学・医療心理学・産業心理学・法と心理」など幅広い分野をカバーし、事例問題も多く出題されます。大学院での専門教育が合格の鍵となります。
受験資格や試験内容は変更される場合があります。お申し込み前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
難易度・学習時間の目安
結論からいうと、公認心理師は「大学・大学院での指定科目修了が必要な、心理職の唯一の国家資格」です。大学院レベルの専門知識と幅広い心理学の理解が求められ、試験合格率も50〜60%と決して容易ではありません。
客観的な目安となる数値
- 合格率の目安:50〜60%程度
- 取得期間:大学4年+大学院2年(合計6年)が標準ルート
取得後に活かせる仕事・関連する資格
- 医療機関(病院・クリニック)での心理士・心理療法士として患者支援
- 学校・教育相談センターでのスクールカウンセラーとして児童生徒支援
- 企業・EAP機関での産業カウンセラー・メンタルヘルス支援として活躍
関連する資格にも目を向けてみよう
- 臨床心理士:公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会の認定資格(公認心理師と並ぶ心理職の代表資格)
- 産業カウンセラー:職場のメンタルヘルス・キャリア相談に特化した民間資格
※ 公認心理師と臨床心理士を両方取得する心理職が増えており、医療・教育・産業分野での心理士の求人では「公認心理師または臨床心理士」を要件とするケースが多いです。それぞれの記事も準備が整い次第、このサイトでご紹介していく予定です。
誕生の背景・歴史
日本では長らく心理職の国家資格が存在せず、「臨床心理士(民間資格)」が事実上の業界標準として普及してきました。しかし、医療・福祉・教育の現場での心理職への需要拡大と、資格の公的認知の必要性から、2015年に公認心理師法が成立し、2017年に施行されました。第1回試験は2018年に実施され、心理職が初めて国家資格として法的に位置づけられました。
どんな人が、どんな目的で取得しているのか
- 心理学専攻の大学院生・大学生 ― 心理職として就職するための必須資格として取得
- 医療・福祉・教育分野の心理職 ― スクールカウンセラー・医療心理士などの採用要件として取得
- 企業の人事・EAP担当者 ― 職場のメンタルヘルス支援の専門性証明として取得
こんな人におすすめ・こんな人にはやや物足りないかも
- おすすめな人:心理職として医療・教育・産業分野でのキャリアを築きたい方/心理学の国家資格として最高レベルの専門性を証明したい方
- やや物足りないかもしれない人:大学院進学が難しく短期間で資格を取得したい方(産業カウンセラーや認定心理士が適しています)/職場のキャリア相談に特化したい方(産業カウンセラーが適しています)
豆知識:「公認心理師」と「臨床心理士」の違い
公認心理師は「国家資格(公認心理師法に基づく)」で文部科学省・厚生労働省が所管します。一方、臨床心理士は「民間資格(日本臨床心理士資格認定協会認定)」ですが、1988年の設立から長い実績と知名度を持ちます。両者の最大の違いは「資格の法的根拠」で、公認心理師は国家資格として採用要件に明記されるケースが増えています。現在は両方を取得するケースが多く、相互補完的な関係にあります。
まとめ ― 心理職の唯一の国家資格「公認心理師」
公認心理師は、「人の心に寄り添い、医療・教育・産業・福祉の幅広い現場でプロとして活躍したい」という方にとって、心理職キャリアの基盤となる国家資格のひとつです。
「心の力で、人と社会を支えたい」――そう思ったときの目標として、公認心理師はきっと頼れる存在になってくれるでしょう。
