プロジェクトマネージャ試験とは?
概要・難易度・取得のメリットを解説
プロジェクトマネージャ試験の概要
プロジェクトマネージャ試験(PM試験)は、ITプロジェクトの計画・実行・管理を高度な水準でこなすプロジェクトマネージャの知識・実践力を認定する国家試験です。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「情報処理技術者試験」の中でも最高レベルに位置づけられる「高度試験」のひとつです。IT業界での経験と広範な管理知識が求められる難関試験です。
※ プロジェクトマネージャ(PM)とは、システム開発・ITプロジェクトの責任者として、スケジュール・コスト・品質・リスクを管理しながらプロジェクトを成功に導く役割を担う人材のことです。PM試験では「大規模・複雑なITプロジェクトを指揮・統括できるレベル」の知識と経験が問われます。
どんな人のための資格?
受験資格は特になく、誰でも受験できます。実際には「ITプロジェクトのリーダー経験を数年以上積んだエンジニア・SEが次のキャリアステップとして目指す」ケースが多い資格です。「システム開発のマネジメントを専門的に担いたい」「IT企業での管理職・プロジェクトリーダーとして評価されたい」という方に選ばれています。
試験の受け方
試験は年1回(10月)実施されます。「午前Ⅰ(共通知識・マークシート)」「午前Ⅱ(専門知識・マークシート)」「午後Ⅰ(記述式)」「午後Ⅱ(論述式・小論文)」の4部構成で、1日かけて実施されます。特に「午後Ⅱ」の論述式では、自身のプロジェクト経験をもとにした具体的な論文を書く必要があります。
※ 午後Ⅱの論述式試験では、「実際にあなたが担当したプロジェクトにおける問題とその解決策」などのテーマで2,000〜3,000字程度の論文を作成します。「自分のプロジェクト経験を体系的に整理・言語化する力」が問われるため、実務経験のある方が有利な試験設計となっています。
受験資格や試験内容は変更される場合があります。お申し込み前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
難易度・学習時間の目安
結論からいうと、プロジェクトマネージャ試験は「合格率15%前後、500〜1,000時間以上の学習が必要といわれるIT高度試験の最難関クラス」です。特に「午後Ⅱ論述」は自分のプロジェクト経験を整理して文章化する独特の試験であり、実務経験がある人が有利です。
客観的な目安となる数値
- 合格率の目安:15%前後(他のIT高度試験と同水準)
- 学習時間の目安:500〜1,000時間程度が目安(IT業務の実務経験がある方は論文対策に注力できます)
取得後に活かせる仕事・関連する資格
- IT企業でのプロジェクトマネージャ・プロジェクトリーダーとして大規模案件を担当
- SIer・コンサルティングファームでのシステム開発PMとしてのキャリアアップ
- IT調達・発注側の企業でのベンダーマネジメント・プロジェクト監督業務
関連する資格にも目を向けてみよう
- PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル):PMIが認定する国際的なプロジェクトマネジメント資格
- ITストラテジスト試験:経営戦略とITを結びつける最高位のIT国家試験
※ プロジェクトマネージャ試験(国内)とPMP(国際)を両方取得することで、「国内でも海外でも通用するITプロジェクトマネージャ」としての信頼性が大きく高まります。それぞれの記事も準備が整い次第、このサイトでご紹介していく予定です。
誕生の背景・歴史
プロジェクトマネージャ試験は1994年に情報処理技術者試験の高度試験として設置されました。ITシステムの大型化・複雑化が進む中で、「プロジェクト全体を管理できる高度な人材の必要性」が高まったことが背景にあります。現在でも国内IT業界での「プロジェクトマネジメント能力の権威ある証明」として評価されています。
どんな人が、どんな目的で取得しているのか
- ITエンジニア・SEでキャリアアップを目指す方 ― 技術者からマネジメント職へのステップアップとして
- プロジェクトリーダー経験を持つ方 ― 実務経験を国家資格として認定・証明したい人
- IT企業の管理職・課長・部長クラスを目指す方 ― 高度な管理能力の証明として
- フリーランスのITコンサルタント ― 高単価案件獲得のための信頼性向上として
こんな人におすすめ・こんな人にはやや物足りないかも
- おすすめな人:ITプロジェクトのマネジメント経験を持つエンジニア・SE/国家資格としての信頼性でキャリアを強化したい人/国内SIer・大企業のIT部門でのキャリアアップを目指す人
- やや物足りないかもしれない人:IT業界外でのプロジェクトマネジメント能力を証明したい方(その場合はPMPが国際的に認知されているため適しています)
豆知識:「デスマーチ」を防ぐのがプロジェクトマネージャの使命
IT業界では「デスマーチ」という言葉があります。プロジェクトのスケジュール・コスト・品質管理が崩れ、メンバーが過労に追い込まれながらも完成できない悪循環状態を指します。プロジェクトマネージャは「デスマーチを起こさないよう、適切な計画・監視・リスク管理を実施する」ことが最大の使命のひとつです。「人と技術とビジネスをつなぐマネジャー」として、IT業界での人的・経済的損失を防ぐ重要な役割を担っています。
まとめ ― ITプロジェクトを成功に導く「管理のプロ」を証明する国家資格
プロジェクトマネージャ試験は、「ITプロジェクトの全責任を担うマネジャーとして活躍したい」という方にとって、最高の目標となる国家資格のひとつです。難易度は高いですが、合格後に得られる信頼性とキャリアの可能性は大きなものがあります。
「ITプロジェクトを成功に導き、チームと社会に価値を届けたい」――そう思ったときの目標として、プロジェクトマネージャ試験はきっと頼れる存在になってくれるでしょう。
