獣医師について

筆記試験実務経験・学歴が必要
国家資格

獣医師とは?

概要・難易度・取得のメリットを解説

獣医師の概要

獣医師は、獣医師法に基づく国家資格で、動物の診察・治療・外科手術・予防接種・公衆衛生などを業として行える専門職です。犬・猫・小動物を診る「小動物臨床(ペット専門)」から、牛・馬などの「産業動物臨床」、動物園・水族館、食品衛生・公衆衛生(保健所・食肉検査)、農林水産省・環境省などの公務員獣医師まで幅広い活躍フィールドがあります。

※ 獣医師になるには「6年制の大学獣医学科・獣医学部を卒業」→「獣医師国家試験合格」→「農林水産大臣への登録」が必要です。全国の獣医学科を持つ大学は限られており(国公立・私立合わせて17大学程度)、入学難易度も高い。獣医師資格は名称独占のみならず業務独占でもあり、資格なしに動物の診療行為は行えません。

どんな人のための資格?

大学6年間(獣医学部・獣医学科)を修了した方が対象です。ペット(犬・猫)の医療に携わりたい方、産業動物(牛・豚・鶏)の衛生管理を担いたい方、公衆衛生・食品安全の専門家を目指す方、研究機関・製薬会社での動物実験管理の専門家を目指す方に選ばれています。

試験の受け方

獣医師国家試験は年1回(2月頃)実施されます。試験科目は「基礎獣医学」「応用獣医学」「臨床獣医学」「獣医公衆衛生学」など広範囲の知識が問われる筆記試験です。大学6年間の専門教育カリキュラムを修了することが受験の前提となります。

※ 獣医師国家試験の合格率は80〜85%程度が目安で、大学で6年間学んだ上での受験のため合格率は比較的高いです。ただし大学の獣医学科への入学競争倍率は非常に高く(旧帝大獣医系・日本獣医生命科学大学等)、「獣医師になるための最初のハードル」は大学入試にあるともいえます。

受験資格や試験内容は変更される場合があります。お申し込み前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

難易度・学習時間の目安

★★★★★ 非常に難しい ― 6年間の大学専門教育(大学入試から含めると最難関クラス)が必要です

結論からいうと、獣医師は「6年間の大学獣医学教育を修了して取得する、動物医療の最上位国家資格」です。大学入試の難易度が高く、6年間の専門教育・実習・国家試験合格まで長い道のりが必要ですが、取得すれば動物医療・公衆衛生・研究・行政など幅広いキャリアフィールドが開けます。

客観的な目安となる数値

  • 国家試験合格率の目安:80〜85%程度
  • 取得期間:大学獣医学部・獣医学科6年間のカリキュラム修了が必要

取得後に活かせる仕事・関連する資格

  • 動物病院・ペットクリニックでの院長・勤務獣医師として診療業務全般
  • 産業動物(牛・豚・鶏)の診療・衛生管理・生産指導に従事
  • 保健所・食肉検査所での食品衛生・公衆衛生の行政獣医師として

関連する資格にも目を向けてみよう

  • 愛玩動物看護師:動物病院でのチーム医療のパートナー国家資格
  • 獣医療機器専門家(認定):動物医療機器・検査の専門知識を深める資格

※ 獣医師資格取得後は「外科・内科・皮膚科・腫瘍科・眼科・歯科」などの専門科目の「獣医師専門医(認定医)制度」があり、専門性を深めることができます。コンパニオンアニマル(ペット)医療の高度化・専門化が急速に進んでおり、専門獣医師への需要が高まっています。それぞれの記事も準備が整い次第、このサイトでご紹介していく予定です。

誕生の背景・歴史

獣医師制度は日本では明治時代から整備が進み、1948年の獣医師法制定により現在の制度が確立されました。当初は馬・牛などの産業動物の医療・家畜伝染病予防が中心でしたが、高度経済成長後のペット(犬・猫)飼育の急増とともにコンパニオンアニマル医療が獣医師の主要な領域となりました。現在は全国に約4万人の獣医師が登録しています。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

  • 動物・ペット医療に強い使命感を持つ学生 ― 動物の命を救う医師として活躍したい人
  • 公衆衛生・食品安全の専門家を目指す方 ― 保健所・食品検査機関で社会を守る獣医師を目指す人
  • 製薬・バイオ研究のキャリアを目指す方 ― 動物実験・薬物動態研究の専門家として活躍したい人

こんな人におすすめ・こんな人にはやや物足りないかも

  • おすすめな人:動物の診察・治療・手術を担うプロとして活躍したい人/動物医療・公衆衛生・研究で幅広いキャリアを追求したい人
  • やや物足りないかもしれない人:動物の看護・ケアに特化したい方(愛玩動物看護師が適しています)/ペットのトリミング・グルーミングに特化したい方(トリマー資格が適しています)

豆知識:「人獣共通感染症(ズーノーシス)」と獣医師の役割

「人獣共通感染症(ズーノーシス)」は、動物と人間の両方に感染する疾患の総称で、狂犬病・鳥インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症(COVID-19は動物由来と推定)・腸管出血性大腸菌感染症(O157)などが代表例です。獣医師は「One Health(人・動物・環境の健康は一体)」の考え方のもと、動物の健康管理を通じて人間の感染症予防・公衆衛生にも重要な役割を果たしています。

まとめ ― 動物の命と社会の健康を守る「動物医療の最高峰」、獣医師

獣医師は、「動物の命を救い、人と動物が共に健康に生きられる社会の実現に貢献したい」という方にとって、長い学習の先に輝く動物医療・公衆衛生の国家資格のひとつです。

「動物の痛みに寄り添い、飼い主の悲しみを笑顔に変えたい」――そう思ったときの目標として、獣医師はきっと頼れる存在になってくれるでしょう。