認知症ケア専門士について

実技試験あり筆記試験実務経験・学歴が必要
民間資格

認知症ケア専門士とは?

概要・難易度・取得のメリットを解説

認知症ケア専門士の概要

認知症ケア専門士は、認知症ケアに関する専門知識・技術を認定する民間資格です。一般社団法人日本認知症ケア学会が実施しており、認知症ケアの分野に特化した、専門性の高い資格として知られています。

認知症ケアとは、認知症のある方の「その人らしさ」を尊重しながら、安心して生活できるよう支援する関わり方のこと。一人ひとりの背景や状態に合わせたケアが求められる、奥の深い専門領域です。

どんな人のための資格?

受験には「認知症ケアの実務経験(年数要件)」などの要件があります。介護や医療の現場で認知症のある方と関わる機会が多い方が、自分の専門性をさらに高めたいときに目指すことの多い資格です。

「認知症ケアという専門領域を、より深く追求したい」という方にとって、大きなやりがいにつながる試験といえるでしょう。

試験の受け方

試験は段階によって、筆記試験に加えて論述試験や面接が課されることもあります。知識だけでなく、実際の場面でどう考え、どう関わるかという実践的な力が問われるのが特徴です。

筆記試験+論述・面接(段階による)とは、知識を問う筆記試験に加えて、考えを文章でまとめる論述試験や、対人での受け答えが評価される面接などが課される形式のこと。知識・思考力・実践力を総合的に確認する、専門資格らしい構成といえます。

受験資格となる実務経験年数や試験内容は変更される場合があります。お申し込み前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

「専門性を、さらに深める」ための資格

認知症ケア専門士は、すでに現場での経験がある方が、その専門性をより深く掘り下げるために挑戦する資格です。「広く学ぶ」段階から「深く極める」段階へとステップアップする、ひとつの節目になる試験といえるでしょう。

難易度・学習時間の目安

★★★★☆ やや高い ― 専門性が高く、実務経験を踏まえた準備が求められる難易度です

結論からいうと、認知症ケア専門士は「現場での経験を、専門知識と論理的な思考の両面から裏付ける必要がある試験」です。論述や面接が課される段階もあるため、暗記だけでなく「自分の言葉で説明する力」も求められるといわれています。

客観的な目安となる数値

合格率の目安:明確な数値は年度や段階によって変動しますが、専門資格として一定の準備期間を要するといわれています。実務経験と学習を結びつけることが合格への近道です。

  • 学習時間の目安:現場経験がある場合でもおよそ150〜250時間程度といわれています
  • 出題形式:筆記試験に加え、段階によっては論述試験・面接が課されます(内容や時間は変更される場合があるため、受験前に必ず公式情報をご確認ください)

「正解がひとつではない」分野に向き合う難しさと面白さ

認知症ケアには、「これさえすれば必ずうまくいく」という単純な正解がありません。一人ひとりの状況に合わせて、最善の関わり方を考え続ける――そんな難しさと向き合う中で、自分自身の引き出しが大きく増えていく実感を得られるでしょう。

「経験を、確かな専門性として磨き上げたい」という方にとって、大きな成長の機会になってくれるはずです。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

認知症ケア専門士は、「認知症ケアに関する高い専門性を持つ人材」であることを示してくれる資格です。専門性が強く求められる現場で、信頼される存在になります。

知識を直接活かしやすい職種・業務

なかでも、次のような職種・業務では知識を直接活かしやすいでしょう。

  • 認知症対応型のグループホームやデイサービスで、専門的なケアを行う仕事
  • 介護施設で、認知症ケアに関するチームの中心的な役割を担う仕事
  • 認知症ケアに関する研修・指導を行う立場での仕事

※ 認知症のある方と接する機会は、今後さらに増えていくといわれています。「専門性を持って、的確に対応できる人材」は、現場にとってかけがえのない存在になっていくでしょう。

就職・転職活動でのアピール材料にも

「認知症ケアという専門領域に強い」ということを、客観的な形で証明できるのは大きな強みです。「専門性を磨いて、より責任のある立場を目指したい」という方にとって、心強い武器になってくれるでしょう。

関連する資格にも目を向けてみよう

また、ここで身につけた専門性は、ほかの資格・役割とも組み合わせることでさらに活きてきます。「現場の経験と専門資格を重ねて、認知症ケアのスペシャリストを目指す」というルートを選ぶ人も少なくありません。

