DTPエキスパート認証試験について

CBT・オンライン試験実技試験あり誰でも受験可
民間資格

DTPエキスパート認証試験とは?

概要・難易度・取得のメリットを解説

DTPエキスパート認証試験の概要

DTPエキスパート認証試験は、DTP(印刷物のデジタル制作)に関する実践的な知識・スキルを認定する資格です。公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)が実施しており、印刷・出版業界では広く知られた、実務に直結する資格として位置づけられています。

DTPとは、Desktop Publishing(デスクトップ・パブリッシング)の略で、パソコンを使ってチラシ・雑誌・書籍などの印刷物のデザイン・編集・レイアウトを行うことを指します。「紙の媒体を、画面上で作り上げる仕事」とイメージするとわかりやすいでしょう。

どんな人のための資格?

受験資格に制限はなく、誰でも挑戦できます。印刷会社やデザイン事務所で働く方はもちろん、出版社の編集職や、紙媒体の制作に関わる広告・販促担当者にも選ばれている資格です。

「印刷物づくりの工程を、上流から下流まで体系的に理解したい」という、制作の全体像をつかみたい方にぴったりの試験といえるでしょう。

試験の受け方

試験は、パソコンを使って解答する「CBT方式」の知識試験と、実際に課題に取り組む「実技課題」を組み合わせた形で実施されます。知識面と実践面の両方が問われるのが特徴です。

CBT方式+実技課題とは、パソコン上で行う知識確認のテストと、実際に制作物を仕上げる課題提出を組み合わせた試験形式のこと。「知っている」だけでなく「実際に形にできる」ところまで評価してもらえるのが特徴です。

受験料の目安や試験日程は、時期によって変更される場合があります。お申し込み前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

「制作の上流から下流まで」を見渡す視点

出題される範囲は、デザインやレイアウトの技術だけでなく、印刷の仕組み、color(色)やフォントの知識、進行管理やコスト感覚など、印刷物が完成するまでの一連の流れを幅広くカバーしています。「制作の現場全体を見渡せる人材」を育てる試験設計だといえるでしょう。

難易度・学習時間の目安

★★★★☆ やや高め ― 実務経験を重ねながら挑戦したい難易度です

結論からいうと、DTPエキスパート認証試験は「現場経験を積みながら、実践と知識の両輪で力をつけていく試験」です。気軽に挑戦するというより、実務の延長線上にある「ステップアップの目標」として捉えるとよいでしょう。

客観的な目安となる数値

合格率の目安:明確な数値は公開されていませんが、知識試験と実技課題の両方をクリアする必要があるため、計画的な準備が欠かせない試験といわれています。

  • 学習時間の目安:DTPの実務経験がある場合でもおよそ100時間前後、知識を一から整理する場合はさらに時間が必要になるといわれています
  • 出題形式:CBT方式の知識試験と、実際の制作物を仕上げる実技課題の組み合わせで実施されます(出題内容や試験時間は変更される場合があるため、受験前に必ず公式情報をご確認ください)

「現場の経験」が、そのまま強みになる

もちろん、出題範囲の広さに最初は戸惑うかもしれません。ただ、印刷・出版業界で働いている方にとっては、日々の業務で触れている内容と重なる部分も多く、実務経験がそのまま学習の助けになりやすいのもこの試験の特徴です。

「現場で培ってきた経験を、資格という確かな形に残したい」という方にとって、努力に見合う手応えを感じられる試験といえるでしょう。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

DTPエキスパート認証試験は、「印刷物制作の知識と実践力を兼ね備えた人材」であることを示してくれる資格です。印刷・出版・デザイン業界でキャリアを重ねたい方にとって、確かな指針になってくれるでしょう。

知識を直接活かしやすい職種・業務

なかでも、次のような職種・業務では知識を直接活かしやすいでしょう。

  • 印刷会社やデザイン事務所での、DTPオペレーター・デザイナーの仕事
  • 出版社や広告代理店での、編集・レイアウト・進行管理の仕事
  • 企業の広報部門での、パンフレットやチラシなど紙媒体の制作・監修業務

※ DTPの知識は、デザインそのものだけでなく「印刷会社や制作スタッフと、的確にやり取りできる力」としても役立ちます。「発注する側」と「制作する側」の橋渡しができる人材は、現場でも重宝されやすいでしょう。

就職・転職活動でのアピール材料にも

業界内で広く知られた資格であることから、「DTPの知識と実践力を、一定水準以上備えている」ことを伝えやすいのも魅力です。「印刷・出版業界でのキャリアを築きたい」「制作の上流工程に関わりたい」という方にとって、説得力のある裏付けになってくれるでしょう。