  • 介護福祉士:介護の専門知識・技術を持つことを証明する国家資格
  • 介護支援専門員(ケアマネジャー):要介護者のケアプラン作成等を行う専門職に必要な資格

※ どちらも認知症ケア専門士と相性のよい資格です。介護福祉士は介護現場での実践力を、認知症ケア専門士は認知症ケアの専門性を、介護支援専門員はケアプラン作成などのマネジメント力を、それぞれ強みとして示せる関係にあるとイメージするとわかりやすいでしょう。それぞれの記事も準備が整い次第、このサイトでご紹介していく予定です。

誕生の背景・歴史

認知症ケア専門士は、認知症のある方の数が増加し、より専門的なケアへのニーズが高まる中で、「認知症ケアに特化した専門性を、客観的に認定する資格が必要だ」という考えのもとに誕生した資格です。

「専門特化」という選択肢を切り拓いた資格

介護・福祉の資格は、幅広い知識を問うものが中心となりがちですが、認知症ケア専門士は「認知症ケア」というテーマに焦点を絞っているのが大きな特徴です。「広く学ぶ」段階の先にある、専門特化の道を切り拓いた資格のひとつといえるでしょう。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

認知症ケア専門士は「特定の施設で働く人だけの資格」ではありません。さまざまな立場の方が、それぞれの目的で挑戦しています。

主な受験者層

代表的なのは、次のような方々です。

  • 認知症対応の介護現場で実務経験を積んでいる方 ― 専門性を、客観的な形で証明したい人
  • 介護福祉士やケアマネジャーとして活躍している方 ― 認知症ケアという専門領域を、さらに深めたい人
  • 看護師や医療職として認知症のある方と関わる方 ― 医療と介護、両方の視点から専門性を高めたい人
  • 施設でリーダー的な役割を担う方 ― チーム全体の認知症ケアの質を高めたい人

共通する動機は「その人らしさを、最後まで大切にしたい」という思い

共通しているのは、「認知症があっても、その人らしい暮らしを最後まで大切にしたい」という思いです。専門的な関わりによって、利用者の表情が穏やかになっていく瞬間に立ち会えることは、この仕事ならではの大きな喜びといえるでしょう。

こんな人におすすめ・こんな人にはやや物足りないかも

「自分に合っているかどうか」を考えるときの参考に、向き・不向きの傾向も挙げておきます。

  • おすすめな人:認知症ケアという専門領域を、さらに極めたい人/現場での経験を、専門資格という形で裏付けたい人/チームの中心となって認知症ケアの質を高めたい人
  • やや物足りないかもしれない人:まだ認知症ケアの実務経験が少ない人(この場合はまず現場での経験を積むことが近道になります)/特定分野よりも、介護全般の基礎を幅広く学びたい人(この場合は介護福祉士が選択肢になります)

豆知識:「専門特化」という生き方

認知症ケア専門士には、実はちょっとした「うんちく」がいくつもあります。

「正解のない問い」と向き合い続ける専門職

認知症ケアの分野では、研究や知見が今も日々更新され続けています。「これが絶対の正解」と言い切れる場面は少なく、専門職自身も学び続ける姿勢が求められます。その意味で、一生涯にわたって成長し続けられる、奥の深い専門領域だといえるでしょう。

「専門士」という名前に込められた意味

「専門士」という言葉には、特定の分野を深く究めた人材であるという意味が込められています。幅広い基礎を学んだ先に、自分の「軸」となる専門性を持つこと――それは、長く現場で活躍し続けるための大きな支えになるでしょう。

まとめ ― 「専門性」を、確かな強みに変える資格

認知症ケア専門士は、「認知症ケアという専門領域で、さらに深く力をつけていきたい」という方にとって、大きなやりがいにつながる資格です。

「経験」が「専門性」という確かな形になる

これまで現場で積み重ねてきた経験が、専門資格という客観的な形になることで、自分自身の歩みに対する自信にもつながります。それは、この資格に挑戦したからこそ得られる手応えといえるでしょう。

「専門特化」が、これからのキャリアを支える

学習時間の目安は150〜250時間ほどで、現場経験を積みながら準備を進めやすい内容です。「自分の強みとなる専門領域を持ちたい」という方にとって、確かな道しるべになってくれるでしょう。

「その人らしさを、最後まで大切にできる専門職になりたい」――そう思ったときの目標として、認知症ケア専門士はきっと頼れる存在になってくれるでしょう。