関連する資格にも目を向けてみる

また、ここで身につけた知識は、関連する資格への興味にもつながります。「制作の知識を深めたうえで、デザインの専門性もさらに広げたい」というルートを選ぶ人も少なくありません。

  • DTP検定:DTPの基礎的な知識・操作スキルを認定する検定試験
  • 色彩検定:色の知識や配色技術を体系的に学べる、デザイン分野で広く役立つ資格

※ どちらもDTPエキスパート認証試験と関わりの深い資格です。DTP検定はDTPの基礎を、DTPエキスパート認証試験はより実践的・専門的な知識と実技を、色彩検定は配色の専門知識を、それぞれ強みとして示せる関係にあるとイメージするとわかりやすいでしょう。それぞれの記事も準備が整い次第、このサイトでご紹介していく予定です。

誕生の背景・歴史

DTPエキスパート認証試験は、印刷物の制作現場が、紙とペンによる手作業からパソコンを使ったデジタル制作へと大きく移り変わっていく中で、「DTPに関する知識と実践力を、業界として正式に認定する仕組みが必要だ」という考えのもとに生まれた資格です。

「現場で磨かれた基準」としての試験

日本印刷技術協会という、業界に深く根ざした団体が運営していることもあり、出題内容には「実際の現場で本当に必要とされる知識」が色濃く反映されているといわれています。机上の理論にとどまらない、現場目線の試験として磨かれてきた歴史を感じさせる資格です。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

DTPエキスパート認証試験は「ベテランのデザイナーだけの資格」ではありません。さまざまな立場の方が、それぞれの目的で挑戦しています。

主な受験者層

代表的なのは、次のような方々です。

  • 印刷会社・デザイン事務所で働くDTPオペレーター ― 日々の業務で得た経験を、資格という形で裏付けたい人
  • 出版社・広告代理店の編集職 ― 制作の全体像を体系的に理解し、進行管理に活かしたい人
  • 印刷・デザイン分野でのキャリアアップを目指す人 ― より上流の工程や管理的な立場を目指したい人
  • 紙媒体の制作に関わる企業の広報・販促担当者 ― 制作会社とのやり取りに自信を持ちたい人

共通する動機は「現場の知識を、確かな形に残したい」という思い

共通しているのは、「日々の仕事で培ってきた経験や知識を、目に見える形で証明したい」という思いです。実務経験が豊富な方ほど、この試験を通じて「自分の実力を再確認できた」と感じることも多いといわれています。

こんな人におすすめ・こんな人にはやや物足りないかも

「自分に合っているかどうか」を考えるときの参考に、向き・不向きの傾向も挙げておきます。

  • おすすめな人:印刷物制作の知識を、上流から下流まで体系的に整理したい人/DTPの実務経験を、資格という確かな形で裏付けたい人/印刷・出版業界でのキャリアアップや管理職を目指している人
  • やや物足りないかもしれない人:これからDTPの基礎をゼロから学び始めたい人(この場合はDTP検定など、より基礎的な資格から始めるのがおすすめです)/Web制作などデジタル領域に専門性を絞りたい人

豆知識:紙の知識は、意外と幅広い分野で役立つ

DTPエキスパート認証試験には、実はちょっとした「うんちく」がいくつもあります。

「紙だからこその知識」が今も求められている

デジタル化が進む時代にあっても、チラシ・パッケージ・書籍など「紙でなければ伝わらない」場面は数多く残っています。色の出方や用紙の特性など、紙の媒体ならではの知識は、デジタルだけでは得られない専門性として根強く求められているといわれています。

「紙」と「デジタル」の橋渡し役にも

近年では、紙媒体とWeb・デジタル媒体を一体的に企画・制作する場面も増えています。DTPの知識を持つ人材が、紙とデジタルの両方を見渡せる「橋渡し役」として重宝されるケースも増えてきているようです。

まとめ ― 「ものづくりの現場力」を、確かな形に

DTPエキスパート認証試験は、「印刷物づくりの知識と実践力を、しっかりとした形で残したい」という方にとって、努力の方向性を示してくれる資格です。

「経験」を「証明」に変えられる試験

すでに現場で経験を積んでいる方にとっては、これまで培ってきた知識やスキルを、客観的な形に変える絶好の機会になります。実務と試験勉強がリンクしやすいのも、この資格の心強いところです。

「広い視野」が評価につながる試験

知識と実技の両方が問われる分、決して簡単な試験ではありません。しかし、その分だけ「制作の全体像を理解している人材」として評価されやすく、キャリアの幅を広げる確かな後押しになってくれるでしょう。

「ものづくりの現場で培った力を、確かな形にしたい」――そう思ったときの目標として、DTPエキスパート認証試験はきっと頼れる存在になってくれるでしょう。